大野一のレビュー一覧

  • 日経BPクラシックス 資本主義、社会主義、民主主義 1

    Posted by ブクログ

    読もうと思った理由
    現在起こっている政治経済制度の問題点について深く知りたいと思ったから

    気づき
    ・ひとたび「資本家」が潜在的なサービスの蓄えを手に
     すると立場上、そうした蓄えや潜在的な蓄えの生産に
     かかるかかる時間以上、労働者を働かせることがー実
     際のサービスを提供させることができる。この意味で
     資本家は支払った以上の労働時間を現場で要求でき
     る。その結果生産された商品も、生産にかかった労働
     時間に比例した価格で販売されるため、二つの商品の
     価値に差が生じる。この差が剰余価値で、資本家はこ
     の剰余価値を掠め取ることで「労働者」を「搾取」す
     る
    ・マルクスによれば「科学的社会主義」は社会主義が
     人々の意思や希望とは無関係に必然的に到来すること
     を示したという点で「ユートピア社会主義」と一線を
     画している。これは資本主義が発展すると資本主義の
     ロジックそのものによって、資本主義体制が滅び、社
     会主義体制に移行する傾向があるという意味である
    ・マルクスによれば資本主義は実際の崩壊に至る前に絶
     えず危機に見舞われる時代ー一時的な回復や何かの幸
     運で短期間中断することはあっても絶えず危機に見舞
     われる時代ーに突入する。それだけでなく、資本の蓄
     積と集中が利潤率に影響を及ぼし、利潤率を通じて投
     資機会にも影響が出るという側面を強調するのがマル
     クスの論法のひとつである
    ・資本主義の近いパフォーマンスを悲観する根拠、過去
     の実績は繰り返さないと主張する根拠は次になる。第
     一は環境が悪化するという見方である。資本主義のプ
     ロセスでは政治権力の分散が進み、資本主義に敵対的
     な社会心理が生まれる。そうした心理は政策に反映さ
     れ、いずれは資本主義の動力装置を止めるほどの広が
     りを見せる可能性がある。第二は資本主義の動力装置
     自体に問題がおきるという見方である。第三は資本主
     義の動力装置が糧にする「原料」とでも言えるものー
     新しい企業に開かれたチャンス、投資機会に問題が起
     きるという見方である。民間企業のチャンスと投資機
     会が消滅に向かう主な根拠として挙げられているの
     が、飽和・人口・新しい土地・技術的な可能性、また
     投資機会が民間でなく公共投資の領域に偏っていると
     いう環境だ
    ・企業経営で特にエネルギーをつぎこむ問題のひとつ=
     不透明感、特に現実の競争相手や潜在的な競争相手が
     どのような反応をするかという不透明感とビジネス全
     般の環境が今後どうなるかという不透明感については
     ほぼ完全に社会主義型の経営では払拭されることは予
     想される
    ・たとえば平和主義型の社会主義では軍備を節約できる
     し、無神論型の社会主義なら教会を節約できるだろう
    ・社会主義化とは大企業が描いた道のりを大企業を跨ぎ
     越して進むことだ。


    難しい言い回しも多く、また内容を自分自身あまり理解できていないところもあるのでまた再読したい。

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    2021年04月26日
  • テクノロジーの世界経済史 ビル・ゲイツのパラドックス

    Posted by ブクログ

    AIに代表されるテクノロジーは生産性の向上により人間を不要な労働から救う救世主なのか、それとも低付加価値の労働者の仕事を奪うことで失業率を押し上げる悪魔なのか。論争が尽きぬこの議論に対して、主に産業革命以降のテクノロジーの歴史を紐解くアプローチを取ったのが本書である。

    本書では、産業革命以降、労働生産性を向上させたテクノロジーを2つに分解する。1つは”労働補完型”であり、こちらは労働者を存在とするがその労働をより簡易にできるようにし、労働者自身の安全性向上というメリットももたらす。もう1つは”労働置換型”であり、こちらは労働自体をテクノロジーが自動化することで不要としてしまうタイプであり、産業革命期のラッダイト運動の対象となったのもこちらである。

    よって、テクノロジーが労働に与える影響を考えるためにはそのテクノロジーがどちらに該当するものなのかを見極める必要がある。”労働置換型”のテクノロジーの場合、歴史を紐解けばそこには必ず不要とされて職を喪失した労働者の存在がある。もっとも様々なテクノロジーによって失業した労働者のデータを追って見れば、年齢が若いなど再学習のチャンスがある労働者は再雇用に成功するものの、そうでない人間にとっては失業が長く続くというのが一般的な傾向である。

    結論はシンプルであるが、テクノロジーを巡る長い歴史を押えた上での議論ができる良書。

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    2020年12月13日
  • 代議士の誕生

    Posted by ブクログ

    著者は本書の主人公ともいえる新人立候補者の佐藤文生氏の家に一年近い期間居候し、佐藤氏がどのような戦略で票を集めていたのかを詳細に記録している。本書は、フィールドワークの傑作と言われているが、その詳細な記述には驚くばかりである。今であればこれだけ自分の陣営の手の内を見せるようなことはできないだろう。

    本書は、半世紀も前に上梓された本であり、情報としては古いものである。選挙区は中選挙区から小選挙区比例代表並立制になり、農業従事者や自営業者の減少など当時とは状況が大きく異なってきている。しかしながら、代議士がどのような考えで選挙に臨んでいたのかを知る一級の史料であることには今後も変わりないだろう。

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    2015年05月01日
  • 代議士の誕生

    Posted by ブクログ

    かつて出されたカーティス氏の著作の復刊。2009年の政権交代直後に出された。まえがきの「政権交代は何故起きたのか」は自民党が敗北した理由を選挙制度から議論をスタートさせ、かなり鋭い分析を加えている。

    この本は著者の博士論文が元になっており、当時の選挙活動の実態が事細かに記されている。現在は中選挙区制から小選挙区制へ移行したために、このような選挙活動は一部行われなくなったとは思うが、一部の記述はおそらく現代でも当てはまるだろう。

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    2012年11月28日