中畑正志のレビュー一覧

  • アリストテレスの哲学

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    現代にいたる哲学の様々な思想とアリストテレスの思想との関係を明らかにするなかで、アリストテレスの思想がどのようなものだったかを浮かび上がらせている。今までアリストテレスについての解説本を読んでも今一つモヤモヤしていたことが、ひとつひとつスッキリしていく。「デュナミス」や「不動の動者」などの概念、あるいはスコラ学やルネサンス期におけるアリストテレスの受容のされ方、などなど。ある程度アリストテレスや哲学史全般について学び考えたことのある人なら絶対おもしろい。

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    2024年09月06日
  • アリストテレスの哲学

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    アリストテレス哲学を分野別にまとめた本で,アリストテレス哲学に入門したい人にとってはちょうど良いと思う。

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    2024年08月27日
  • アリストテレスの哲学

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    この本はアリストテレスの哲学の入門書のようなもののようです。
    形而上学のような難しいことは難しいことは、わかりませんでした。
    心に残ったのは「われわれにとって知られることから事柄の本性に即して知られることヘ」というアリストテレス自身の言葉と、
    「世界の現実の中にこそ豊かな可能性が存在しているのだ」という筆者の言葉です。

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    2023年05月03日
  • アリストテレスの哲学

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    過去の遺物として紹介されることが多いアリストテレスだが、彼は、現代の政治哲学(共同体主義)、科学主義に否定的な哲学者(マクダウェル、パトナム)、本質などを個々の事物の現実のあり方として認め、そうした世界のあり方に基づいて、実在する可能性や必然性を説明しようとする新アリストテレス主義者に参照されている現役の哲学者である。また、日常と通念から出発し、明確な方法に基づく吟味により知を構造化していったアリストテレスの姿勢は、実務家にとって今でも参考になる。
    そんなアリストテレスの思想を、わかりやすく説明してくれる良書。

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    2023年03月18日
  • はじめてのプラトン 批判と変革の哲学

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    入門書でありながら、随所に筆者独自の解釈が打ち出されている。
    ・国家の中心巻を、批判と変革という筆者の立場と結びつけて国家の中に位置付ける手つきが個人的な読みどころ
    ・レオシュトラウスやネオコンのプラトン読解を、プラトンをどう読むかという問題と結びつけて論じるさまは、古典哲学研究者の面目躍動
    ・プラトンの魂論の解釈問題を解決すると同時に現代の哲学的行為論に示唆を与える箇所も唸らされた。

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    2022年11月22日
  • はじめてのプラトン 批判と変革の哲学

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    「これちゃんと解説できてる!?」と不安にるほどわかりやすかった。別にプラトンはノータッチというわけではなく、以前に著作を何冊か読んではいたが、最近彼の思想の重大さがようやくわかり始めてきたため、入門書や解説書をちょくちょく手にとってはいる。ある程度落ち着いたら岩波文庫から出ている著作にまた再度挑戦するつもりだが、そのときのための心強い味方になってくれることに期待。

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    2022年11月03日
  • アリストテレスの哲学

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    アリストテレス=哲学者といっていいほど、著名な哲学者である。

    2000年前の哲学者であるが、哲学を学ぶ者は、アリストテレスを避けて通れない。

    アリストテレスは論理学の創造した哲学者であるが、その研究分野は多岐にわたる。

    アリストテレスがつくりだしたり定着させた、概念や考え方を、現代人も使っている。

    アリストテレスの概念が、人間の思考の基礎的な部分を的確にとらえていることから、現代でも使われているといえる。



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    2025年12月06日
  • アリストテレスの哲学

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     西洋の知の源泉の一つとして多大な影響を及ぼしながら、一般には「否定すべき対象」としか捉えられていないアリストテレス。本書は、そのような一般に流布する「誤解」のいくつかに反論しつつ、今なお現在進行形で有効さを保つアリストテレスの哲学を検証することで、「人間の『知』が成立する条件」を改めて問おうというもの。僕は「魂について」でしかその著作に触れたことがないのだが、これまでにアリストテレスを扱った読み物はいくつか読んでいる。

     例えば、「アリストテレスに由来する古い「概念」に縛られることで、学問に枷が嵌められているのでは?」という疑問に対しては、次のように反論を試みる。アリストテレスの知的探究に

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    2023年11月13日
  • アリストテレスの哲学

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    アリストテレスの哲学を詳細にわかりやすく説明した本である。最後の章でアリストテレス復権についていろいろと説明されていた。実際の復権者の哲学の書籍を読んでいないので、簡略化された説明はあるものの、よくわかった、ということではなかった。

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    2023年06月10日
  • アリストテレスの哲学

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    「で、あるべきだ」という信念(思い込み?)からコミュニケーションを始めようとうとする、つきあうのがメンドクサイ人には、しっかり調べて分析して自分のモノの見方を吟味してからしゃべってほしい、と切に願う。世界を、澄明に、フラットかつ緻密な目で見るということでありたい。

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    2023年04月22日
  • はじめてのプラトン 批判と変革の哲学

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    プラトンの思想を、「批判と変革の哲学」として紹介している入門書です。

    著者は「おわりに」で、アリストテレスにくらべると、「プラトンの場合は、たとえばイデア論にしても魂の理論にしても、プラトンの専門的研究者の間の熱心なやりとりを別とすれば、議論は少し寂しい状況ではないか」と語り、「本書のなかでも、イデア論は普遍や個をめぐる分析形而上学的考察にどのような意味があるのか、プラトンの魂の理論は現代の心の哲学に何を貢献しうるのか、といった、より理論的なことに触れようと思っていた」けれども、けっきょくそれは「断念した」と述べています。

    とはいえ、本書の叙述の随所に、そうした観点からの切り口を見てとるこ

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    2022年07月11日
  • はじめてのプラトン 批判と変革の哲学

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     ただのプラトンの解説本かと思ったら、自分自身で考えようとか、当たり前に思っている日常を見直してみようとか、思考欲がわいてくる本だった。プラトンの教育者としての面が強調されているように思う。現代に生きる私にも気づきを与えてくれるプラトンと、その手引きをしてくれた著者にありがとうと言いたい。

     あと、哲学の本にしては読みやすい方だと思う。難しい話をしているが、「わかっちゃいるけどやめられないのではなく、そもそもわかっちゃいないのだ」みたいな口語や、例として出てくるBABYMETALに癒される。イデア論も「肉屋の1kg」、「H2Oとしての水」の例などで自分なりには理解できた。まさにプラトンのよう

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    2022年05月07日
  • アリストテレスの哲学

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    人は何のために生きるのか。古代ギリシャのアリストテレスは富でも快楽でもなく「善く生きること」こそ幸福だと説いた。中畑正志『アリストテレスの哲学』はその思想を誤解や批判に応答しつつ現代に読み直す。混迷の時代、私たちは理性と情念、必然と偶然のはざまで揺れる。速さや効率に追われる日常の中で調和を探る彼の声はいまも生きている。

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    2025年08月30日
  • アリストテレスの哲学

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    趣味のなかで『アリストテレス全集』を読む機会があったが、あまりにも読みづらく、まずは全体像から知ろう、ということでこの本を手に取りました。
    哲学の話なので簡単ではありませんでしたが、前半部の「徳」の話や「経験的習熟」の話は大変面白いと思いました。

    すべての学問が日常体験を出発点にしているおかげで、何千年もの時を超えても、身近に感じることができるのだろうと感じました。

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    2025年06月27日
  • アリストテレスの哲学

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    ネタバレ

    アリストテレスの本を読む準備に読んでみたけど、ある程度の知識は前提になってる感じがして一番目にはあまり向かない本だったかもしれない。
    アリストテレスに向けられる批判に対するアンサーという形で彼の思想を紹介していく内容で、思ったより難しくて二回読んだ。思想を系統立てて紹介するというよりは、魂や原因などのアリストテレスの使用する用語の現代のイメージ・解釈とのズレを指摘したり、彼独自の考え方を丁寧に説明するのが主になっている。
    アリストテレスの知的探求は、人間の知を求める本性と知的能力を信頼し、多くの情報を集めて観察や実践を重ねたうえで「なぜそうなっているのか」を把握することを目指す(単に答えを知る

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    2024年03月04日
  • アリストテレスの哲学

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     人間には尽きることのない、知りたい、という好奇心がある。その好奇心によって、まずありのままにあることを受け入れたうえで、そのあらゆることの本質を自分の殻に閉じこもらずに探求することが哲学である。これがアリストテレスの言いたいことだ、ということかなあと思う。アリストテレスもすごいけど、彼の思想を批評・発展させてきた哲人たちもすごい。
     個人的には、著者によるアリストテレスの考え方のまとめ、4つの「し」、信頼、収集、習熟、知るが印象に残った。ただ本書は、決してタイパ重視のアリストテレス哲学のお手軽入門書ではないことを記しておく。

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    2023年07月29日