小松太郎のレビュー一覧

  • 園芸家12カ月 新装版

    Posted by ブクログ

    『R.U.R.(ロボット)』『絶対製造工場』『山椒魚戦争』など、人類のディストピアを描いたカレル・チャペック、その彼が園芸家として草花を愛でる日常を送っていた。それを知っただけでも心休まる。
    訳者は小松太郎。ケストナーやハインリッヒ・ベルなどの小説の訳者として知られる。本書はドイツ語訳からの重訳だが、園芸に詳しいこともあって、本書も名訳だと思う。植物についての訳注も詳しい。原題『園芸家の1年』を、『園芸家12カ月』としたところもまたいい。
    挿絵はカレルの兄のヨゼフ・チャペック。58のほのぼのとした線画。本文を読みながら、色鉛筆で彩色して(ぬり絵だね)、楽しんでしまった。

    0
    2025年05月06日
  • 園芸家12カ月 新装版

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     園芸はやむにやまれぬ一つの情熱、園芸家は植物の名称を重んずる。園芸家は、経験と環境と自然の条件から生まれる。雨が降ると、庭に雨が降っている、と思う。日がさしても、たださしているのではない。庭にさしているのだ。日がかくれると、庭がねむって、今日一日のつかれをやすめるんだ、と思ってほっとする。カレル・チャペック(1890~1938、チェコ)「園芸家12ヵ月」、2020.8発行。12月の園芸家は、庭を眺める。そして、園芸カタログ、パンフレット、本、雑誌を。

    0
    2023年12月21日
  • 園芸家12カ月 新装版

    Posted by ブクログ

    私の持っているのは1997年改版の中公文庫、20年以上も前に園芸の楽しみを知り始めたころに「そうそう、そのとおり」と膝を打ちながら読んだ本。今もずっと庭仕事が好きでたまらず、赤ん坊を眺めていて飽きないのと同じにいつまでのみていたい庭である。明るいので窓辺に座って読書をしようと思っても庭に目がいってさっぱり進まないという困ったことになるのだ。文と兄ヨゼフの挿絵が一体となって実に楽しい。

    0
    2021年05月16日
  • 園芸家12カ月 新装版

    Posted by ブクログ

    1年を通して園芸家の生態を紹介している本。
    文体にちょっと皮肉っぽいところとか自虐ネタみたいなのもありそれがユーモラスで面白かった。
    私は本が好きだけど買うだけ買ってなかなか読む時間が取れず積読になってしまったり、そういう本たちが増えて部屋のスペースが圧迫されてたりするので、作中に出てくる育てたい植物の種をあれもこれもと買った後に庭にスペースがないことに気づくっていうエピソードにすごく共感した笑
    私はあんまりガーデニングには関心がないんだけど自分の知らない分野の趣味を楽しんでる人の話を聞くのが好きだから、この本からは園芸への情熱や愛が伝わってきてすごく楽しめた

    0
    2025年09月28日
  • 園芸家12カ月 新装版

    Posted by ブクログ

    固有名詞がたっくさん、ほんとたっっっくさん出てくるので、もっと植物に詳しくなってから読みたい!でもそんなん言ってたら一生読めんかもしれんから読んだよ。
    マニア特有の熱中を通り越した狂気がユーモラスに書かれてて楽しい。

    0
    2024年06月16日
  • 園芸家12カ月 新装版

    Posted by ブクログ

    チェコの作家、カレルチャペックによる
    園芸愛好家の一年のエッセイ。

    園芸愛好家が毎月、庭のことについて
    どんな事を考え、行動しているかが書かれていた。

    園芸の事だから、牧歌的内容かと思いきや,
    結構刺激的だった。
    園芸家だからという訳ではなく、
    感性、文章がとても刺激的で面白かった。

    一つの事に夢中になっている人から
    出てくる感性っていえのは、
    やっぱり面白いなと思った。

    私も庭を素敵にしたいと思ったけど、
    この本で、本気の園芸愛を知り
    私には無理だろうなぁと諦めの気持ちになった。

    庭での作業は、
    初めたら無心になったり,自然との対話で
    生活や人との会話では出てこないような
    考えが出

    0
    2024年04月11日
  • 園芸家12カ月 新装版

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    1月から12月までの園芸家の毎日が綴られているエッセイ。
    チェコの首都での植物の名前が260?くらいでてきて、知ってるのは少し。調べながら読もうとしていたけど追いつかない。
    旅行へいくにも庭の植物が気になって帰る日を指折り数えていたり。
    植物が好きなひとだけでなくなにかに熱中することの素敵さを感じた。
    書かれた時代は厳しかったようだ。

    0
    2024年03月30日
  • 園芸家12カ月 新装版

    Posted by ブクログ

    われわれ園芸家は未来に生きているのだ―。草花をこよなく愛したチェコの作家、カレル・チャペックが描く、園芸愛好家の幸福な熱狂に満ちた一年。そのユーモラスな筆致で世界中の読者を魅了し続ける、無類に愉快な名エッセイ。


    挿絵まであってとってもかわいい本

    0
    2022年04月19日
  • 園芸家12カ月 新装版

    Posted by ブクログ


    面白い!
    まさかこれほどユーモア溢れ、小気味良い寄席のような面白い本たど思ってもみなかった!

    現在の我が家は庭もなく、園芸と言えば4個のサボテンを何年も愛おしく育てている(サボテンの花は本当に美しいのです!)以外、何もしていないのだが…
    そんなの全く関係なく楽しめる

    熱心でマニアックで、少々偏屈オヤジの園芸エッセイだ
    サブタイトルでも付けることを許されるのであれば、「頑固親父の園芸生活12ヶ月」…みたいな感じだ
    間違ってもインスタに投稿されそうなオサレ女子の園芸生活とは全く違う!
    また、憧れのイングリッシュガーデン手引書みたいなのとも全く違う!
    とにかく表に出てくる花のビジュアルだけを大

    0
    2021年02月24日
  • 園芸家12カ月 新装版

    Posted by ブクログ

    園芸家のつぶやき&心の中だろうか。
    いやいやあるある。ちょいとでも植物を育てたら、痛い程わかるなぁ。
    ここまで、私はマニアックではないけど。
    フレーズが詩的だなと思ったら、著者は本業は劇作家でした。

    0
    2020年10月24日
  • 園芸家12カ月 新装版

    Posted by ブクログ

    「ロボット」という言葉を生んだカレル・チャペック生誕130周年。北海道より北に位置するチェコで晩秋来春の庭計画を夢見、牛糞堆肥を愛し、クロッカスに狂喜し、雑草と水撒きに格闘し、いつかはダリア、薔薇の新種を求め。酒も煙草もやらずガタイが良く品行方正なガーディナーの12カ月。植物を愛する姿が愛しすぎと園芸王子三上さんも大絶賛。

    0
    2020年09月02日
  • 園芸家12カ月 新装版

    Posted by ブクログ

    今でこそ園芸店で見かける草木の名前が
    たくさん出てました。
    イギリス園芸で一般的な植物がやっと100年程
    かけて日本にやって来たんだなぁと感慨深く思いました。
    今も昔も、園芸は裕福な人達の趣味で、庭の無い
    自分にはただ憧れるのみです。
    本の中に出てきた白いリンドウは、当時は存在してなかったけど技術革新の結果、今は存在してますよ〜とカレルチャペック氏に教えたい。

    0
    2025年06月29日