ケイレブ・エヴェレットのレビュー一覧

  • 数の発明――私たちは数をつくり、数につくられた

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    数を持たない文化もある、そもそも人間は数をどう認識しているのか、なぜそれが必要だったか、どう生まれたのかを言語人類学、認知心理学、考古学、大脳生理学、動物行動学といった分野の知見を横断して書かれた、知的好奇心に溢れた本。

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    2023年11月18日
  • 数の発明――私たちは数をつくり、数につくられた

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    人類はいつごろから「数」を数え、「数字」を使い始めたのか。数を数え、操ることは私たちにとって当たり前のことで、それなしに日時用生活は送れない。いったい、なぜ?いつから?この本は「数と人類」の驚くべき出会いと、付き合いの長さ、奥深さを教えてくれる。
    読み易くとてもくだけた日本語訳で、この未知の領域の問題についてぐいぐいと頭の中に入ってくるのもありがたい。
    一つ言えるとしたら、この本を読む前にジャレド・ダイアモンド「銃・病原菌・鉄」を読んでおくことをお勧めする。
    今生きている私たち人類すべてが、かつては過酷な自然の中を寄り添い、協力し合いながら生き延びた者たちの祖先なのだ、ということを思い知れば、

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    2022年05月04日
  • 数の発明――私たちは数をつくり、数につくられた

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    ネタバレ

    タイトル通り、数を表現する言葉の成り立ちと、その人間の思考への影響を大いに語ってくれる一冊。動物が生得的に把握できる「きっちり数」は2(と、1+2=3)までで、「ざっくり数」となる4以上の数は言葉なしに判別できないとか、だから「双」「両」など2までを表す語はあっても3以上はほぼないとか4を「2+2」の形で表現する言語が多いとか、5は指の数で10や20までその延長で表現されるとか、5進数も10進数も12進数も身体感覚に基づくものだとか、とにかくもう納得と気づきの連発。左に小さい数、右に大きい数を配する横書き文化では脳までも左側が小さい数、右側が大きい数に反応するのが早くなるくだりなどはたまらない

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    2021年12月22日
  • 数の発明――私たちは数をつくり、数につくられた

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    ボクたちが生得的にもっていると信じている「数」の体系が実は文化、引いてはボクたちの”身”近なモノをヒントに「創られた」ものだという
    広範な学問分野を取り入れボクたちにとっての「数」とはどういうものなのかを提起する名著

    終章では、数が発生した起源とされる場所から現代における数の扱われ方について、農耕革命、一神教など時代を追って描かれていて面白かった
    個人的には、赤ちゃん(最短生後49時間)の数認知の実験をするための方法論や実験の過程、それに対する著者の意見などがユーモアも含まれてて好き

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    2025年01月02日
  • 数の発明――私たちは数をつくり、数につくられた

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    名著「ピダハン」の著者の子息が書いた本ということで手に取った.

    普段我々は数の概念をなんなく使いこなしており,この能力は人間のような知的に高度な進化を遂げた生物には生来備わっているものではないかと思っていたが,実はそれは違うということ.
    つまり,数とは車輪や白熱電球のように人間によって発明された数を表す言葉や記号という文化的産物があるからこそ使いこなせたんだと主張する.

    ただし,人間が生物的に全く数量識別能力がない訳ではない,現代を生きる人間は当然ながら,数を持たない文化の政治や生まれて間もない赤ちゃん,人間ではない動物には生まれもったといっても良いざっくりとした数量識別の能力がある.この

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    2022年03月14日
  • 数の発明――私たちは数をつくり、数につくられた

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    人類がどのようにして数という概念を生み出し、使いこなすようなったのかを、言語人類学、考古学、大脳生理学といった幅広い観点からの分析により解き明かした一冊。

    著者は、人間が生来、概ね1〜3程度の少ない数を正確に認識する「きっちり感覚」と、”17個の木の実は8個よりも多く見える”といった量の規模感を把握する「ざっくり感覚」を備えていたことを、数字を持たない民族や乳幼児による実験を通じて明らかにするとともに、1〜3よりも大きな数の概念の世界が、数字の発明によって切り開かれた背景には、農業革命との相乗効果があり、数字とは即ち、人類が共同社会を維持・発展させるために育み受け継いできた文化的ツールである

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    2022年01月29日
  • 数の発明――私たちは数をつくり、数につくられた

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    私たちの生活において、「数」は非常に重要だ。
    今日は何日? あなたはいくつ? この品物はいくら? これは何グラム?
    多くのものが「数」によって描写され、規定される。数がない暮らしはちょっと想像しにくいほどだ。
    だが、世界には、実際に「数」を理解しない文化がある。身長はどのくらい? お給料はいくら? そんな質問がまったく意味をなさない人々がいるのである。
    本書の著者は人類学・言語学を専門とする研究者。彼は、「数」は自明のものではなく、一種の発明品であると主張する。本書で繰り広げられる、数を巡る旅は、世界の諸言語の研究から始まり、認知心理学、考古学、大脳生理学、動物行動学にまでわたる。目くるめく「

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    2021年11月16日
  • 数の発明――私たちは数をつくり、数につくられた

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    普段はあまりにも当たり前の存在すぎて、その概念に名前がついていることの意味まで考えないで生きている。
    そんな自己認識の発掘をしてくれる1冊がコチラ、ケイレブ・エベレット著の「数の発明」だ。

    自己認識の発掘は、単純に数という見えない、触れられない概念に文字が当てられて、そのおかげでここまで文明が発達した…という再認識に留まらず、スタンダードになっている5や10で区切る文化、なぜ10進法の数学がこの世界で広く伝播したのか、などについて、カラダのある部位がキーとなっているのではないかという仮説をもとに提示される本書を読んでいるうちに知らず知らず深く進んでいく。

    人類学、言語学、心理学の実証データ

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    2023年04月23日
  • 数の発明――私たちは数をつくり、数につくられた

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    数の概念は人類の進歩のために不可欠のものだったけど、それはいつどのように生まれたのか。人間と一言で言っても数の捉え方は歴史的には一様ではなかったし、ましてや人間以外の動物はごく簡単なものを超える数の概念をほとんど獲得出来なかった。
    人間は二足歩行を得て指を見つめることで5や10を理解することができて、農業生産による文化的な有利性もあって数の概念を発達させた。その力は狩猟を主にして自ら数の概念を発達させなかった種族も靡かざるを得ず、神ですらその数の力で生まれ、力をつけていったのかもしれない。

    数の概念について当然のことながら著者の言語である英語が中心になる。もちろんブラジルのピダハン族などの言

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    2021年08月15日