ハンナ・ティンティのレビュー一覧

  • 父を撃った12の銃弾 下

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    ネタバレ

    ハンナ・ティンティ初読。ずっと読みたかった作品。文庫化を待った甲斐があった!

    物語は娘ルーの成長が描かれる現在の章と、父ホーリーが初めて撃たれた時から現在に至るまでの章の二つが交互に語られる。
    ルーの章は、ティーンならではの苦悩、恋愛が描かれ、所謂ヤングアダルト小説のよう。
    一方ホーリーの章は、どこかで手を引いて真面目に暮らしたいと思いつつも、ついついヤバイ仕事に手を染めてしまう、ハードボイルド風小説を味わうことができる。
    どちらの章も良いが、特にホーリーの章は一つ一つの完成度が高い。そして毎回、痛い目にあう笑

    出版された時期的に「ザリガニの鳴くところ」と比較されそうだが、「ザリガニ・・・

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    2023年06月28日
  • 父を撃った12の銃弾 下

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    原題 THE TWELVE LIVES OF SAMUEL HAWLEY

    Life can only be understood backwards,

    人生は後ろ向きにしか理解できないが、

    過去の回想と現在進行形の物語が紡ぎ出す、未来。最終章でルーが撃ち上げる先に待ち受けるものはなんなのか。明るく、または暗く、あるいはぼんやりと、読み手の立ち位置によって違ってくると思います。いずれにせよ、ホーリーは解放されるんじゃないかなぁ。ルーはもう大丈夫。

    前を向いてしか生きられない、のです。

    but it must be lived forwards.
    -Søren Kierkegaard

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    2025年04月30日
  • 父を撃った12の銃弾 下

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    同系統の「ザリガニの鳴くところ」に引けを取らない傑作。何と言っても父の過去が描かれる、連作短編のような12の「銃弾」の章が秀逸。特に「#7、8、9」以降のエピソードは劇的で心揺さぶられた。最後「銃弾#12」で娘視点の現在パートと繋がる構成も見事。アメリカの大自然と相まって印象的なシーンがたくさんあり、もし映像化されるようなことがあれば絶対見たいと思った。

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    2023年05月28日
  • 父を撃った12の銃弾 下

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    ルーの両親が共に生き抜いた歴史が語られ、母の死の謎が明かされる。
    父の身体に刻まれた傷痕の因縁が、父娘に迫る。
    ホーリーは、亡くなった妻への思い。ホーリーの娘を大切にする気持ちとルーの父親に対する思い。銃弾がそれらの思いを明らかにする。
    アメリカらしい家族の絆の物語になっている。
    しかし個人的には、ホーリーに、完全には共感できない。

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    2023年06月11日
  • 父を撃った12の銃弾 上

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    アメリカ北東部マサチューセッツ州ボストン北部の海辺の町に戻った父娘。
    定住しようと、妻の郷里に娘を連れて戻った。
    初めての定住地で苦闘する娘の姿と父親の身体に残る銃創が物語る過去が交互に語られる。

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    2023年06月11日
  • 父を撃った12の銃弾 上

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    アメリカの雄大な自然をバックに描かれる父娘の絆、それぞれの青春。「ザリガニの鳴くところ」に似た雰囲気を纏ったクライム・サスペンスで、交互に語られる父の暗い過去と娘視点の現在、スリリングな展開は読み応え十分。翻訳特有の読みづらさは多少あるけれど、許容範囲内。親子の運命、母の死の真相や如何に。即下巻へ。

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    2023年05月24日