牧野成一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
めちゃくちゃ面白い
ひとつだけ気になったのは、翻訳によって、失われるものと残るものは何か、という問いだ
私はこれは片手落ちと思う
翻訳によって、失われるものと残るものに加えて、得るものは何か、を考えたい
この本のしている考察は、まさに得るもののひとつであるし、例えば、「古池や 蛙飛び込む 水の音」の蛙が、英訳されたときに単数形か複数形かを選ばざるを得ないことで失われる曖昧さは確かにある。
あるのだが、それは画一的な見方であり、単数を獲得してるともいえる。
翻訳は、失ったばかりでなく、何かを得ている。というか、何も失わないように翻訳するのが無理なように、何も得ないように翻訳することも不可