金子都美絵のレビュー一覧

  • [白川静の絵本]サイのものがたり

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    ネタバレ

    とてもよかった。太古の昔を感じる、長い時の流れを感じる絵本。
    ことば(漢字)の解説なのに、「こう生きるべし」と言われているような厳かな気持ちになる。廿=口 の部首や一部をもつ漢字を取り上げて、その成り立ちを紐解きながら、おもに、古代の人たちの考えを解説。

    この本は、白川静の文章から解説を抜き出し、絵をそえて、再構成したという。白川静の漢字の世界に魅せられた、という作者の根底の想いだけあって、その世界観にぞくぞくしながら読める。始まりはシンプルで、どんどん複雑になっていく、その構成が見事。

    「絵本」という媒体で再構成されていて、絵のイメージ(白と黒の、影画のようなコントラスト)が、その漢字に

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    2020年03月30日
  • [白川静の絵本]サイのものがたり

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    白川静さんの絵本

    「サイのものがたり」

    おすすめです。漢字の理解、楽しさを知ってもらうなら、この本から入るのがいいかと。 「もし文字の背後に、文字以前の、はかり知れぬ悠遠なことばの時代の記憶が残されているとすれば、漢字の体系は、この文化圏における人類の歩みを貫いて、その歴史を如実に示す地層の断面であるといえよう。またその意味で漢字は、人類にとっての貴重な文化遺産であるということができる」

    漢字の成り立ちや意味付けは、専門家によってかなり異なるのだが、白川静さんの「口」は、ものすごく納得がいく。暦を掲示したり、熟語を紹介したり、、白川さんの本を手にしたからといって、漢字の指導は成り立ちだ!

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    2019年08月28日
  • [白川静の絵本]サイのものがたり

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    2018年、いちばん心に留まってます。
    晴天の霹靂でした。

    わたしたちの遠い祖先の「祈り」のものがたり。

    この本は「文字がまだ無かった時代のはかり知れぬ悠遠なことばの時代の記憶」を漢字から体系的に解き明かしていった、白川静先生の学問に金子都美絵さんの絵が加えられたアンソロジーです。

    漢字のかたちの中には、それぞれとても多くの物語が籠っています。
    できたのは3,000年以上も昔、中国の殷の時代。森羅万象に霊が宿り、自然が恵みでも、畏れでもあり、人間は自分たちの願いを文字に込めました。

    「口(くち)」という漢字は、祝詞を入れる器の形がもとになっていて、「サイ」と読みます。

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    2019年01月14日
  • [白川静の絵本]サイのものがたり

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    「サイ」とは、神への祈りの言葉を入れる器のことで、この文字をテーマに美しい絵でその意味を表現しています。文字の意味を絵で伝える。この本は絵本のカテゴリーに分類されていますが、むしろ学習書、大人のアート本とも言えそうです。漢字について、いろいろ勉強になりました。

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    2018年10月10日
  • [白川静の絵本]サイのものがたり

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    白川ワールドの魔力にはまる・・・そうだね。
    「漢字は人類にとっての貴重な文化遺産である」という白川先生の言は悠遠だ。

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    2021年02月24日
  • [白川静の絵本]サイのものがたり

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    白川静の深淵のほんの一端にでも触れたものだが、その一端でも、その難解さが現れていることを知らされる。

    自分達が何気なく使っている文字にも歴史と大いなる意味が、それがたった一文字であろうとも含まれていることを知らされる。

    幾星霜にも及ぶ文字の悠遠さに辿りつけるのは、まさに人生をそれに費やし、いや同一となりえた人物でしか至らないのではなかろうか。

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    2019年11月03日
  • [白川静の絵本]死者の書

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     白川静の、ほんの一部を絵を交えて説明している、分類的には絵本になるのであろうが、なんとも難解である。
     簡単に文字を使っている日々ではあるが、その本義について深く考えることなく、何となく使っていることを改めて思い知るにはよい。
     「死」は残骨を拝する象とのこと。人の避けられぬ死ということが、間違いないのならば、死こそが真実の状態との解釈は、まさに死が隣り合わせの時代であるからか。

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    2022年03月20日