伊藤潔のレビュー一覧
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ウクライナ侵攻で台湾を知る目的で読む。
本当に何も知らなかったことを、メタ認知できた。
・多くの部族が居住していたので国民国家ができず、中国・日本等に蹂躙されたこと
・蒋介石の国民党が中国共産党と本質的に同じで、人民の事なんて何にも考えていないこと
・日本は台湾のインフラ・ファンダメンタルズの整備に貢献はしたが、多くの人民を粛清したこと
・近年の政治・外交・民主化に大きな動きがあったこと
(報道に接していたはずなのにまったく理解していなかった!)
いや本当に勉強になった。今だからこそ、読んでおいた方がいいと思うよ。
1993年までの状況なので、それ以降の動きも含めて他の本を探してみようと -
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野嶋剛の「台湾とは何か」から始まり、司馬遼太郎の「街道を行く台湾紀行」を経て、この本にたどり着いた。
フォルモサと呼ばれ、オランダやスペインが植民地とした1600年代から李登輝総統が誕生し、台湾を再生する1990年代中盤までの台湾について詳しく書かれている。
特に、日本統治時代から、日本が第2次世界大戦に負けて引き上げ、その後中国が統治するようになった頃のことが詳しく書かれている。
前の2冊を読んでいたので、この本の内容がよく理解できたように思う。
李登輝さんが残した功績はとても大きかったということもよくわかった。
3冊の本を読んで、これまで全く知らなかった台湾のことを少し理解できたと思う。 -
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中国が力をつけている中で、台湾は世界の中で非常に重要な立ち位置を占めています。そこで、台湾について知りたいと思い購入しました。
実は中学生から歴史が苦手で、こういう本を手に取ることも少なかったですが、現在を見るためには歴史を紐解かなければ語れない、よく言われるとおりだと思いはじめています。
台湾の旧宗主国は日本と中国だけかと思っていたのですが、オランダ、フランスなどの諸外国もこぞって侵攻していたとは知りませんでした。日帝時代の台湾統治は、(結果的に)良い面も悪い面もある。江崎道朗氏がよく言っているように、国も一枚岩ではないのだから、それぞれで見る必要がある、ということが日本にも当てはまる例 -
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ネタバレ[揺り動かされた400年]ポルトガル人による「発見」から、1990年代初頭までの台湾の歴史を概説した作品。入れ替わり立ち代り統治者・支配者がやってくる中で、台湾がどのような政治や経済、そして社会を築き上げてきたのかを、時系列的に解説してくれます。著者は、日本統治下の台湾に生まれ、東アジアの政治史を研究された伊藤潔。
台湾について興味はあるけれど、どこから手をつければ良いかよくわからないという方にオススメの作品。教科書的な記述ではありますが、あらゆる分野の歴史が網羅されていますので、興味のある部分をじっくりと読みながら関心を深めることができるのではないかと思います。
〜序章を含めて小著は一 -
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台湾の現代文学を読むのに台湾について勉強しようと思って読んだ本の三冊目。歴史総合パートナーズ、光文社新書と読んできたので、一気に細かい情報が増えて、率直に言って一周しただけではよく分からなかった。こうやって読んでみると、曲がりなりにも日本の歴史は小学校から高校まで勉強し、生活の中で触れることもあるから分かることが多いという事実に今更ながら気がつく。本当に知らない固有名詞がたくさん出てくると、本当に文の意味が分からなくなるという経験を久しぶりにした。
(もしかしたら今までの本にも書いてあったのかもしれないけど、)情報的に完全に新しかったため記憶に残ったのは、第四章「台湾民主国」の話。1995年 -
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台湾旅行の事前学習として購読。
オランダ、スペイン、明、清、日本、中国国民党。次々と新たな国がやってきて、ここは我が領土という。
そもそもそこに住んでいたという「先住民」はどこからきたのか。
まさか台湾の土から生えてきたわけでもあるまい。
どこからか来た、のではなかろうか。
国、という概念を背負っていたか否かはよく分からないが。
発見だ平定だ侵略だ割譲だ光復だと、その時々の流行、声の大きな、力の強いものの価値観で様々なことは様々に評される。
しかし、本当に起こったことは、その時々のそこにいた、そこに集ったものたちの勢力争いに過ぎないのでは。
早くからいれば、その場所の正統な持ち主や支配者とい -
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14世紀から1990年代前半までの台湾の歴史について。
台湾の歴史は、外来勢力による侵攻の歴史ともいえる。そこに日本も関わっているわけで、今の台湾を理解するには避けて通れない(逆に、知っていないと、今の台湾は表面しか見えない)と感じた。
先日初めて台湾を旅行した際、現地の多くの方と会話をすることができた。その際「台湾を訪問するのは初めてです」「中国語は中国東北部で習いました」と話していたが、果たして、「台湾を『台湾』と呼ぶべきなのか、『中華民国』と呼ぶべきなのか」「中国のことを『中国』と呼んでいいのか『大陸』と呼ぶべきなのか」、心に引っかかった。
背景は知らなかったが≪本省人(台湾系)≫と≪ -
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台湾生まれの著者による台湾の歴史の概略が書かれている新書版です。
オランダ支配を受けてから,鄭氏政権下となり,清国,日本,中華民国,中華人民共和国と,さまざまな支配者のもとで生きざるを得なかった台湾は,独自の文化と国民性を持っています。しかし,この国民性の「国民」とは,どこまで指すのかさえよくわからないくらい混沌としている国なので,話はやっかいになるんでしょうね。
裏の年表は,1993年で終わっています。その後,李登輝や陳水扁,馬英九といった民主的な政治の世界から出てきた総統の時代を迎えるわけですが,これは別の本に期待するしかないですね。伊藤さんが増補版を出してくれるといちばんいいのです -
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ネタバレ[ 内容 ]
一六二四年、大航海時代のオランダ支配に始まり、今日までの四百年に近い台湾の歴史は、「外来政権」による抑圧と住民の抵抗の記録である。
外来政権はオランダ(スペイン)、鄭氏政権、清国、日本そして国民党政権である。
では近年の目覚ましい経済発展の要因はどこにあったか。
また急速な民主化の進捗は、対中国との関係で台湾をどのように変貌させるだろうか。
一九九三年の「シンガポール会談」も踏まえ、歴史を描き、将来を展望する。
[ 目次 ]
序章 大航海時代の波しぶき
第1章 オランダ支配下の台湾
第2章 鄭氏政権下の台湾
第3章 清国の台湾領有と初期の経営
第4章 台湾民主国
第5章 日本統