コリン・メイヤーのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
資本主義の将来やあるべき姿について関心があり本書を手に取りました。まず非常に満足しています。思った以上に中身が濃く、会社法やコーポレートガバナンス、株式所有、会計、資金調達(デット/エクイティファイナンス)など幅広のトピックを網羅的にみて、それぞれをどう修正すべきかが述べられていました。
本書の印象としては、マルクス・ガブリエル氏が提唱する「倫理資本主義」との主張の類似でしょうか。両者ともに、企業の目的(利益を稼ぐこと)と道徳(もしくは倫理)を一致させよ、ということなのですが、その手法はずいぶん異なります。ガブリエル氏は、CPO(チーフ倫理オフィサー)のような職種を企業内に設けることを提唱していますが、本書の著者であるメイヤー氏は、会社法の修正(道徳律を組み込む)、道徳律を実行するための株式所有構造の理想的な姿、道徳律を組み込んだ「真の利益」の計測方法、社会の信頼を強化するためのあるべき資金調達などを提唱していて、より具体的ではありました。
また本書はアダム・スミスの代表的な書籍である「国富論」と「道徳感情論」の2つから大きくインスパイアされているという印象を受けました。ノーベル経済学賞を受賞したアマルティア・センは、この2つの本はなんら矛盾しておらず、アダム・スミスは交易(取引:トランザクション)についての利己心について国富論に書いたが、それ以外の経済活動については、道徳感情論に書かれているような共感、協力などが欠かせないと認識している、と分析していました。おそらくメイヤー氏も同様で、どちらかと言えば、アダム・スミスの道徳感情論を我々はもっとフィーチャーすべきである、というメッセージかと思いました。つまり国富論の中心テーマは「取引(トランザクション)」であり、それは利己心が動因となりますが、それだけだと「他者に損害を与えたうえで得た利益」という誤った利益を生み出してしまうことから、トランザクションだけでなく(注:トランザクションをなくせとは言っていない)、プラスアルファとしての「関係性構築(あるいはインタラクション構築)」を企業は増やすべきである、という主張と理解しました。
昨今はマルクスを再評価しようとする本が多い中で、むしろアダム・スミスを再評価し、そこから資本主義の新たな姿を構想するというスタンスには大いに共感しました。 -
Posted by ブクログ
マルクス・ガブリエル氏が新しい資本主義を説く「倫理資本主義の時代」のなかでコリン・メイヤー氏の著作を参照していたことからメイヤー氏の考えや取り組みに興味を抱き、メイヤー氏の最新作である本書を読んでみました。本書はメイヤー氏の資本主義3部作の最終作に相当するもので、資本主義を再構築するための基本原則と具体策が提示されています。新しい資本主義の世界は、問題解決型資本主義と呼ばれています。他者に問題を引き起こしてではなく他者の抱える問題を解決して利益を得るという世界です。現在の資本主義から新しい資本主義へ進んでいく上での具体策を様々な取り組みを示しながら丹念に説いている。読み込むのに骨が折れたが仕事の指針となる力作と思います。
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Posted by ブクログ
ネタバレフリードマン ドクトリン
自由競争の下でより多くの利潤を挙げる活動を行う
株主は企業を所有
バランスシート=物的資本 人的資本、社会資本、自然資本 は反映せず
競争が持つ重要性は他の要素(協力関係)を犠牲にしてもたらされたもの?
脆弱なインセンティブ メカニズムに依存
価値
会社を構成する要素の頂点に位置付け
生命の進化とは無関係
結果に対する合理的評価を反映
金銭的価値の最大化の機会 ↔ 意識を持った生命体 →拡散 永続性 多様性
株式会社の推移
大航海時代の国王の特許状による商事会社
運河や鉄道を建設するための公的株式会社
19世紀からの準則主義による私的株式会社
イギリス 市場拡大のため株式発行→アウトサイダー拡散→創業家一族所有が消滅
ドイツ 株式は設備投資へ→インサイダー 戦後 大企業が解体されなかった
日本 財閥解体→米国の分散型株式会社へ→銀行とのインサイダー型→崩壊
アメリカ デュアルクラス株式構造で創業家一族所有拡大中
良い行いも悪い行いも成果が得られる=人間の幸福
その尺度は様々 富=物的資本、金融資本 だけではない
人的資本、自然資本、社会資本 国民経済計算に入っていない
自然資本:減価償却なし
GM トーマス・ミジリー 有鉛ガソリン、フロン発明するが有害物質になる
コミットメント
機会の増加
契約やインセンティブではないもの 領域はステークホルダの範囲
ガバナンス
会社の目的を実現するための支配 集団へのコミットメント