田中輝美のレビュー一覧

  • 関係人口の時代 「観光以上、定住未満」で地域とつながる

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    新卒で精神を病んでドロップアウトしてから社会復帰しようにもいまいちやる気が起こらないのはずっとそうだった。なぜかというと、お金や地位など外発的モチベーションで成り立つのが仕事だからだ。自分でなくてもいいのである。しかし、この本で紹介している関係人口は観光以上、定住未満でその地域に携わる人を指している。スキルなどなくても、その地域への気持ちさえあれば関わることができるのである。「つながりがない」「存在感がない」「やりたいことがない」を解消する新たなコミュニティデザインについての本で非常に興味深い内容だった。

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    2025年08月30日
  • 関係人口の社会学-人口減少時代の地域再生

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    本書は、著者が学位論文を基礎にして書籍として整理したという一冊であるという。そういう“生い立ち”を踏まえて「一般読者に読み悪い場合?」と断ってもいるが、別段に「読み悪い」というようには思わなかった。逆に「読み易い」と言って差し支えないと思う。
    「学位論文を基礎に」ということであるから、著者の個人的な興味を含めて“問題意識”が起こる理由というような事、または着目してみたい事が提示され、事案が整理されて行って、それに基づいて観察や分析を試みた幾つかの事例、事例の観察を通じて類型を設定する等の「課題や着目点の一般化」を試みるというような、「解り易い流れ」が確りと存在している。だから「読み易い」という

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    2021年05月14日
  • 関係人口の時代 「観光以上、定住未満」で地域とつながる

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    9ページ目「関係人口の図解」を見ると、関係人口は

    地域内にルーツがある者(遠居)
    地域内にルーツがある者(近居)
    何らかの関わりがある者(過去の勤務や居住、滞在等)
    行き来する者「風の人」

    に別れる、という。

    自分にとっては2つ目4つ目はなく、1つ目に静岡、3つ目に東京・京都が当てはまる。

    自分に転居願望がある(多分平均より強い)のは、土地土地と関係人口化したい、という気持ちがあるからなのかも知れない。同時に濃密な関係になりたくない、という面も。

    文教堂淀屋橋店にて購入。

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    2025年11月22日
  • 関係人口の社会学-人口減少時代の地域再生

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    ネタバレ

    人口減少が進む地域では、住民の「誇りの空洞化」や「あきらめ」に起因する主体性の欠如が見られる。(=心の過疎化)
    関係人口とは、「特定の地域に継続的に関心を持ち、関わるよそ者」である。
    すなわち、企業や返礼品目当てのふるさと納税など、利己的な欲は含まず、また自発性に意義を置き、関心を軽視するボランティアも含まない。
    今まで、地域・よそ者の双方が主体となる相互作用の形成はなかったが、これからはこれが求められ、双方の信頼関係が重視される。関係人口は、この主体を形成する作用としてのキーパーソンである。
    地域再生とは、地域再生主体が多層的に形成され、地域課題が解決され続けるという連続的過程であり、地域の

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    2022年10月09日
  • 関係人口の社会学-人口減少時代の地域再生

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    地域再生の主体として、最近取りざたされている「関係人口」。「定住人口」でもなく、「交流人口」でもない。本書では「特定の地域に継続的に関心を持ち、関わるよそ者」と定義、その群像と地域再生に果たした役割を3つの事例から紹介する。
    一つは島根県海士町における島前(どうぜん)高校を復活させた高校魅力化プロジェクト。中心人物は東京都からIターンしてきた岩本悠氏。彼と地元の役場職員や教員がコラボして、都会ではできない経験や進路を実現しやすい環境という打ち出しで、島留学を増やし、廃校寸前の高校を蘇らせた。
    二つ目は島根県江津市で起業人材を呼び込むビジネスプランコンテストをきっかけにシャッター通り商店街が蘇っ

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    2022年07月06日
  • 関係人口の社会学-人口減少時代の地域再生

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    関係人口界隈ではお名前をよく拝見する山陰のジャーナリスト田中輝美さんが大阪大大学院での研究を著書にされている。
    これまでの関係人口の流れや、それぞれの方がどういった分類やフレームワークを形成されたのかが分かり面白く読ませていただいた。
    特に面白かったのは、具体的な事例として紹介されている3つのうちの1つ、香川県まんのう町の話。いわゆる地方創生成功モデルのきらきらした話ではなく、集落の終わりも見すえながら、しかし残った人たちをどう支えるか、という観点で転出した子供たちのネットワークを活用して体制を作っていくという話は多くの地域で参考になる事例だと感じた。検索してもあまり出てこないのは、やはりキラ

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    2021年09月23日