水野梓のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
無国籍、児童虐待、命の価値、トリアージ、AI。現代における様々な問題が盛りだくさんだった。どれも重たい話なのだけれど、さらっと書かれているので読後ずっしり来るという感じではなかった。それぞれの問題についてもう少し掘り下げてほしかったけれど、これだけ詰め込むならこれくらいがちょうどいいような気もするし…なんだかモヤモヤ。
命の価値は、正直どれだけ考えても答えが出ない問題だ。生産性のない人は生きている価値がないとまでは思っていないけれど、自分自身が生産性のない立場になったら、それは生きている価値がないと感じるだろうな、とは思った。
それと、犯人の動機や母親の選択の理由がイマイチ理解できなかった -
Posted by ブクログ
初めての作家・水野梓さん。
日本TVの記者として入社、その後警視庁担当を経て
経済部デスク兼「深層NEWS」キャスター
冤罪事件を扱った番組制作によって死刑執行後の家族やその後について世に問いかけるには小説しかないと思い執筆を始めたらしい。
小学生の屋上転落…事故?自殺?他殺?
その取材をする中ですでに死刑執行されたある事件に辿り着く…
着想はすごくいい。
冤罪、過去との繋がり…そういう作品は出つくした感がなきにしもあらずですが。
面白かったですが何か足りない(*´-`)
記者が事件を追うと言うストーリーは久しぶりに読んだ気がするけど…
何だろうか?ルポタージュ感にドラマ性を足してはい -
Posted by ブクログ
映画のプロローグを観るような幕開けから,現代の世相を織り交ぜながら,ストーリーは進む.
一言で言って,面白かった!
でも,このタイプの作品が世の中に溢れすぎているのも確かで,今日的な,この「階層」にスポットをあてる作品.
とても重要なテーマだし,それだけ作品にする必要のあるテーマなのだと思う.でも…
切り口が意外と似通ってて「あーそれね」感が多少….
あと,そこが描きたいところじゃない,ということかもだけど,犯人の内情にもう少し深く踏み込んだ方が良いよね,というのも最近の「流行りの」作品群に思うところ.
読者の感性に委ねるのもいいけど,筆者の描きたかったことを伝えるのにはそこ,重要な誘導じゃな -
Posted by ブクログ
報道記者という経歴を十分に活かした作品。
テレビ局社会部の記者である主人公が、左遷された視聴率も低く予算もないドキュメンタリー番組のチームで地道な調査報道をしていくという物語。
シングルマザーの働き方、作り上げられる冤罪、死刑制度への問題提起など作者の考えを色濃く映す社会派ミステリ。
なんだけど、一報道マンが数ヶ月調べてわかることを当時の捜査本部が突き止められないということに疑問。いくら冴木の作意があったにせよ、直接的には何か捏造したわけでもないのに冤罪になって死刑?
そしてそんな特殊な事件を引き合いに出して死刑反対って、納得のいく論理展開ではないな〜。
ただ、検察が集めた証拠のうち都合のい