弥生小夜子のレビュー一覧
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ネタバレおーいい本を読んだ。
なんかすごい透明で静謐というか、独特な世界観だった。
志史に対する祖父母や母親の態度ひどすぎる。
本当に暴力だけが虐待ではないのだなと悲しくなった。
悠紀の詮索も高子からもう調べなくて良いと言われてるのに、自分の気持ちだけでどんどんと暴いていく過程もこのボンボンが!と良い気分ではなかったし、何もしないでほしいと願ってしまった。
志史と理都の辛い境遇を理解したのなら、どうかこのまま何もせずにと思ってしまった。
これで2人が自首とか自殺とかしたら最悪だなと思っていたら、ラスト物語は予想外の方向へ。
そして完全に逆恨でびっくりした。
理都の生死がわからないまま物語は終わってしま -
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異母姉の母から遺産相続を受けることになった里花に課せられた条件は、異母姉・夏野の死の真相を調べることだった。かつて高校生4人が心中した事件の裏には何があったのか。奇妙な美しさを持った少女・夏野を巡る事件を描いたミステリです。
いじめを受けた少年が自殺したとされる事件を発端として、その数年後に次々に起こる不穏な事件。その陰で夏野は何を企んでいたのか。長くは生きられないと知っていた夏野がその人生をかけてまでやりとげたかったこと、その矛先は誰に向けたものだったのか。復讐するにしても極端だし、あまりに残酷に思えたのですが。しかしその一方で要が死んでいた姿の謎や、心中現場の割れた窓の意味などが優しく、哀 -
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塾講師をしているシングルマザーの八木里花のもとへ、弁護士から連絡が入った。
「相続のことでお話ししたい」と言う。
誰の相続人にもなりようもない、里花に、弁護士は、被相続人として、母親違いの姉・夏野の母親・藤田由子の名を告げた。
相続する上で、条件が二つ。
一つ目は、夏野の墓を守る事。
二つ目は、夏野の死の真相を探る事。
由子は、娘の死に疑問を抱いていた。
条件を飲む事にした里花は、由子が書いたノートを受け取り、真相を探る事にした。
ノートに書かれていた事とは・・。
夏野の死については、何をか言わんだけど、
最後は、幸せな気分にしてくれた。 -
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心臓には致命的な疾患。左半身に広がる大きな赤い痣。それでも少女は矜持を守り毅然として散っていった。
大型の蝶のような艶やかさと儚さを併せ持ち、高校2年で自ら命を断った鈴林夏野の生き様を描くサスペンスミステリー。全11章。
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シングルマザーとして小学2年生の息子を育てる八木里花の携帯に、弁護士を通して多額の遺産相続の話がもたらされた。
遺産は里花の亡き父の先妻だった女性のもので、他に相続人がいないことで里花に白羽の矢が立ったのだ。ただし遺言によると、遺産相続にはひとつ条件があった。
それは、その女性の娘で里花にとっては母親違いの姉にあたる夏野 (かや) が -
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少女が可憐な蝶に変化した時、美しくも冷酷な復讐劇が始まる… 透明感と儚さに包まれる物語 #蝶の墓標
■あらすじ
小学生時代、身体の痣が原因でいじめにあっていた少女、夏野。通っていた学校で、同級生の要が遺体となって発見される。時を経て高校生になった夏野は、友人とともに要が殺されてしまった原因を調べるのだった。
■きっと読みたくなるレビュー
美しい文章で綴られる物語。
しかし描かれている人物は、汚く非道な行動ばかりで、読んでいて腹立たしくなってくる。小さく弱弱しい生き物の生命の儚さを感じさせる作品です。
なにより本作の主人公、夏野の引力が強い。
人が生きていく上で守らなければならない大切なこ -
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ネタバレ友情と初恋のもの語り。中心人物の二人はあまりに繊細で周りの大人は分かりやすくクズばかり。
探偵役を務める人物はなんというか、実際にも精神的にも良くも悪くもお坊っちゃんという欠陥品だと思う。過去にも誰も救えなかったし、寄り添ったところで多分今後も救えない人なんだろうなと思う。結局理都くんには会えてもいない。最初に青春ミステリかと軽い気持ちで読んだので心が重くなる内容で読後なんともいえない気持ちだった。
結局、最後生きるか死ぬか多分死ぬと思うけど結末は読者まかせか。どんな結末でもすっきりさせて欲しい病なのでモヤモヤする読後だった。 -
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ネタバレ復讐劇の話だった。
しかし、p39の、後ろの黒板に描かれた絵に対し、「何て手の込んだ悪意だろう。まるで童話の一場面みたいな、こんなメルヘン画に見立てて夏野の痣を揶揄するなんて。」という考えに違和感を感じた。繊細な画でたくさんの花達と蝶の翅を持つ妖精という点で、いくら痣らしきものが上腕部にあろうと、その絵を想像してみるにパッと悪意なんぞ感じられない。
"カーヤの翅"というストーリーは好き。
本著の終わり方は曖昧で微妙だった。
夏野はそこで何をするつもりなのか話してくれない。私を蚊帳の外に置こうとすることが淋しかった。それが私を「善意の第三者」的立場にしておく気遣いだとして