端的に言うと、重くて、仄暗くて、ザラついているストーリー
好きか嫌いか、で言ったら、嫌いではない、と言えるにしろ、他の食系漫画にある、読み手を幸せにする力があるか、は微妙
言い方は悪いかもしれないが、作者の精神状態が心配になる
ストーリーもそうだが、絵柄にも酷い刃毀れによって、逆に、刺した相手に激痛
...続きを読むを与える包丁のような印象を受けた
ただ、こうやって、一冊の漫画として世に出る以上は、十分な支持を集めているってことだ
きっと、この内容と主人公のキャラクター性で、明日も頑張ろう、と一線を越えるのを堪えた人がいるのだろう
それならば、この『ご飯は私を裏切らない』は、漫画読みを裏切っていない
いるのか、どうかは判らないが、あえて、漫画を読んで欝な気分に浸りたい人がいるのならば、この単行本を開いてみるべき。多分、望んでいたモノが得られる。その後は、自己責任なので、私は関与しない
何様目線だ、と言われそうだが、一つ、高く評価できる点は、安易なハッピーエンドに着地していないトコだ。最初から最後まで、この主人公は、幸せになれず、かと言って、最悪の結末も迎えず、程よい不遇な日常のままで終えている
悪人でないのは断言できるけど、少なくとも、私は関わりたくないタイプだ。まぁ、あっちも私みたいな人間には接近しないだろう、ヤバい、と感じて
この台詞を引用に選んだのは、つい、苦笑しちゃうほど、世の真実を突いているな、と感じ取れたので
身も蓋もないのは確かだが、絶対にそうではない、と否定できないだけの説得力も有している
愛じゃ、心は一時、満たされるだろうが、腹は膨れず、体は動かなくなってしまう
人間、「食べたい」って欲を失わず、美味しいモノを食べた時に、ちょっとの幸せを感じられるなら、まだ大丈夫だ
この女性だって、何だかんだで、生きているんだから
「人間は、生きるために必要なものが多くて、もっと少ないと助かりますな。生物が生存するための必要最低限の要素は『二酸化炭素』と『水素』。とはいえ、これで生きていけるのは、バクテリアとかだろう。人間は、死んでしまう!人間にとって、本当に必要なもの、それは・・・・・・愛!・・・いや、ご飯だと思う」(by主人公)