古川不可知のレビュー一覧

  • 教育とは何か

    Posted by ブクログ

    家庭医です。今年読んだ書籍の中で最も刺激的な本の1つです。これまでに素朴に抱いていた教育という概念のイメージが、ガラッとかわりました。1ページ1ページの内容が濃密で、なかなか読み終わりませんでした。

    知識の一方的な伝達である訓練とは違い、教育は相互性があり、そして相互の変化が伴う。それはある種の不安定さの上でおこるが、交感(コレスポンド)するなかで変化が生まれ、そして成長と発見に繋がる。かりそめの安定につながる理解(understanding)ではなく、終わりのないプロセスとして共有していく(undercommoning)。

    ティム・インゴルドのいうように教育を捉えるのであれば、医療は多分

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    2025年12月17日
  • 「シェルパ」と道の人類学

    Posted by ブクログ

    「道」とは何か?

    いわゆる道路のように、人間や動物などが通る、目に見える通路をイメージしている人がいるならば問いたい。

    吹雪になれば、一瞬にして消えてしまう雪道は「道」と呼ばないのか?

    一見何もない藪の中を躊躇なく進むガイドの後ろについていく。ガイドが見えている道筋は「道」と呼ばないのか?

    そう、「道」は、環境であり人である。それらが作り出す、そこにあるのではなく現れるものなのだ。

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    2021年04月19日
  • 「シェルパ」と道の人類学

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    多民族国家ネパールにおいて、高地に住む、どちらかというと貧しい民族を指す言葉であった「シェルパ」がヒマラヤの山岳ガイド/ポーターを指す一種の専門職として知られるようになると、シェルパ族でない人々も「シェルパ」を名乗り稼ぐ機会を得ようとするようになる、その変遷が興味深かった。山岳国家ネパールにとってはトレッキングルートは観光資源だがそこに暮らす人にとって車の走る道路は発展の象徴であり、目指すところでもある。彼らにとって山岳技術は誇りでもあるが、危険で大変。稼いでビカス(発展)へ歩むための道でしかないのである

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    2021年02月12日
  • 「シェルパ」と道の人類学

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    『ガイドの仕事とは、複数の歩行者が持つリズムを即興的に調整してゆくこと』

    エベレスト地域の道とはなにか?「シェルパ」とは誰か?
    ネパール現地で、道とガイド・シェルパを辿る。

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    2025年04月29日