水野梓のレビュー一覧

  • 金融破綻列島

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    金融破綻列島というタイトルにハードな内容を期待したが、金融庁に勤める小説主役の香月彩の描き方が幼すぎ、金融庁同僚もかなり緊張感のない描き方なので、金融破綻列島と書かれても緊迫感の無い小説だった。
    私怨や偶然や過去の繋がりが物語にプラスになったとは思えなかった。
    著者の「蝶の眠る場所」は面白かったんだけど…。

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    2024年09月05日
  • 蝶の眠る場所

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    「冤罪」「死刑」「少年の自殺」どれをとっても重いテーマ。
    点と点で起きていた事件が線で繋がってしまった。
    物語は過去と現在を行ったりきたりしながら、事件の全容を見せていく。
    伏線が散らばっているので、回収したくてどんどん読んでしまう。
    たくさん内容がありすぎて、結局、終わり方は淡々としてしまった感はあったけれど、読み応えは充分ある。

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    2024年06月27日
  • 彼女たちのいる風景

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    作中の彼女たちと同年代の私としては響くものあり。最後は少しご都合主義的展開かもだけど割と好きな作品だった。

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    2024年04月12日
  • グレイの森

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    ミステリーではないんだろうけど
    凶悪事件の
    被害者と加害者のそれぞれの身内が
    たまたま同じタイミングで
    ひとりの臨床心理士と関わり合い
    また、名前まで知っていながら
    お互いの関係について深く考えないなんて…
    書きたいことと
    参考にしたことが分離したまま
    物語としてちゃんと融合していないから
    臨床心理の本を読まされているようで
    当事者たちの
    憎悪や苦悩や葛藤が届いてこなかった。

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    2024年01月03日
  • グレイの森

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    デビュー作から追い続けている水野作品。
    今回はズッシリと重く、読み進めるのに苦労した。

    冒頭でいきなり描かれるのは校庭で繰り広げられる無差別殺人。
    七人の子どもが犠牲になり犯人は間もなく逮捕。

    加害者の母親と被害者家族の言葉から浮き彫りになって来るのは現代社会が抱える学歴至上主義。

    それにしても、こういう事件で度々感じるのは父親不在と無関心、無責任さ。
    臨床心理士・藍の目を通して見る其々の家庭に潜む闇にやりきれなさを感じる。

    子どもの心を育てるのも壊すのも親次第。
    子が生まれた瞬間の喜びを忘れずにいて欲しいと願うばかり。

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    2023年12月23日
  • 彼女たちのいる風景

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    中盤まではリアルティ溢れて
    とっても面白くて、
    共感しきりだったのだけど、

    終盤、全てがうまいところに収まって、
    結局誤解や勘違いだったのねみたいな、
    そんな『めでたしめでたし』みたいな終わり方が
    なんか納得できないというか、
    現実味がないというか、
    いまいちスッキリしない読後感でした。

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    2023年01月20日
  • 名もなき子

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    無国籍、児童虐待、命の価値、トリアージ、AI。現代における様々な問題が盛りだくさんだった。どれも重たい話なのだけれど、さらっと書かれているので読後ずっしり来るという感じではなかった。それぞれの問題についてもう少し掘り下げてほしかったけれど、これだけ詰め込むならこれくらいがちょうどいいような気もするし…なんだかモヤモヤ。

    命の価値は、正直どれだけ考えても答えが出ない問題だ。生産性のない人は生きている価値がないとまでは思っていないけれど、自分自身が生産性のない立場になったら、それは生きている価値がないと感じるだろうな、とは思った。

    それと、犯人の動機や母親の選択の理由がイマイチ理解できなかった

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    2023年01月09日
  • 蝶の眠る場所

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    蝶の眠る場所
    水野梓さん。

    おもしろかった。
    着地点が、見えず。
    どうなるのだろう?と、
    先が気になり、読み進める。

    悲しい。話だけど、
    希望もあり、
    良かった。


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    2022年11月29日
  • 蝶の眠る場所

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    初めての作家・水野梓さん。
    日本TVの記者として入社、その後警視庁担当を経て
    経済部デスク兼「深層NEWS」キャスター
    冤罪事件を扱った番組制作によって死刑執行後の家族やその後について世に問いかけるには小説しかないと思い執筆を始めたらしい。

    小学生の屋上転落…事故?自殺?他殺?
    その取材をする中ですでに死刑執行されたある事件に辿り着く…

    着想はすごくいい。
    冤罪、過去との繋がり…そういう作品は出つくした感がなきにしもあらずですが。

    面白かったですが何か足りない(*´-`)

    記者が事件を追うと言うストーリーは久しぶりに読んだ気がするけど…
    何だろうか?ルポタージュ感にドラマ性を足してはい

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    2022年11月11日
  • 名もなき子

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    映画のプロローグを観るような幕開けから,現代の世相を織り交ぜながら,ストーリーは進む.
    一言で言って,面白かった!
    でも,このタイプの作品が世の中に溢れすぎているのも確かで,今日的な,この「階層」にスポットをあてる作品.
    とても重要なテーマだし,それだけ作品にする必要のあるテーマなのだと思う.でも…
    切り口が意外と似通ってて「あーそれね」感が多少….
    あと,そこが描きたいところじゃない,ということかもだけど,犯人の内情にもう少し深く踏み込んだ方が良いよね,というのも最近の「流行りの」作品群に思うところ.
    読者の感性に委ねるのもいいけど,筆者の描きたかったことを伝えるのにはそこ,重要な誘導じゃな

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    2022年07月31日
  • 名もなき子

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    老人の残った機能は出来るだけ使わせた方が良いが、面倒なのでついこちらがやってしまう、というのは考えさせられる。

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    2022年07月22日
  • 蝶の眠る場所

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    報道記者という経歴を十分に活かした作品。
    テレビ局社会部の記者である主人公が、左遷された視聴率も低く予算もないドキュメンタリー番組のチームで地道な調査報道をしていくという物語。

    シングルマザーの働き方、作り上げられる冤罪、死刑制度への問題提起など作者の考えを色濃く映す社会派ミステリ。
    なんだけど、一報道マンが数ヶ月調べてわかることを当時の捜査本部が突き止められないということに疑問。いくら冴木の作意があったにせよ、直接的には何か捏造したわけでもないのに冤罪になって死刑?
    そしてそんな特殊な事件を引き合いに出して死刑反対って、納得のいく論理展開ではないな〜。
    ただ、検察が集めた証拠のうち都合のい

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    2022年06月23日
  • 蝶の眠る場所

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    面白かったけど、何かが足りない。そう複雑でもないのに読みにくい。
    清水潔の「殺人犯はそこにいる」のフィクション版のような感じでした。

    できる女性特有のケンケンした感じが全ページに渡って襲ってくる感じが苦手なのかなぁ。取り扱っている内容は面白いだけに残念。

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    2022年06月21日
  • 蝶の眠る場所

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    前半は面白かったけど、中盤から乗りきれないまま終了。転落死した小学生男子。死因を追求するうちに、テレビ記者の美貴は彼の祖父が極悪刑で死刑執行されたことを知る。しかし本人は最後まで冤罪であると訴えていた。「DNA鑑定の一致」という大きな壁を破って罪を晴らせるのか。あらすじには大いに興味を惹かれたが、思いのほかトントン拍子に進むのが拍子抜け。そして美貴と警察署長の距離感がおかしい。元から知り合いだっけ?子連れで警察署長に何度も会いに行くってアリなの?署長暇じゃね?と節々に疑問が湧き出てストーリーに集中できず。

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    2022年03月31日
  • 蝶の眠る場所

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    01月-24。3.5点。
    ある死刑囚が執行前、「罪は受けるが無実だ」と言い残す。テレビ局の女性記者の主人公、小学生の転落死を取材するとあの死刑囚の孫だとわかり。。。

    面白かった。キーマンの警察署長のミステリアスさ、主人公の地道な取材、転落した小学生の家族の背景等、丁寧な記述だったと思う。

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    2022年01月27日
  • 蝶の眠る場所

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    事故とされた小学生の飛び下り事件。
    母親の一言が気に掛ったTV局のディレクター榊美貴は事件を調べ始める。

    長年報道に携わってきた著者の初小説で、社会派ミステリー。
    作中でも言われていたとおり、終わらない不幸の連鎖
    それぞれが自分の思惑のためにしたことが事件を作り上げた…
    人間は誰も聖人ではないから何とも複雑な気分。犯人だけは微塵も同情の余地ないけど。
    ただひたすら事件に翻弄され傷ついた人達が、傷つき傷つけた人が、新たに歩み始める締め方が良かった。

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    2021年11月07日
  • 蝶の眠る場所

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    冤罪をモチーフにした作品。
    少年の自殺から始まり、様々な伏線を貼りつつ、
    全てを回収して終了。
    ミステリー要素に加え、死刑制度についても
    触れているのも興味深い。

    ただし、詰め込み過ぎなのは事実。
    特に署長の独白前後から、それが気になった。

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    2021年08月25日
  • 蝶の眠る場所

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    社会派ミステリ
    人間とは奥深い
    罪とは何か
    罰とは何か
    赦しとは何か
    贖罪とは何か
    人の連絡とは何か
    護るべきものは何か
    考えされられる話でした

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    2021年05月21日