オイズルアーヴァオウラヴスドッティルのレビュー一覧
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『順番は逆だけど、子どもがいたから家族になれる』
母の遺した『八弁のバラ』を携え、遠くの修道院へと向かった青年。そこで、一夜限りの関係で生まれた娘とその母親と一緒に過ごす中で、家族のあり方を見つめ直していく。
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初めてアイスランド作家の作品を読んだ。翻訳が素晴らしいのもあると思うのだが、とてもとても面白かった。優しい青春物語であり、現実を描きながらファンタジー的要素もある。小川洋子さんの作品が好きな人にお薦め。
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外国の修道院の庭園にバラを持っていくために旅に出た青年ロッビ。以前に一度だけ関係を持った女性との間にできた一歳にもならない子どもと暮らすことに。戸惑いと不安のなかで大切な人のために学び始める。料理や子育てを周りの人に助けられながら、自分の意思で選択していく。頼りなさそうに見えて実はそうではなく迷いな
...続きを読むがらも進んでいく過程がいい。学ぶことが楽しく、それを喜んでくれる人がいるということの尊さや幸福感に満ちている。素敵な作品でした。
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何か特別なことが起きるわけではないんだけど、なぜか読みながら泣きそうになった。自分の人生や自日常にもっとしっかり目を向けて、じっくり、大切に噛み締めるように生きていきたいって思った。植物を愛おしむこと、食事を味わって楽しむこと、人と関わること。自己啓発本を読むよりずっと響くような、現実を豊かに生きる
...続きを読むヒントみたいなものがたくさん散りばめられている気がする。
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久しぶりにこんなにもどかしい本を読む。引き込まれる簡潔な文体でありながら、ファンタジーの作品のように一歩読み進めるごとに理解の深まる描写。家族のあり方の再考、といえば美しいけれど結局どこまで自分がなにものからもとらわれずに、心のままに生きていけるかということかな。まだ幼い子どもを育てる身だからか、1
...続きを読む歳の子をおいて研究の道へ進む彼女に対して羨ましささえ感じてしまう。まだまだわたしもとらわれていると思う。
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母が遺したバラをもって旅に出た僕。辿り着いたのは片田舎の修道院。父親は悪い人ではないが、「僕」が望むことに理解を示さない。強要はしないが大学の進学を望んでいることを口にする姿は国は違えど父親の望みは同じなのかもしれないとそんなことを思ってみる。僕には一夜の過ちでできた子供がいる。子供の母親から、子供
...続きを読むを預かって欲しいと頼まれたことから僕の世界は一変する。それを丁寧に、柔らかい描写で描いている。22歳の僕は若さゆえの悩みや青さはあるし、世界に対して斜に構えているようにも見える。だけど、世界はそんなに悪くない。
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アイスランド発の小説(英訳版を日本語訳したもの)初読。22歳のモラトリアム青年が一念発起し、ヨーロッパのどこかにある修道院のバラ園に亡き母が丹精した8弁のバラを接木しに行くという話だが、文化・習慣の違いを強く感じた。ぼくは一種の“家族小説”として読んだが、解説によればそうした書評はなかったとのこと。
...続きを読む男らしさや女らしさ、父親と母親の役割、結婚や出産についてなど、本書が書かれた2007年当時と現在ではだいぶ状況が異なるらしいが、いずれにせよ日本の“常識”では理解するのが難しいかもしれない。小説としては楽しめたけれど。
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