大山健太郎のレビュー一覧
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【めちゃくちゃ素晴らしい本】
今までも経営を如何に上手くするか?という問いについては人並みにアンテナを張って来たつもりではあったが、こんなに本質的かつ明確な経営のエッセンスを沢山詰め込んだ本は記憶にない、異次元、安過ぎる。なんでもっと話題になっていないのかが分からない。
表紙の赤は派手だがなんとなくメーカーだとかアイリスオーヤマには地味なイメージでも付いているのだろうか。
もしかしたらある程度会計の理解や経営課題に相対する経験を積んでないと伝わらない部分があるのかも知れない。
さて内容はというと、
僅か19歳で会社を背負う立場になりオイルショックによる大きな挫折、曰く「死ぬような思い」 -
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アイリスオーヤマ創業者にして、現会長大山健太郎の著書。
2020年9月初版刊行。
大山氏は19歳で父が立ち上げたプラスチック加工の工場を引き継ぐ形で社長となった。その後、事業を拡張して1971年にアイリスオーヤマ(当時の社名は大山ブロー工業)を創った。
本書は、大山氏が社長として得てきた経験に基づいており、タイトルの通り「どのような事業環境でも継続的に利益を出し続ける企業はどのようにつくるか?」に焦点を当てて書かれている。
テーマは、アイリスの製品、事業、マーケットに対するスタンスから、生産技術プロセス、開発プロセス、人事評価に至るまで多岐に渡る。
零細樹脂加工メーカから、年間売上高8 -
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・ユーザーイン:需要と供給のバランスで動く市場経済と一線を画すために、自ら需要を生み出す市場創造型の製品を生み出すアプローチ。実現のためにはRetailと直接取引を狙い問屋機能を持ったメーカーベンダーになることが必要
・ユーザーインの値付け(LED電球の例):原価から考えるのではなく、電気代を考えて、顧客が元を取れるラインから値付けする。そのうえでそれを実現するように開発する
・価格競争を続けることは不毛。ユーザーのニーズを掘り起こした新製品であれば、100円が相場のところ120円で販売しても売れる。そのため、新製品比率を高く保つ
・会社の新陳代謝を最もよく表す指標をKPIに据える。アイリスの -
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ネタバレ経営者の視点ではあるけれど、事業に関わるものとしては学びの多い本。
すべてはユーザーイン視点から。
→そのための仕組みづくり。
→毎週行われる全社員が参加するプレゼン会議で新商品を開発
→失敗は決裁者の責任、成功は提案者のもの
→日報を見える化
→部品から何から自社で作る→ノウハウ
→問屋機能も持つことで売り場(ユーザーイン)視点を持ち開発に役立てる
そして、需要が増えた時のために
→常に稼働率を7割にしておく
→工場も分散
社員を大事に
→働く人の視点を大事に。育てることを重視。
一番刺さったのは、近年は10年に一度は社会を揺るがす大きな出来事が起きている。これ -
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巣ごもり消費は定着する。
集中戦略は、目先は効率化するが外部環境の変化には弱い。
経営理念の第一は、いかなる時代環境でも利益を出せる仕組みヲ確立する。顧客第一や社会貢献よりこれが先。
アイリスは仕組み至上主義。
プロダクトアウト、マーケットイン、よりユーザーイン。
ユーザーのニーズをとらえる。
内製化率を高める=価格競争と商品開発力がつく。効率は悪い。
儲からない市場にはとどまらない。
新商品比率を50%以上にする。
新規事業を成長市場ではないところに求める。
経常利益の50%を投資に回す。
変化を見越して、手を打つ。楽な事業にしがみつかない。
新製品の研究開発費も売り上げの4%を使う。