小野卓也のレビュー一覧
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ネタバレ「「ボードゲームを思想にする」ために」(p3)作られたという本書。その言葉に違わず、「ボードゲームを思想にする」ための数々の試みが、書籍全体にちりばめられており、その切り口そのものが興味深い。
文化人類学者・小川さやかさんの『 ハイソサエティ』論や、歴史学者・辻田真佐憲 さんの『主計将校 』のプレイレポート)など、様々な分野の研究者・専門家がそれぞれのアカデミックな知見と文体で「ボードゲームをプレイする」経験を記述する第2章からは、「ボードゲームを思想にする」ために我々はいかなる言葉で、何を語ることができるのか、という問いを突き付けられる。
また、與那覇潤氏と小野卓也氏の二人が、それぞれに異な -
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「目的」は遊びの大敵
という小見出しが出てくるが、この部分こそ本書の中核をなす本質だと感じた。
ボードゲームを知らない人向けの紹介レポートとして、6人の有識者による実際にボードゲームを遊んでみたレポートも収録されているものの、
その部分は付録的なものであり、挙げられているゲームも世の中に無数にあるうちのごく一部でしかない(批判しているのではなく、そもそも良作を挙げたらキリがないし、読書と同様に人によって向き不向きや相性もあるから一概に言えない事情もあるかと思う)。
現実社会においても、
事前に設定された「目的」に縛られてしまった途端におもしろくなくなる、という現象が観察される場面は少なくない -
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<目次>
第1章 なぜボードゲームに注目するか~「ブーム」の理由と現在地
第2章 ボードゲームをどう楽しむのか~有識者6名とのプレイング
第3章 どんな未来をボードゲームは開くか~「遊戯<ゆげ>するケア」の可能性
第4章 ボードゲームはなにを私に考えさえたか~リワークデイケアでの体験から
第5章 ボードゲームはどこまで世界を掘り下げるか~「えっ?」と驚くテーマの作品たち
<内容>
最近はやりのボードゲーム。教え子の卒業生たちもときどき集まってやっているようだ。この本は、ある意味ボードゲームを大上段から論じている。やや仰々しいが、その楽しさも垣間見えるし、最後に初心者への購入術も載っ -
- カート
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試し読み
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ボードゲームは好きで色々とやったし、そう言うサイトや動画見るのも好きなのだが、この本はあんまり面白いと感じなかったな。
何でやろ。
主題がでかいからかな。
やや特殊な環境を前提に話している感じだし、ゲームの紹介は下手、というかゲームの紹介をしてるのが経済学者だったり文化人類学者だったり、もう、ゲームのリプレイ感どころか説明ですらなく、意義を言われても。
つまるところ、ゲームの楽しさや、面白さを伝える本ではないのだろう。
ゲームやってる人は面白いから、やる。
その結果、コミュニケーションが出来たり、色々効用はあるだろう。
この本は、それを外から評論してる感じだった。
ゲームに興味があ -
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『ボードゲームで社会が変わる」
評論家の與那覇潤さんは存じ上げなかったが、小野さんはブログも読んでるし声も顔もよく知っている。対談部分は與那覇さんを自分を重ねて、大先輩の小野さんに教えてもらっている感覚で読んだ。
ボードゲームをゲストと遊ぶ章では近現代史研究科の辻田真佐憲さんや国際政治学者の三牧聖子さんなどラジオやYouTubeで見知った方が出ているので、そんな人たちがボードゲームを遊ぶなんてという驚きと嬉しさがあった。軍事に詳しい辻田さんによる主計将校解説は熱かった。フェルトのドラゴンイヤーは実際の中国の歴史を考えると緩いというのも面白い。
本のタイトルからボードゲームが何かの役に立つと -
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この本「ボードゲームで社会が変わる」は、ボードゲームが社会に与える影響についての深い洞察を提供します。デジタルゲームとの違い、ドイツとアメリカのボードゲームスタイルの対比、そして著者がうつ病の回復過程でボードゲームが果たした役割など、多岐にわたる興味深いポイントが紹介されています。さらに、6人の寄稿者による歴史や国際政治に関連するボードゲームのプレイレポートは特に注目に値します。この本は、ボードゲームを単なる遊びではなく、個人の属性や能力の違いを超えた共存のための手段として捉え、新たな視点を提供しています。読んでいて、ボードゲームのもつ社会的な価値や可能性に改めて気づかされました。