アイスランド発の小説(英訳版を日本語訳したもの)初読。22歳のモラトリアム青年が一念発起し、ヨーロッパのどこかにある修道院のバラ園に亡き母が丹精した8弁のバラを接木しに行くという話だが、文化・習慣の違いを強く感じた。ぼくは一種の“家族小説”として読んだが、解説によればそうした書評はなかったとのこと。男らしさや女らしさ、父親と母親の役割、結婚や出産についてなど、本書が書かれた2007年当時と現在ではだいぶ状況が異なるらしいが、いずれにせよ日本の“常識”では理解するのが難しいかもしれない。小説としては楽しめたけれど。