椎野直弥のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
中学一年生の吃音の男子生徒のお話です。
吃音のために、友だちがいない悠太。自己紹介や授業での音読など、学校では緊張を強いられることばかり。周りの生徒からはバカにされ、からかわれる。
でも、中学生になったのをきっかけに放送部に入り、発音の練習をしてみる決心をする。
みんなが普通にできていることができない苦しさ、恥ずかしさ。からかわれるのも辛いけれど、頑張れと言われることも辛い。悩んでいるのは君だけじゃないよ、なんて言われると、普通にできている人に、この苦しさが分かるのか!と撥ねつけたくなってしまう。
YA向けの作品なのでとても分かりやすい展開なのですが、正直、何度か涙が溢れてしまいました。主 -
Posted by ブクログ
吃音のある男子中学生悠太、初日から自己紹介ができず、教室から逃げ出してしまう。
友達も作れず、不安だらけのスタート。
しかし隣の席の女子、古部さんと放送部に入部し、なんとか楽しい中学生生活が送れると思ったが…。
吃音って周りが思っている以上に本人は辛いのだろう。
何でもそうだと思うが、上手くやらなければ、と思うと余計に上手くいかない。
自己流では治せないらしい。
将来に対する不安は大きいだろう。
吃音に対する世の中の正確な認知が必要だろうと思った。
何にでも言えることかもしれないが、一歩踏み出さなければ何も変わらない。それはわかっている。でも、その一歩を踏み出すにはとてつもなく勇気と努力がいる -
Posted by ブクログ
吃音を知らない人が吃音について知る物語としては良書。
お姉さんとゆうたの場面はすごく共感できましたー!
吃音の有無を問わず人とすれ違ったことがある人なら刺さるシーンだと思います。
吃音がある人の苦しみをきちんとひとつひとつ掬いだしていると思います。
ただし、こういう苦しみを味わう・感じる人が全てではないということはきちんと分かった上で読んでほしいと思います。
ここからは否定的な感想になるので感動している人、この本がいいと思っている方は要注意。
まず吃音のお子さんをお持ちの方がお子さんにすすめるのはおすすめしません。
特に吃音を前向きに捉えて生活しているお子さんをお -
Posted by ブクログ
この僕の孤独をわかる人なんかいない。
主人公・柏崎悠太は吃音の症状を抱えている。中学生になって初めての日、自己紹介が上手にできない不安で保健室に逃げ込んだ。上手にしゃべれるようになるかも、と勇気を出して、放送部の扉を叩いた彼が出会ったのは――。
人の優しさを素直に受け取れないこともある。自分の苦しみを他人と比べてしまうこともある。吃音は、確かにこの社会で生きる上でハンデになるだろう。だからといって、がんばれ、とか、治るようにしよう、というのも、何か違う。
主人公の抱える悩みは「吃音症」だが、誰にでもハンデだと感じることや、生きていくうえで困っていることがあるだろう。その悩みの大小や重い軽