石田月美のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレエッセイだけど、身を削って書いているというか、血肉を感じる文章だった。
久々に自分を削り取って書いてるエッセイを読んだなという印象。でも当事者にしか書けないリアルな心情描写やそこまで曝け出す?ってくらい率直な意見など、読んでいて心にくるものがあった。
一番心に残ったのは「優生思想」。心に残ったというか、まるで著者から鏡を突きつけられたような気持ちになった。あそこまで凡庸(著者の言葉を借りれば)ではないけれど、でも心の奥にはその凡庸さはあるなとまざまざと思い知らされたようだった。
こんなに魂削るような文章書いて大丈夫なんだろうか?と心配になるようなエッセイだった。 -
Posted by ブクログ
この方の別の作品が気になっていて、他にどんな本を出しているのだろう。と思い読んだ一冊です。
冒頭から過食の表現が出てきます。ああ、覚えがあるわぁ。なんて思いながら読み進めていくと主治医が「結婚したら?」と。ここで実行に移すのがすごいなぁと思ったのです。私なら、その場でプッツン切れて「転院するので診断書書いてください」案件です。そこから婚活をしていくのですが、この婚活が”生き延びる”からなのです。ここについても分からなくて。主治医が何故結婚を勧めてきたのかもわかりませんが、ただ生き延びるのなら国の制度を使えばいいのに。と思ったのです。精神疾患で働けないのなら、障害者年金だってあるし、実家暮 -
Posted by ブクログ
ネタバレすごい本を読んでしまったな。
これが一番最初の感想。
命懸けで書いてるんだろうなという著者の気迫や、その息遣いが聞こえてくるようである。
最も心に残ったのは「摂食障害」の章。
過食の様子や、翌朝の荒んだキッチンの光景が生々しく描かれている。
著者が過去にどんな経験をしたのか、またそれが著者にどんな影響を与えたのかは計り知れない。そんなに簡単に理解していい類のものでもないと思う。
しかし、著者が眺める光景を、そしてそれが著者を救っているという事実を通して、彼女が抱えているものの重さが、読者である我々にものしかかってくるように感じられた。
他にも、「友だち」の章で触れられていた性被害の話に