関口宏のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
BS-TBSで今も放映中のTV番組の一番最初のシーズンを書籍化したもの。
私がこの番組の存在に気づいたのは第二期目に入ってからだったので、この本でカバーされている部分(大政奉還から明治天皇崩御まで)の放映はまるごと見逃している。最初から全部見たかった、と悔しがってもどうしようもないので、書籍化されたものをありがたく読む。
小中高で私が受けてきた歴史の授業は、教科書の前半の古代史とか中世史はたっぷり時間をかけてやるけど、後半の近現代史は途中で時間切れになって終わる、というパターンばかり。たぶん一度も最後までやってないと思うなあ。板垣退助とか日露戦争あたりで記憶が途切れている、、、
でも、ほんとは近現代史こそ力入れて教えてほしかった。むしろ古代史から江戸までは適当に流して、好きな人が趣味の世界で好きなだけやればいいんじゃないかと思うくらい。
さらに言うと、私は学生時代に歴史の授業をおもしろいと思ったことがない。
なのに今はどの時代もどこの歴史も何を見てもおもしろいと思える。こんなにおもしろい科目をあんなにつまらなく教えていた先生たちってどうなのよと思いつつも、受け止める方の私にも問題があったのだろうとも思う。
歴史は、ある程度世の中のしくみが分かってから聞いた方がおもしろくて当たり前とも思うし。
関口さんの番組は、大政奉還から始めて近現代史が終わった後、古代史に戻り、中世や戦国時代を経て、今は江戸時代。江戸時代が終わると一巡する。引っ越し中に見られなかった時期を除いては毎週欠かさず見てますが、どの時代も面白くてびっくり。
子供の頃は日本史は戦国時代が一番おもしろいと思っていたけど、この番組では戦国時代が一番つまらなかった。他の時代がおもしろすぎて。
各時代で解説者が変わるのだけど、近現代史パートを解説されていたのは保阪正康さん。
著書は私は読んだことなくお名前も知らなかったくらいなんですが、穏やかで実直なお人柄が画面を通して伝わってきて、すっかりファンになってしまった。
驚くほどたくさんの人の戦争体験談をお聞きになっているようで、時々控えめに話される歴史の証言者たちのインタビュー話は番組の楽しみの一つでした。
この本からも、保阪さんの歴史に向き合う真摯な姿が見える。
たとえば、西南戦争について、西郷隆盛率いる旧士族軍に対し、新政府軍は「勝つためにはいくらでも武器を買う」と言って最新の武器を大量に購入して対戦し、結果、西郷軍は死者5000人、政府軍は6800人に上る犠牲者を出した、という解説のところで、関口宏さんが「西郷さんも途中でやめようとは言えなかったんでしょうかね」とおっしゃったことに対する保阪さんの返答。
「結局、そこですよね。そこが、私たち近代史研究者の課題だと思います。昭和の戦争も、どうしてあそこまで戦ったのかと。もうここでやめるべきではないかということが昭和17〜18年頃にあったはずです。でも、やめられなかった。その背景にあるのは『勝つまでやる』という精神性です。負けるということは自分たちの全否定につながるから、命を懸けて戦う。でも本来、戦争というのは政治の延長ですよね。戦に負けることは全否定ではないし、別の形で政治的な失態を取り返すこともできるはずです。それなのに、戦を戦だけで考えると、勝つまでやることになってしまうんですね。」
第二次世界大戦中のことを知れば知るほど、なぜここでやめられなかったんだろうと思うポイントはいくつもあるけど、でも、戦争を途中でやめることの難しさは、今の時代の紛争を見てもひしひしと感じる。
「別の形で政治的な失態は取り戻せる」ということも、ウクライナや中東のニュースなど今まさに進行中の事例を見ると、本当にそうだろうかとも思ってしまいます。
歴史を後からあれこれ考えると、惨事を避けるいろんなタイミングがあるように思えるんですけどね。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ関口氏と保阪氏の対談で進んでいく一冊。
わかりやすくて大正〜昭和史をザックリ知りたい人にはオススメの一冊。
教科書には載らない話などもちらほらで、「尼港事件」(ロシア革命時、出兵していた日本に対しロシアのパルチザンが日本人を虐殺した事件)
なんかはお恥ずかしながら全く知らなかった…。
教科書にも載せるべきだと思うんやが。
大正天皇と昭和天皇の話も良かった。
体調を崩されてから、昭和天皇が摂政として務められてたらしいけど、
やっぱり天皇にも自分なりの権威というものがあるんやね。
摂政としての仕事をどこまでやっているか、という点をすごく気にされていたエピソードに納得でした。
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Posted by ブクログ
大正初めから2・26事件までの歴史を解説
西暦ではなく和暦で事件の時期が説明されており、大正期は諸外国の動きに対して国内政治家がどう動いたかを中心に、昭和期は陸軍、特に関東軍の暴走ぶりを中心にされている。
教科書を読んでも分かりづらい経緯が丁寧に説明されていて読みやすいが、関東軍の動きの理由があまり説明されていない(考え方が合理的でないことを前提に論じられていることが理由なので仕方ないのかもしれない)ので、説明が平板に思えて教科書の副読本を読んでいる気分で読み進めていた。
大正デモクラシーを含め、政治家や軍以外の人たちの考え方も分かりづらく、当時の歴史から現代の政治を批判する素材は見つけやすい。軍組織内部の統制、文民統制の大切さがよく分かる。
クーデター(未遂)や紛争が頻発するとても抑圧された社会の雰囲気だったことが容易に想像できるのに、マスコミが機能していないと一般市民としてはどうしようもないものか。