heisokuのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
この本の女子の主人公。29歳、中卒、恋人いない歴イコール年齢。友人なし。資格なし。バイト以外の職歴もなく、短期バイトを転々とする日々。頼れる人は誰もない。何もない人生。そして、この女主人公は、名前さえもない。あるのは、バイトの作業だけ。
主人公の女子は、イクラが好きだ。
イクラは、一粒一粒が生まれなかった命そのもの。その命をまるごと食べることは、感慨深いと思う。
その生命を自分のものにしている感じがするのだ。
味覚を刺激し、感受性を刺激し、生理現象を起こすことで、絶望的な思考を止める。それがイクラを食べることだ。最高の料理は、イクラローストビーフ丼。ふむ。そんなのがあるのか。
いくらより、な -
Posted by ブクログ
ネタバレ29歳、中卒、恋人いない歴イコール年齢と、主人公のプロフィールだけ見て陰鬱な内容なのかと思ってましたが、主人公が基本前向きなので気が滅入ることもなく読めました。性別を反転したらそんなことはなくなってしまいそうですが。この手の作品にしては珍しいほどの前向きさ(死にたいとか言わない)なので応援したくなるのもよかったです。
グルメ漫画かといわれると相当あやしく、おいしそうなものや食べてみたいと思えるものが出来合い品以外見当たらないのはどうなんだろう。冷おにぎりのおいしさは理解できましたが、わざわざ冷やして作るのか……。でも、ご飯を食べているときは幸せそうなので、まあ。
何回読み直してもそのたびに新し -
Posted by ブクログ
端的に言うと、重くて、仄暗くて、ザラついているストーリー
好きか嫌いか、で言ったら、嫌いではない、と言えるにしろ、他の食系漫画にある、読み手を幸せにする力があるか、は微妙
言い方は悪いかもしれないが、作者の精神状態が心配になる
ストーリーもそうだが、絵柄にも酷い刃毀れによって、逆に、刺した相手に激痛を与える包丁のような印象を受けた
ただ、こうやって、一冊の漫画として世に出る以上は、十分な支持を集めているってことだ
きっと、この内容と主人公のキャラクター性で、明日も頑張ろう、と一線を越えるのを堪えた人がいるのだろう
それならば、この『ご飯は私を裏切らない』は、漫画読みを裏切っていない
いるのか、 -
Posted by ブクログ
生き延びるグルメ
生きるか死ぬかの瀬戸際にあるといっても過言ではないのではないか? 《生き物の実態は死に物じゃないか》って、そんなことなかなかいへないよ。
中卒で、さまざまな派遣バイトをこなしながら生きる29歳女性のメシは、過剰なる自意識によって、一種哲学的な生きる考察まで踏みこむ。われわれはそれをあっけにとられて、しかしズバリ的を射たモノローグを観察するだけだ。
この作家は他のマンガでも定時制高校を舞台にしたり。底は底でも、底なりのハッピーやグレイにスポットライトを当てるので、残酷さみたいなものはまったくない。そこには肯定も否定もない。イデオロギーがないのがいい。 -
Posted by ブクログ
夜間定時制高校の教員です。学校モノのマンガは数あれど、定時制を舞台にしたマンガは珍しいので読んでみました。
主要キャラクターはみな個性が強調されている("らしさ"が光る)一方で、それぞれが抱えていると思われる困難はかなりライトに描かれているように感じました。そこを解像度を上げてしっかり描こうと思ったらそれなりのページ数が必要になるでしょうし、陰鬱な展開が増えるのは商業誌ではなかなか難しい気もしますので、その分キャラクターの背景が多少ボヤけて見えるところも感じられますが、総合的にはバランスよく描かれていると思います。
個人的には、もう少し教員との絡みがあれば自分が勤務している