イーディス・パールマンのレビュー一覧

  • 蜜のように甘く

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    この短編集の雰囲気を豊かさを、わたしの語彙力では表現むり。10篇のうち特に好みな「お城四号」「蜜のように甘く」は萩尾望都、山岸凉子、ヤマシタトモコ、よしながふみのみなさんがマンガ化してくれてほしい切望で、つまりそういう深さ美しさのお話なんです。

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    2020年07月05日
  • 蜜のように甘く

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    なんなんだろう、この人のよさは。現代の短篇小説家のトップに位置するうちの1人、と言って決して過言ではないはず。
    『初心』『従妹のジェイミー』『帽子の手品』が特に◎。しんみりじんわりというよりも、仄かなユーモアが漂ってきながらちょっと皮肉が浮かび上がってくるようなものが好きだな。

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    2020年06月11日
  • 幸いなるハリー

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    お気に入りの作家。この人はプロビテンス生まれ(アメリカの超北東)で、父ロシア人、母ポーランド人で、やっぱ辺境生まれの人(失礼か?)には強く惹かれる。物事や他人を測るものさしがオリジナルというか、よく「あたし帰国子女なんでえ」みたいにどこが偉いのかよくわからんことを自慢する人間に限って全然中身おもんない人間と違い、「人と違うことの苦悩、分かり合えない壁の存在」みたいなんを悩んでこねくりまわし、熟成させ、自分のものにした上で提供しているから、触れる価値あるし、これからも応援したい。

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    2022年05月30日
  • 幸いなるハリー

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    たくさんの世界を見せてくれた短編集

    生活に困窮した女性とその子どもたちのための食堂を舞台にした『救済』や、言葉を発することの出来ない人々を通じて社会の構造を考えさせられる『金の白鳥』が良かった。

    女性器切除や介護、死とそのまま扱ったら生々しい題材も、美しい表現で優しく包み込むと、主張はし続けながらも作品のなかに静かに収まるんだから、小説は本当にすごい。

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    2021年10月11日
  • 蜜のように甘く

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    表紙は御本人?いつものように予備知識なく手に取り、なんかヨーロッパっぽいのかなー、と思ったらプロビデンスの人だって。アメリカの超北東。しまった短編(苦手)だよ。これがいい短編だった。沢山この人の書く物読みたいと思わせるし、上手い。皆さん褒めてらっしゃるけど、もうね、嫌いな人はいないだろう。強烈な個性っていうんじゃないんだけど、なんかさ、ぼーっとお茶してる時に、誰か入店してきて、なんとも言えず素敵な人っているじゃん?余裕あって、こっちがジロジロ見てんのに気にしない人。そういう感じがした。うーん駄目な感想。

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    2020年11月12日
  • 蜜のように甘く

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    ネタバレ

    作者は短編小説の名手としてアメリカでは有名らしいが、不勉強で未知、初めて読んでみた。

    短編小説ってのは、無駄を省いて研ぎ澄ませるかみたいなとこも勘所だと思うのだが、この作家さんはその研ぎ澄まし方に味わいがあるタイプなのかと思う。訳者古屋さんの腕もあってそのすっきり研がれた文章はくどみがなくて気持ちよい。

    残念ながら感情移入できるタイプの話が少なく、印象に残りずらかったが、そこは好みの問題だけだと思う。

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    2022年11月20日
  • 幸いなるハリー

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    イーディス・パールマンが、2015年に発表した、5作目の短篇集「Honeydew」は、私が以前に読んだ、「蜜のように甘く」と本書が合わさった、全20篇で構成されており、「蜜のように~」が好きな方にとっては、まさに待望の一冊だと思います。

    バラエティに富んだ、多種多様な人生模様のひとこまから突如として現れる、テーマの感慨深さも同じものではなく、特に大きな盛り上がりをせず、完結したように見えても、実は内に秘めた思いであったり、願いであったりと、込められたものの強さを見出す喜びの詰まった、短篇集だと思います。

    が、私には人生経験が未熟であるせいか、読解力が足りないのか、それが分からなかった作品が

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    2022年06月04日
  • 蜜のように甘く

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    必要最小限の簡潔な文章が心地よい。
    無駄を削ぎ落とされすぎて
    登場人物たちのつながりや背景がつかめず
    まれに戸惑うものの
    読みすすめるうちにそれらを
    より明確に深く濃く感じることになる。
    あえて書かないことの奥深さ。
    読む人にゆだねる潔さ。
    大きな出来事は何も起きず
    この不幸ではないものの
    何かが足りないような
    光とともに影がずっと漂っている状態こそ
    日常というものなのかもしれない。

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    2021年01月19日
  • 蜜のように甘く

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    日常のさり気ない描写から現れる、人間の心の機微が、最初は何とも思わなくても、もう一度読んだときに、愕然としてしまうような、物語の変貌ぶりが印象に残りました。

    また、物事の見つめ方がニュートラルである分、読者それぞれの感じ方で入りやすかったのと同時に、見えない裏の部分を解釈させる難しさも感じ、短篇の内容によって、私の好みも分かれました。

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    2020年10月27日