松本敏治のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ASDの子供が津軽弁を話さない、という噂から調査研究した内容が纏められている著書
当初はASDの発話特徴として平坦さがあるために津軽弁と認識されにくいのではないか?との仮説で調べるが、方言の単語も使われない傾向が確認される
そこから言語習得の過程から特徴があるのではないかと、研究の進んでいく様は興味深く読めた
研究結果としては津軽弁に限らずASDは方言を話さない傾向がある
その要因としてはASDの特徴である意図理解の弱さが挙げられている
会話などの自然言語は意味だけで成り立ってはおらず、関係性を含む使用状況から汲み取れる意図が重要となる
方言の使用は地域コミュニティの関係性を意味するところも -
Posted by ブクログ
題名を見て「たしかにそうかもしれない」と思って、どうしてそうなんだろうと思って読みました。
読み終わった今、分かったような分からないような。
学習言語には方言が少ない。日常会話から言語を学ぶのは難しいというのは、例えば私自身の英語学習とかが、同じ感じなのかな。
多分私の話す英語にはスラングや慣用句的な言い回しはほとんどないし、地方独特のイントネーションや発音はないと思う(ジャパニーズイングリッシュではあるでしょうけど)。
そして、リスニングも、教材として作られているものは聞き取れるけど、日常会話はなかなか難しく感じる。
それと同じような困難があるのかなあというのが私の印象でした。
-
Posted by ブクログ
途中までワクワクしながら読んだのだが、最終的には隔靴掻痒の感強し。
非常に面白かったのは、とりわけ前半の緻密な調査の部分。
自閉スペクトラム症(ASD)の人達が幼い頃から方言を使わない、という気づきからその現象が全国的に見られるのか、どのような原因が背景にあると考えられるのかを炙り出すため、質問内容やその対象の選び方などがさまざまな角度から考えられており、周到な調査の手法には興味をひかれた。また、ASDの人たちの思考様式を考えることで、自分達の認識方法がより整理される点は面白かった。
しかし、結局ASDの人たちの実態がよく描かれておらず、しりすぼみな感じが否めなかった。この分析はASDの専門