和田光弘のレビュー一覧
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アメリカ建国偉人の他国にはほとんど知られていないポールリヴィアとベッツィロス。二人の足跡を推理や論証を交えてたどりながら、アメリカの成り立ちを見つめていく。リヴィアは独立戦争のはじめ、レキシントン・コンコードの戦いで伝令役をつとめ「真夜中の疾駆」で国内に有名な人物。ベッツィは国旗を最初に製作したとされる女性。時代により彼らの評価は変わる。戦時中なら国威発揚のため祭り上げられ、反戦意識が蔓延する時には忘れ去られる。生きていく人間には心を維持するための伝説が必要なのだろう。
忘れてはいけないのは、これはイギリスからきたピューリタンたちの末裔と本国イギリスの戦い。どんなに正義を謳っても原住民を虐殺し -
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メインに扱われるのは、フレンチインディアン戦争の講和条約である1763年のパリ条約と、独立革命の講和条約である1783年のパリ条約という二つのパリ条約の間の20年間。その20年を、1773年のボストン茶会事件で前半・後半に区切っている。それに加えて独立後の制度設計の5年間と、トータル25年間で独立革命を俯瞰している。
ただし、その前段階として北米の古代文明やイギリスによる大西洋沿岸への植民活動、第二次独立戦争とも言われる米英戦争についても丁寧に扱われている。特に13植民地の形成に関してはそれぞれの入植の事情も大きく異なる上、大きく分けて北部と南部の経済基盤の違いが後の南北戦争に関係してくる重要 -
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アメリカ史第1巻。最新の知見と共に、大西洋史や記憶史(当時の史実だけではなくその後の時代での扱いの盛衰)も取り入れて書かれているそうで、面白かった。
特に所々ちりばめているエピソード的な出来事が興味深い。
・ボストン茶会事件は別にパーティがあった訳じゃ無い
・黒人奴隷制度のおぞましさ
・イギリスとは何度も戦って独立を勝ち取り、その後も戦っている
・マラトンの戦いの故事を彷彿とさせる出来事が今のボストンマラソンに繋がっている
・独立後政府の中心人物だったハミルトンが決闘で死んでいる
・今の米大統領が2期までなのは、初代ワシントンが2期で辞めちゃったから
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分かりやすく書かれているので、 -
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コロンブスの新大陸到達から500年あまり、合衆国独立からでもまもなく250年経とうとしている。アメリカは決して歴史のない国でも新しい国でもないとのこと。たしかに同じ政体の枠組みが続いているという意味では、明治維新や敗戦をあいだにはさんでいる日本よりよほど長い。18世紀に憲法制定をめぐってたたかわされた議論が、今日の国のあり方にもけっこう直接的に影響している。たとえば上院の定数とか。他にも、北部と南部では植民地時代の初期から成り立ちが違うなど、高校の世界史でもアメリカ史についてそんなに詳しく勉強した覚えがないのであらためて知識の整理ができた。
また本書の著者が力を入れているのは「記憶史」という -
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アメリカ合衆国史、シリーズ第一巻。
シリーズ全体を通して、一国史の視点ではなく、全体的に合衆国史を捉えようとして書かれる通史。
冒頭、独立宣言50周年の1826年7月4日、第二代大統領ジョン・アダムズと第三代大統領ジェファソンが、ともに亡くなったとのエピソードが紹介される。偶然とは言え、建国の日が神聖視される出来事であった。
36ページ 13植民地の成立と展開。ニューイングランド植民地、中部植民地、南部植民地。(南北戦争につながる差異)
54ページ 南北アメリカ大陸、ヨーロッパ大陸、アフリカ大陸という大西洋を囲む四大陸の相互連関を考究対象とする大西洋史のアプローチ。
64ペ