小松太郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
『R.U.R.(ロボット)』『絶対製造工場』『山椒魚戦争』など、人類のディストピアを描いたカレル・チャペック、その彼が園芸家として草花を愛でる日常を送っていた。それを知っただけでも心休まる。
訳者は小松太郎。ケストナーやハインリッヒ・ベルなどの小説の訳者として知られる。本書はドイツ語訳からの重訳だが、園芸に詳しいこともあって、本書も名訳だと思う。植物についての訳注も詳しい。原題『園芸家の1年』を、『園芸家12カ月』としたところもまたいい。
挿絵はカレルの兄のヨゼフ・チャペック。58のほのぼのとした線画。本文を読みながら、色鉛筆で彩色して(ぬり絵だね)、楽しんでしまった。 -
Posted by ブクログ
1年を通して園芸家の生態を紹介している本。
文体にちょっと皮肉っぽいところとか自虐ネタみたいなのもありそれがユーモラスで面白かった。
私は本が好きだけど買うだけ買ってなかなか読む時間が取れず積読になってしまったり、そういう本たちが増えて部屋のスペースが圧迫されてたりするので、作中に出てくる育てたい植物の種をあれもこれもと買った後に庭にスペースがないことに気づくっていうエピソードにすごく共感した笑
私はあんまりガーデニングには関心がないんだけど自分の知らない分野の趣味を楽しんでる人の話を聞くのが好きだから、この本からは園芸への情熱や愛が伝わってきてすごく楽しめた -
Posted by ブクログ
チェコの作家、カレルチャペックによる
園芸愛好家の一年のエッセイ。
園芸愛好家が毎月、庭のことについて
どんな事を考え、行動しているかが書かれていた。
園芸の事だから、牧歌的内容かと思いきや,
結構刺激的だった。
園芸家だからという訳ではなく、
感性、文章がとても刺激的で面白かった。
一つの事に夢中になっている人から
出てくる感性っていえのは、
やっぱり面白いなと思った。
私も庭を素敵にしたいと思ったけど、
この本で、本気の園芸愛を知り
私には無理だろうなぁと諦めの気持ちになった。
庭での作業は、
初めたら無心になったり,自然との対話で
生活や人との会話では出てこないような
考えが出 -
Posted by ブクログ
面白い!
まさかこれほどユーモア溢れ、小気味良い寄席のような面白い本たど思ってもみなかった!
現在の我が家は庭もなく、園芸と言えば4個のサボテンを何年も愛おしく育てている(サボテンの花は本当に美しいのです!)以外、何もしていないのだが…
そんなの全く関係なく楽しめる
熱心でマニアックで、少々偏屈オヤジの園芸エッセイだ
サブタイトルでも付けることを許されるのであれば、「頑固親父の園芸生活12ヶ月」…みたいな感じだ
間違ってもインスタに投稿されそうなオサレ女子の園芸生活とは全く違う!
また、憧れのイングリッシュガーデン手引書みたいなのとも全く違う!
とにかく表に出てくる花のビジュアルだけを大