ルース・ドフリースのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
農業が余剰食糧を生み出すことで、全員が農業に従事する必要がなくなり、文字や青銅器、耕作など近代科学が発展した。なるほど今まであまり考えたこと無かったが、そりゃそうだと思い、引き込まれていきました。
そして定住生活に移行して人口が増加し、食糧の確保が必要となり、人類の叡智でそれに対応してきた経緯を詳しく学べる本。
解決したら新たな問題が出て、それを解決したらまた新たな問題が出て、まさにイタチごっこを辿ったが、上手く人口の増加、豊かな社会を実現してきた。
しかし今後これが続くかはわからない。
この本を読んで改めて、地球の歴史の中で絶滅した動物は無限とあり、人間も自然には逆らえず今の落ち着いた -
Posted by ブクログ
人間が生存していくために食糧は不可欠だ。その食糧を獲得するために、ヒトが狩猟採集から農耕牧畜へと舵を切ったことは大きな変化だった。
創意工夫を積み重ねて繁栄の歯車が回る→行く手に手斧が振り下ろされるように危機が訪れる→解決法を編み出して方向転換する、このようなサイクルを繰り返し、幾多の困難を乗り越え、ヒトはこれまで食料をまかなってきた。そこから、問題は必ず解決できるという楽韓論が一方に、仮に今まではそうだとしても、現代は地球温暖化や生物の絶滅など許容の限度を越えつつあると警告する悲観論とが対立している。
本書は単純にどちらかの立場に組するのではなく、まずは、人類の文明と地球が密接に関わ -
Posted by ブクログ
【まとめ】
0 大増産の進化と転換点
食料増産の進化プロセスは次のように進む。まずは、空腹を満たすためにもっとも手っとり早く、かんたんな方法で食料を手に入れようとする。やがてあるとき、食べられる植物を栽培したり、作物に必要な養分を補給したりするなど、自然界に手を加える方法が編みだされる。より多くの食料がいきわたると徐々にヒトの数は増え、新天地へと生息の範囲を広げる。だが、どんなイノベーションも、いずれ壁に突き当たる。現状のままでは解決できない新しい要求が出てきたり、ひどい環境汚染を引き起こしたり、予想外の問題が生じたりする。食料が足りなくなるという不安が生まれ、危機感が募る。絶体絶命の危機にさ