川崎七音のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレラストシーン、泣きました。
主人公とその姉がお互いに自らの命と引き換えに相手を
生かそうとし、相手のものを破壊すれば自らの望みが叶う
契約書-十字架のネックレス-を破壊するため、
兄弟で殴り合い、泥まみれになりながら本音を叫び合う。
正確かつ繊細な表現のおかげで、場面の理解も容易く
まるで自分がその場に居合わせたような気になれました。
最序盤(というか1番最初)に事故死した姉のことを
主人公が「僕が殺した姉」と呼んでいるのもあり、
己の不甲斐なさに自責の念を抱いていたことが
よく分かりました。その上でのあのラストシーン。
私は泣かずにはいられなかったです。
死神-モーンガータ-がドス黒い性 -
Posted by ブクログ
ネタバレ姫野の死、完璧な小説に取り憑かれた逸歌、逸歌になり切ることに取り憑かれた荘一。ただ優れた小説を書きたい人間同士がここまで狂えるのか、と衝撃だった。親友が親友を監禁、虐待し合うという惨過ぎる展開でまだ中盤戦。終局は姫野の死の真相、監禁して小説を書かせた謎、姫野との会話の意味の全てが一気に明らかになる。逸歌にとって生の体験こそが創作の種であり、生き死にも含めてそこに親友を巻き込むことを何とも思っていない。ただ頭が良くサイコパスなので10何年先まで計画に落とし込み自分は無罪で「完璧な小説」を完成させる、という彼の姿に良い意味で吐き気がした。真相の隠し方、伏線回収のタイミング、展開のスピード全て高いレ