木村映里の作品一覧
「木村映里」の「医療の外れで」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「木村映里」の「医療の外れで」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
ビジネス・実用
Posted by ブクログ
看護師として働く中で、葛藤を抱えながら紡がれる言葉が胸に刺さる。
6章では、目の前の人の命に生産性で優劣をつけていた自分の浅はかさを前に立ち尽くし、引き受けたネガティブな感情を、『属性』に帰結させないようにしようと背筋を伸ばし続ける姿が印象的だった。
過去の自分の傲慢さを思い出し、心に留め置いておかなければならないと感じた。
9章では、「頑張っているから差別しないでほしい」という主張が、裏を返せば「頑張っていない人は差別されても仕方がない」という論理になり得る。
その視点にハッとさせられた。
自分の主観で他者をジャッジしていることに、無自覚だったのかもしれない。
働く上で、組織やチームに信頼関係があり、率直に話ができることや、感情を殺されずにケアされることは、とても大事だと感じた。
あらためて、患者と近い距離で働く看護師という存在に、深い敬意を抱いた。
Posted by ブクログ
きっと筆者の評価しない姿勢が、これだけの言葉を彼女に託したんだろうなぁと思った。
たぶんセクシャルマイノリティー、シングルマザー、水商売、生活保護、精神疾患など
関わることがなければ他人事のように感じてしまう自分の周囲にあるものを身近に捉えてそれを文章に認めたことに感謝を覚えた。
自分のことを語るにも勇気がいる。
とても芯がある人だと思った。
別の著書も読んでみたいと思った。
著作の中で医療従事者の自分も心に留めておこうと再認識した箇所
***
友人の医師は、生活保護受給者への医療従事者の目線に関して、「生活保護の受給者のごく一部に、どうしようもない性格で社会不適応であるがゆえに働くこともできず、病院に来てはクレーマーのような態度を繰り返す、こちらのモチベーションを根こそぎ奪っていく人がいて、少数だが複数いる上に同じような経過を辿っていく。医療従事者は超精鋭とでもいうべきそういった特殊な生活保護受給者の相手ばかりしているうちに、生活保護受給者全体に対する偏見が形成され、生活保護叩きに至る」と話します。その上で、「医師や看護師は彼ら彼女らを受け入れ治療することを強いられる。彼ら彼女らをつまはじきにしてきた社会からそれを要請される。生活保護の知識がなければ、生活保護受給者とはあまねく性格のゆがんだつまはじき者だというイメージが植え付けられかねない」と語っていました。
***
自分も病院でその偏見を耳にしていたし、その偏見を信じていた時があった。けど、生活保護について知るうちに「生活保護」で括ることに違和感を覚えるようになった。今の自分なら同じようなことを後輩に言う気がする。
Posted by ブクログ
医療従事者が治療の枠の中から人々を見続けていることによって無意識の差別的意識をもつことを、各章で散々思い知らされる。しかし、医療従事者が差別される立場に置かれた感染パニックを経て、条件付きの差別の禁止をうたうことも誤りだったと筆者が自覚する。
看護師のフィールドは、苦しみと傷つけ合いの連続だけど、それでも迷いながら、誤魔化さずにやっていけたら……、と結ぶ(ように思う)。
明晰な文体、豊かな感性、凄い。木村さんの視点からみえる、繊細な気づきと緻密な整備を覗かせてもらうことができて、良かった。赤裸々な人生告白も読み物としては興味深い。
ただ、誰も傷つけたくないという配慮がやや過剰な感じを受ける。主張の内容を批判されることは悪いことではないし、全く誰も傷付つけないのは不可能だろう。
「自身の配慮のなさ」「自身の愚かさ」に気がついて愕然とする場面が多々あるが、そんなに瞬時に抵抗なく自身がいかにダメかについて気がつけるものなのか。
後から恥ずかしくなる経験、ようやく何が問題だったのか理解できることなどはたくさんある。その時々で適切に感じ取り完璧に対応することは不可能なのだから、もう少し、楽に構えてみたら?と著者のメンタルが心配にもなった。