春木育美のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
現在の韓国を知りたくてこの本を読みました。大きく気になったのは、韓国の出生率です。この本が書かれた前年である平成31年は0.92でしたが、令和6年は0.75となっています。このままでは、2117年には、人口が1168万人にまで低下すると見込まれている。2017年から100年間で、人口規模が現在の5分の1になる(9P)少子化によって、経済成長にマイナスとなり、国力低下は免れない、次世代の経済・社会の担い手は縮小し、税収入も低下する。年金や医療などの社会保障制度も立ち行かなくなる。そして兵員不足や輸血用の血液も不足するということである(10P~14P)私は韓国の若者が家庭を持ち、子どもを産み、国が
-
Posted by ブクログ
日本と同じく、いやそれ以上のスピード感で少子高齢化が進んでいる韓国。若者の失業率も高く、年金制度の開始が1988年とわりと最近であることもあって中高年の貧困も深刻という嫌韓派がそれみたことかと快哉を上げそうな状況の韓国。そんな韓国のこうした問題に関する政策や社会の動きについて、長らく韓国を研究してきた著者が解説してくれる。出たのが至近なこともあって情報としての新しさという点も価値あり。
著者は共通の問題を抱えている日韓がお互いの経験や試みを知ることで、有益な政策や取り組みがなされるのではないかと述べる。そう、確かに日本で評判の悪い政策がすでに韓国で行われていたような例があるんだね。例えば、少子 -
Posted by ブクログ
ネタバレ韓国人の夫を持つYouTuberの嫁が義理の父母を訪ねる回があったが、かなり従順な姿勢で窮屈そうにみえた。儒教の文化が根強い。女性は子供を産んでキャリア形成を捨てたくないし、子供を持っても育児教育にお金はかかり、夫は家事を文化的にやりたがらない。さらに子と両親が共に過ごす時間は1日48分とOECD加盟国で最下位(平均は150分)。韓国の子どもは学校の成績や経済水準より両親との良好な関係に幸せを見出している調査結果がある。子どもが親を求めていても親は子どもと過ごせないのだ。男性大卒新入社員の平均年齢は29.2歳、退職平均年齢は52歳。男性は女性の社会進出によって兵役のある自分たちは不公平という思
-
Posted by ブクログ
韓国については漠然と外需の国である、少子化が猛烈に進んでいるなどのイメージがあったが、具体的に今の韓国がどのような状況にあるのかを端的に教えてくれる一冊だった。
本書に書かれている韓国の現状はあくまで韓国の話であるはずなのに、そのまま主語が日本に置き換えられていても気が付かないのではないか、と思うほどに共通点がある。少子化や高齢者の貧困等は日本の先を進んでいるため、日本が将来的に辿るかもしれない未来と言ってもよい。
日本との違いというか、韓国の特徴というか、あらゆる社会問題に対してかなり大胆な政策がスピーディに実行されていることに驚く。それは大統領に再任制度がないため任期中に結果を出さ -
Posted by ブクログ
ネタバレ社会問題に関して、韓国は日本の数年遅れで直面化しているものと思っていたが、今や日本の不安な未来を先取りしている面もある。
・合計特殊出生率は0.98で、OECD加盟国で唯一1を切っている。平均初婚年齢も日本を1−2年越え夫33.4歳、妻30.6歳。未婚率も日本より数%高い。結婚の1割は国際結婚で、その8割は韓国人の夫と外国人(中国とベトナムで8割)の組み合わせ。
・近代化が急すぎて、高齢者の6割は無年金のままで、65歳以上の相対的貧困率は43%にも達しており高齢者の自殺率は著しく高い。にも関わらず社会保障のGDP比は11%(日本は22%、OECD加盟国平均は20%)
著者の見立てでは今後2