多賀太のレビュー一覧
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伊藤公雄さんは日本における男性学の創始者、大家。最初にジェンダー平等という言葉を発信した人とのこと。その経緯もコラム2で書いている
ジェンダー平等:男性主導の社会の仕組みを転換し、男女二項図式に基づく差別や排除の構造を根本的に転換することによって達成される。
ジェンダー平等政策において、男性は長い間不在であった。しかし、21世紀になるとジェンダー平等に向けた国際政策において男性に注目が集まるようになってきた。
1つは、女性の地位向上のためには、女性だけでなく男性も変わる必要があるということ。
もう1つは従来の男性の理想像や役割のもとで男性も苦しんである。また本の中では多くの男性はケアを上手 -
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ネタバレジェンダーというと、女性差別を連想し、身構えてしまう人も多いと思う。特に男性。
この本は男性視点で書かれているので、男性にもとても自然に内容を受け入れられると思う。もちろん女性が読んでも不自然なことは何もない。
子育てを終えた筆者がその経験と、コロナ禍で急速に進んだ在宅勤務などの環境変化、オーストラリアはじめとした海外の男性に関する考え方などを踏まえて、とても分かりやすく書かれている。
家庭の中においては、家事分担はもとより、中学受験など教育サポートにおける父親の役割。介護やDV問題。
仕事においては、仕事人間の期待に応えようとして、地域や家庭での居場所をなくす悲哀や健康の問題、パワハラ -
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大学の先生が引用・参照元を示しながら、現代日本社会におけるジェンダー問題等を分かりやすく丁寧に考察した良書。
南米と欧州に計10年近く暮らした自分の経験からも、この本を読んで、改めて日本社会にはまだ「無理ゲー」に近い、かつ、暗黙の「○○はこうであるべき」の考えが根強く蔓延っていることを感じる。生き方や表現等についても多様性や寛容さが残念ながら乏しい社会に感じる。著者が冒頭で示しているアンコンシャス・バイアスがいたるところにあり、息苦しさにつながっている。
日本は、男が体を動かして、工場での生産のように、時間に比例して経済価値を生み出すことで「成功」したのかもしれないが、いまの世界で生み出さ -
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時事通信社のような一般書の出版社、しかもどっちかというとその名のとおり時事系の政治や経済みたいなマッチョな分野に強そうな出版社からこういう本が出ることにはそれなりの意味があると思う。
書いてあることはおしなべて平均的。自分にとってはうなずけるけど新しく知ることや目からウロコ的なことはあまりなかった。家事・育児に積極的に参加している男たちのほうが女性たちに厳しい目を向けているという著者らの研究結果や、社会的成功や収入が多い、すなわち旧来の男らしさを満たした男性ほど家事・育児に参加しているというオーストラリアの研究結果は面白く、そしてさもありなんという感じ。いい傾向なのかもしれないけど、いまや家事 -
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ネタバレ仕事人間の付けは老後にまわってくる?
専業主婦であっても子育てが終わって、次は介護と追われている人も多い。そうなると、いざ、自分の生き方がしづらい女性も多いと思う。男性は「仕事をメインに過ごしている」からもあるが、家族を中心に生きてきた女性も同様に言えるので、何とごともバランスだよなあと思いつつ。男性の働き方の意識の変化、社会構造の変化、そして女性の意識変化も大事だなと思った。
本の紹介文より
ジェンダー格差大国ニッポン
妻の「イライラ」 夫の「モヤモヤ」
なかなか進まない男性の家事・育児参加
男性稼ぎ手社会を壊すことが男性の生きづらさを解消する
ジェンダー平等に向けた本気の働き方・暮らし