木村映里のレビュー一覧

  • 医療の外れで

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    同じ医療関係者として、分かると思えるところと、反省しなくてはと思うところ、いろいろ思うところがあって、複雑だった。

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    2024年07月13日
  • 医療の外れで

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    ネタバレ

    きっと筆者の評価しない姿勢が、これだけの言葉を彼女に託したんだろうなぁと思った。

    たぶんセクシャルマイノリティー、シングルマザー、水商売、生活保護、精神疾患など
    関わることがなければ他人事のように感じてしまう自分の周囲にあるものを身近に捉えてそれを文章に認めたことに感謝を覚えた。

    自分のことを語るにも勇気がいる。
    とても芯がある人だと思った。

    別の著書も読んでみたいと思った。


    著作の中で医療従事者の自分も心に留めておこうと再認識した箇所

    ***
    友人の医師は、生活保護受給者への医療従事者の目線に関して、「生活保護の受給者のごく一部に、どうしようもない性格で社会不適応であるがゆえに働

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    2023年10月18日
  • 医療の外れで

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    医療従事者が治療の枠の中から人々を見続けていることによって無意識の差別的意識をもつことを、各章で散々思い知らされる。しかし、医療従事者が差別される立場に置かれた感染パニックを経て、条件付きの差別の禁止をうたうことも誤りだったと筆者が自覚する。
    看護師のフィールドは、苦しみと傷つけ合いの連続だけど、それでも迷いながら、誤魔化さずにやっていけたら……、と結ぶ(ように思う)。

    明晰な文体、豊かな感性、凄い。木村さんの視点からみえる、繊細な気づきと緻密な整備を覗かせてもらうことができて、良かった。赤裸々な人生告白も読み物としては興味深い。

    ただ、誰も傷つけたくないという配慮がやや過剰な感じを受ける

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    2022年02月08日
  • 医療の外れで

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    ネタバレ

    私は文章を書くのが苦手で、うまく伝えられないのですが、読んでよかったと思う本です。
    なんなら、よく書いてくださいましたというような感じで、今看護師さんも大変ななかで、この木村にしか書けないであろうという内容でした。今、書いてくださったことが、多くの人に届いたり、理解したり、知ってもらえたらいいなと思いました。
    また、まさかの著者の木村さんは私と同い年で、のうのうと生活している私にとって、私も広い世界を見ていかなければならないような気になりました。

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    2021年07月15日
  • 医療の外れで

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    もっとも差別から遠くあってほしい医療現場だけれど。「けれど」の行間にあるさまざまなマイノリティの声、医療現場の葛藤、そのどちらも見つめながら丁寧に思考していく文章に惹かれます。こういう人でありたいなと思わせる著者の魅力も。

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    2021年06月14日
  • 医療の外れで

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    “どんな状況でも存在する不変の愛情は美しいけれど、親子だろうが家族だろうが「愛情があって当然」なんて、きっと思わないほうがいい。環境次第で愛情は失われ、愛情の残骸は暴力になります。”(p.96)


    “「危険で過酷な状況で頑張っているから差別しないで」は、反転すれば「頑張っていない人は差別されても仕方ない」という主張と同義になります。それは、自分からみて頑張っているように見えるかそうでないかで他者の価値をジャッジする行為であり、客観的に見て生産性の低い他者であれば差別しても良い、尊厳を奪っても良い、という認識に繋がります。”(p.203)

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    2021年06月06日
  • 医療の外れで

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    ナースは最強の職業だと思っていた自分が恥ずかしくなった。
    知らないっていうのはホントにダメダメだ。
    いろいろなことを気づかせてくれるすばらしい本だ。

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    2021年06月01日
  • 医療の外れで

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    『医療の外れで 看護師の私が考えたマイノリティと差別のこと』木村映里

    こんなにすーっと心に入ってくる文章、久しぶりに読んだ。物事をここまで自省的に、かつ鮮明に描けるのはすごいことだな。絶望するほど重いテーマなのに、前向きな願いに満ちている。


    noteやtwitterで色々と発信されている、現役看護師木村映里さんの初書籍。

    社会から排除されやすい人々と、医療との距離について。
    「セクシュアルマイノリティ」「性風俗」「院内暴力」「子どもを愛せない」「医療不信」「依存症」「性暴力」「医療従事者」の9つのテーマで、貧困や差別に対して医療従事者がどう向き合うべきか論じられている。
    筆者本人が当

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    2021年02月03日
  • 医療の外れで

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    これだけ真摯に、これだけ複雑なのに単純化されやすい問題に向き合った著者の温かさと勇敢さに圧倒された

    とにかく、自分が思わぬところで無自覚に暴力性を発揮していることは、どれだけ意識しても意識しすぎることはないことだと強く感じた。
    特に、医療職に就く以上、その暴力性には特に自覚的でなければならない。その暴力性が導く医療不信が、その命までもを脅かすことになるから。
    とにかく命に真摯に向き合う姿勢こそが、あらゆる差別を乗り越える上で肝要だというありきたりな真実の重大性に改めて思いを馳せる。

    全ての医療関係者が読むべきだ

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    2020年11月06日
  • 医療の外れで

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    第三者的に医療者のナラティブな話というよりも、医療者が自ら介入してマイノリティや差別を考える話。

    著者独自の気持ちや考えがハッキリしており、なるほどと思えたことが多い。

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    2024年04月04日
  • 医療の外れで

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    4章とそのあとがき、ご友人の母子のことと著者ご自身のお母様との関係のことが綴られているところが一番印象的でした。ご自身とお母様との歴史や現在のこと、とてもリアリティがありました。こういう話題のとき、以前は娘側の視点に感情移入することが多かったのですが、今回はなんだかお母様にとても親近感を覚え、わたしもそんな年齢なのかなぁと感じました。

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    2022年12月16日
  • 医療の外れで

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    自分以外のいろんな人の事情を理解することは難しい
    でも、そういう人がいるってことを知ってる、聞いたことがあるだけで、少し選ぶ言葉とか行動が変わったりすると思う
    医療の話だけど医療以上の内容を書いている本だった

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    2022年08月23日
  • 医療の外れで

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    医療従事者の立場でみる、無意識に陥っている差別のこと。日常によくよく目を凝らすと全然この人たちいるよねという他者にせず、もっともっと当たり前に今日、明日、自分に何が起きるかわからないのが日常だからこそ、きちんと考えていかなきゃいけない私たちのこと。

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    2021年07月10日
  • 医療の外れで

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    看護師として、一人の生活者として、誰かの友人として、数々の体験をされている、そしてこんな風になって欲しい、こうしていきたい、と希望を持った展開を考えている。文句や苦言や諦観ではなくて、未来への希望があると感じた。この本にもたくさんの部分に付箋を貼って、フレーズにも入力した。私も少しでも応えていけたらと思う。

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    2021年02月20日
  • 医療の外れで

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    これから看護師になろうとしている人に読んで欲しいです。病棟でこんなことが起きるのか…とビックリしながら読んだし、色々なところでの「差別」の問題が取り上げられていて、かなり読みごたえのある本でした。

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    2021年02月18日
  • 医療の外れで

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    ネタバレ

    壮絶なバックグラウンドのある著者の、すごく説得力のある数々のエピソード。医療の真実のレポートだった。
    コロナに関する、医療従事者への差別の章が一番印象的でした。「医療従事者はこんなに頑張っているのだから差別してはいけない」は根本的に間違い。頑張っている、生産性がある、だから差別しない、というと、そうじゃないと判断された人たち(生活保護受給者、セクシャルマイノリティなど)への差別を後押しすることになってしまう。
    「差別はいけないから、差別しない」それでいい。

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    2020年12月18日
  • 医療の外れで

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    筆者自身が体験したことを綴っている。
    看護師であり、歪んだ家族関係から、認められたい気持ちが拒食症を発症。やがては仕事で鬱という経過がある。
    読んでいるとなぜそんなにと感じでしまう自分は、少しでもこれらで苦しんでいる当事者の言葉を読み、どういう状況で思考で、そのようは経過を歩むことになったのかを知ろうとしているんだと気づいた。
    でもやはり、どこかで、遠い世界のような感覚もある。

    この本の中で、身近に感じた文章がある。『あまりの多忙さと、看護師の上下関係の厳しさに呆然としました。疾患の治療を最大の目的とした病棟で最優先すべきは、適切な処置と循環動態の観察、そして患者さんのその瞬間ごとの身体の安

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    2021年07月11日
  • 医療の外れで

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    看護師である筆者が実際に体験した事とその体験に対して考えた事。筆者自身が様々なマイノリティ(LGBT、貧困、依存、などなど)と接し、筆者自身がそれらとの境界を生き、医療職としての自分と当事者としての自分の葛藤が書かれている。非常に生々しい体験がいくつも綴られているのだが、分析的で冷静な文章のおかげで読み進めることができる。

    私自身は業界のほんの片隅で、このようなことを内側の人間として経験することはないだろう。しかし患者として医療と接する可能性は常にある。筆者が感じたようなこと、医療者がどのようなことを考えて業務に取り組んでいるのか、ということは参考になる。

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    2021年04月12日