金子幸彦のレビュー一覧
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19世紀ロシアの思想家、アレクサンドル・ゲルツェンの回想録である。
1852年、ゲルツェン40歳のとき、亡命先のロンドンで、妻の死を機に己の来し方を振り返る。
19世紀ロシアは極めて不安定かつ複雑な状態にある。
ロマノフ王朝による圧政、
過酷な農奴制、
前世紀ピョートル大帝時代からの西欧文明への憧れと劣等感(=サンクトペテルブルク的西欧派)、
ロシアの伝統への愛着と後進性への嫌悪感(=モスクワ的スラブ主義)、
ナポレオン戦争を機に芽生えた貴族と農民の身分を超えた連帯、
変わりゆく周辺国と革命への予感。
この多層的な世紀に於いて、
その矛盾ある社会のあり様を変えたいと模索した貴族の青年たち -
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損得や世間体や面倒くささなど、色々なことを計算しながら行動するのが、私たちには当たり前だ。
イワンや、国の人たちは、こういうことを全く考えない。それを「ばか」と表現されている。
「お妃さまも、ばかになりました。・・・国には、ばかだけが残りました。」
人が困っていたら、何も考えずに助けてあげる人たち。こつこつといくらでも働く人たち。
すごい、と思いました。こんな生き方があるなんて思ってもみなかった・・・というか、現代の日本の大人の世界に生きていたら、退化してしまう感覚。そう、退化したのは私たちのほうで、彼らの正直さと勤勉さこそが崇高だと思った。
トルストイの文学はキリスト教を根底に書かれているが -
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表題作の「イワンのばか」は子供時代に絵本で読んだきりの作品だったし、「人は何で生きるか」「人には多くの土地がいるか」の2作は、読んだ記憶こそあれどもいつ頃どんな本で読んだのかに関してはまったく覚えがなかったんだけど、子供時代に読んだ時よりも今の方が共感できるような気がしました。 少なくとも現代日本の経済社会で生き抜くためにはほとんど参考にならないお話ばかり・・・・ではあるのですけどね(苦笑)
「愛のあるところには神もいる」、「ふたりの老人」、「二人の隠者」の3作品は、「新々約聖書」かしらと感じられるぐらい「伝道書」っぽい作品でした。
個人的に気に入ったのは4つの小品で、これらの物語の -
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「トルストイの民話」を読んだのは大学生のとき。
「人はなんで生きるか」は素晴らしいよと聞いて読んだけど、正直そこまでいいのかわからなかった。
なんか、説教くさい感じがしたというか、小言を言われている気分になったっていうか。。。
結局オチは神様かよ!とかいうツッコミをしてたのも覚えています。
世界的な文豪に対してエラそうな態度ですね(笑)
その「トルストイの民話」から代表作を集めたこの本を、なんでもう一度読む気になったのかはわからないのですが、なんだか読んでみたんですよ。
そしたら、やっぱり名作は名作なんだなって思いました。
自分が成長したってことかな?
生意気さが減ったかな? -
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ゲルツェンの回想録第4分冊。
ヨーロッパでの亡命生活と、各国の同志たる革命家たちとの交流を振り返る。
フランスやイタリアの出来事についてはまだ不勉強で、この本を通じてヨーロッパの19世紀が学べる。
19世紀とは、18世紀終盤のフランス革命からの展開と、20世紀の大戦やロシア革命への伏線であり、
ヨーロッパ全体として非常に動的で混乱した世紀だということが、国家・市井の両方のレベルで伝わる。
それにしても、ここにきてゲルツェンの大物感が際立つ。
ロシアの貴族文化の重層的な背景を持つ彼には、パリが「ポッと出の成金」に見えたと言うが、
ヨーロッパを股にかける人脈と交流は錚々たるもの。
自国のバク -
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ゲルツェン回想録第3分冊。
全8部にわたる原作の第4部、全62章のうち第26〜33章にあたる。
最初の流刑から解放されモスクワに戻った後で、ペテルブルクに移ったところから。
要点は、当時の彼の周囲の友人知人、つまり所謂19世紀ロシアインテリゲンツィアと呼ばれる思想家たちが、どのような議論を重ねたかと言う点だ。
「西欧派vsスラブ派」という大まかな構図は言わずもがなだが、
西欧派の中でのさらなる個人間の解釈の違いなどが事細かく書かれている。
巻末解説のお力添えも大きく、当時の熱い議論の様子が、完全にとはとてもいかないが、それでもいくらかは捉えられたように思う。
例えばチャアダーエフとグラノー -
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ゲルツェン回想録の第二分冊。
この巻で彼は初めての流刑地に流され、
地方での職務を経験し、
ロマンスを経験し、
妻をモスクワから内密に連れ出して結婚し、
再び首都に帰って仲間と交流する。
徐々にゲルツェンの人柄が浮かんできて、いくつか印象的な内容がある。
まず、貴族と下僕や農奴との圧倒的な身分差をありありと。
同じ人間の中でこれほど明確に差があるというのは、なかなか現代人からは想像が難しい。
さらにゲルツェンの家柄は貴族の中でも特に高貴なので、誰よりも彼自身が、あらゆる人より上に立っていることを無意識のうちに自覚して振る舞っている。
またその身分ということに関わるが、「流刑」とは言え -
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ネタバレ【Impression】
あれや、イエスマンの元にでもなってんちゃうかって話やな。
ただ上手いところで断るあたり、「馬鹿」とは何において「馬鹿」なのかを考える必要がある。
イワンが無敵状態で過ごしているから、読んでてすっきりするわ。
にしても、デブの商人のとこやったっけかで悪魔が露天で品物を干上がらせてしまう、って流れは恐ろしかった。
経済学の本にも使えそう
【Synopsis】
●3人兄弟と1人の妹がいた。長男は優秀な兵士、次男は商人として成功を収めたが、三男は馬鹿で妹は耳が聞こえず喋れもせずというどうしようもない状況だった
●そこに悪魔と3匹の小悪魔が登場。3人を仲違いさせる目的 -
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イワンのバカ!と聞くとトルストイより先に筋肉少女帯が出てきてしまう…(^^;
なんて余談はさておき、トルストイの「イワンのばか」です。
タイトルが衝撃的だけど、読み進めるとイワンは愚直で、彼なりの幸せの捉え方を持っているだけだと思った。そして、それを貫いて、幸せな国を築いた彼は幸せものだな、よい終わり方だったなと思った。
人間、頭を使うだけじゃダメなときもあるもんね。私も、お仕事の中では手を動かすことや、現地現物主義の大切さを痛感することがあるし。
ただし、何というか…ロシアなせいで、「資本主義は悪、共産主義万歳!」みたいな匂いをふんわり感じてしまうのは、私の感性の問題かしら。
筋少のイ