ダヴィッド・ヴァンデルムーレンのレビュー一覧
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ネタバレ漫画を読みなれていないので、けっこう読むのに時間がかかったけど、「サピエンス全史」のおさらいをするのにはとても良いです。「文明の正体」編では、最初の方は、人間が麦の奴隷になっていく過程が描かれる。
これは、原作を読んで衝撃を受ける人が多い部分で、非常におもしろい。狩猟・採集をして暮らす人々から見れば、朝から晩まで畑で働いて、農耕をする人々は、全く自由がなく、不幸そうに見えるが、麦を手なずけた人々は「我々は素晴らしいことを成し遂げた!これからは豊かになる!」と信じている。中盤から後半にかけては、人類が築いてきた虚構(フィクション)は、人類が作ったものであって、決して生物学的に決定されたものではな -
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今回は歴史の覇者はだれか、という話。
まず人類の歴史は果てしなく続く文明同士の対立だというクラッシュウーマン。しかし文明の対立は出会いでもある。こうして世の中はグローバルに発展してきた。
次はサイクル。しかし地球全体から見れば、1万年前には地球上に一万を超える別々の世界があったが、現在はほぼ1個になってしまった。サイクル説は視野が狭い。
そして帝国レディエンパイヤ。帝国主義は民族の一体化や壮大な文明の成立にも大きく関与し、現代の国家観を形成するうえで大きな効果を与えたことは否めない。史上大きな成功を収めた帝国は、多数の異なる文化を混ぜ合わせ、新しい文明を作ってきた。さらに民主主義・市場経済・人 -
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ホモサピエンスがどのように我々に変化していったのかを、描くサピエンス全史の漫画バージョン。今回は「歴史の覇者」編です。
歴史の方向性はどのように決まったのか?なぜ対立がずーとあるのか?誰かが言うように陰謀があるのか?裏で誰かが糸をひいいているのか。
なぜ、ホモサピエンスがその他の動物と違って今の隆盛を誇るようになったのかを色々な観点から考察していきます。なんか、堅苦しい感じがするが、漫画なので楽しいです。
歴史上バラバラだったホモサピエンスがどのように統一されてきたのか?
その有力な原動力として 帝国 貨幣 宗教 をあげて検証していきます。
はたして、どの要素が世界をわりと一つにしたのでしょう -
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何万年・何十万年前には、今の人類=ホモ・サピエンス以外にも、ホモ・エレクトス、ホモ・デニソワ、ホモ・フローレシスエンシス、ホモ・ネンデルターレンシスたちが存在して、生息していた。
火の使用は人類と他の動物を隔てる最初の大きな溝になった。
この力はいつどこで使うか選べるから、無数の仕事に利用することができた。
さらに重要なのは、肉体的な限界が関係ないってことだ。
火打ち石があれば、女性1人でも数時間で森を丸ごと焼き払うことだってできる。
火を手なずけたのは先触れだった。これが原子爆弾に到る最初の重要な一歩だったんだ・・・
7万年ぐらい前、サピエンスは急激に世界中に広がっていった。
でもアフリ -
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イラストがオシャレで可愛い。いかにして人種差別/男女差別が作られてきたか、社会的な構造に影響してきたかという部分を理論的に説明している。なんとなく学校や本でのざっくりとした歴史的人種差別(ジム・クロウ法やアパルトヘイト撤廃のくだり)については学んできたつもり、だった。実際は何十年ものの時間と共に偏見、経済的な負の連鎖、そしてそれを正当化する人々と文言が奴隷解放後も何百年も尾を引く結果を形作っていたのだ。
人種差別はいけない。多くの人がこれに賛同するはずだが、その"中身"をしっかり学ぶかそうでないかでその重みはずっしりとのしかかってくる。 -
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Posted by ブクログ
本の最初にこんな言葉が。
「絶滅し、失われ、忘れられたものたちへ。
集まって形をなしたものは、いずれかならず崩れて塵と消える。」
ーユヴァル・ノア・ハラリ
これは過去形で書かれているが、
全ての存在に当てはまる普遍的なことなのでは?
ホモ・サピエンスだけがこの法則の例外・・・
なんていうことは考えられない。
「本の流れ」
600万年前
ヒトとチンパンジーの祖先が分かれる
250万年前
アフリカで人が出現。最古の石器
200万年前
ヒトがアフリカからユーラシアへ広がる
ヒトが複数の種に進化する
50万年前
ヨーロッパから中東でネアンデルタール人が出現
30万年前
火が日常的に使用され -
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Posted by ブクログ
猫に色々な種類がいるように、以前は人間にも多くの種類がいた。しかし現在地球上にいるのはそのうちのサピエンスだけだ。この謎と影響を教えてくれるサピエンス全史の漫画版。やはりビジュアルが有ると理解しやすい。
自然界は通常何万年もかけて変化に対応してきた。しかし、サピエンスは余りにも急速に世界中に進出・対応し、その為地球をがらりと変えてしまう事となった。
人間は当初サバンナの負け組であり、その為人間は今でも不安でいっぱいであり、いつでも自分の立場を気にしている。
こんな人間が生態系のトップに躍り出たため、人類は二倍も残酷で危険な生物になってしまった。戦争も生態系の破壊も、歴史上の大惨事は人類が急に頂 -
Posted by ブクログ
上下巻になってる本編の方も読んだけれど、
歴史が始まって人間の経済活動の記述もあったような。対してこちらは、ホモサピエンスが地球上に広がって…の方がウエイトが大きかった気がした。先に読んだ本編の方もまた読み直したくなったし、まぁ、とにかく幅広く楽しめてアカデミックな気持ちになれるし学んだなぁという自己満足が得られる。
あちらを読んだときにも感じたことだけれど欧米文化を中心としても描いてあり、(もちろんこちらもだけれど)違和感に気が付くかも。
マンガ形式だけれど読みにくい(それはコミックの文化の違いもあって)のだけれど、慎重にじっくり少しずつ読み進めて堪能できた。 -
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