アレッサンドロ・ヴァグナーのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ15世紀、ラグーサ(現在のクロアチア共和国ダルマチア地方のドゥブロヴニク)で活躍した商人にして、外交官、造幣局長、財務総監でもあるベネデット・コトルリの著書。
……を、複式簿記の指南など門外漢には分かりづらい部分を省略し、再編した海外の本から、日本語訳されたのが本書。
ユマニストのはしり、ペトラルカが、宗教色というかキリスト教と教会組織へのおべっかばかりで読みづらいのに比べ、本書は(現代人による再編もあり)15の短い章に分けられた、商売人の心構えと、ちょっとだけ複式簿記の基礎を説いた読みやすい本である。
ルネッサンスと商業の二つの世界で、生き生きと学び、活動したコトルリ。そのの筆致は古典から -
ネタバレ 購入済み
世界初のビジネス書
要約
商売術=実践的学問
商売の目的= 利益を得て富むこと
①正しい足で出発するために、可能なことは全て行うべき
→有能な才知の証明は、新しい事柄を見出すことにあるため
②商人は巧妙でなければなたない
→他人から損害を受けないため
③常に困難と忍耐の準備をする
→職業柄
④すべてを欲すると死ぬ
→富みたいなら、長く生きて一度に少しだけ儲ける
⑤常に質重視
→評判の保持により、商売を円滑に
⑥常に正確で整理された帳簿を有す
→帳簿は、契約すること、商売すること、利益を上げることを教えてくれる
⑦商人の性格
→商人は自制 -
Posted by ブクログ
世界初のビジネス書で、15世紀に書かれたとされる。
500年以上も前にどんなことを言っていたのか気になって読んでみると、今まさに必要とされるマインドの部分。
テクニック偏重のこの時代にとって非常に重要な内容だと感じた。
本の中に出てくる20の重要なポイントの中で、私が特に気になったのは
「公正さとは、各々に自らのものを帰することである」
これはまさにそうで、よく公正とか公平でなければいけないという声を聞くが、みな盲目的にそうしなければならないと思い込んでいるように思う。
だから、他人に対してもその考えを強要してしまうのだけれど、なぜ公正にするのかを考えると、コトルリさんの言うように、結局自分に -
Posted by ブクログ
15世紀にイタリアで活躍した商人〈ベネデット・コルトリ〉。彼が後世の商人たちのために著した『商売術の書』をまとめたものが、この『世界初のビジネス書』になります。
本は15の章で構成されています。ビジネス書となると技術的なことや専門的なことを中心に書かれているのかと思ったのですが、商人としての心構えやあり方といったものが中心の内容です。
商売って打算や計略的なところもあるかと思うのですが、この本に書かれているとてもまっすぐで当たり前のこと。契約や法を順守し、つき合う人を選び、欲をかき過ぎず、扱う商品の質を担保する。
自分一人の儲けだけに専心せず、他の者たちにも利益をあげさせよ、と説いている