木内岳志のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
彼の言葉を読み終わってもなお、なぜ彼でなければならなかったのか神に問わざるを得ない。彼は病が自分の大切な人でなく、自分に起きて良かったと言った。でも私は彼の紡ぐ言葉にまだ触れていたかった。SNSで文章を読むと、書き手の存在が身近に感じられ時間的、空間的にリアルに迫ってくる。それ故に「がんになって良かった」という言葉は批判を受けた。言葉の裏にあるものを受け止めようとしない浅い批判。私を含め多くの人は良くも悪くも彼のいた次元に生きていないのだ。本という媒体を通して改めて読むと、彼が遠く感じられ、それがとてつもなく悲しかった。彼は本当に遠くにいってしまったのだから。私はきっとこの先何度もこの本を読み
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購入済み
生ききるために。
亡くなるならガンも悪くないと思ったことがあるし、それをガン患者に伝えたこともある。失礼だし、何も分かっていないヤツが何を言うって我ながら思う。友人の配偶者が突然死した際、遺影は結婚式の写真だわ、現実を理解するにはあまりに幼い子たちがお通夜で迎えてくれるわ、を目の当たりにしたことによるものが大きく、その考えは読後の今も大して変わってはいない。文字通り生ききった彼のご冥福を心よりお祈りするとともに、ガンで亡くなる可能性がなくもない自分が逝くときに少しでも彼のように生ききることができるよう、生活を整えていかなければと再認識した。
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Posted by ブクログ
「生」と「死」の狭間を何度も行き来してきたからこその言葉の重み、そして深さがあった。
ところどころあまり理解できない部分があり、その点に関して生涯理解できないままなのかもしれない。
なぜなら、山口さんのような経験をこれから必ずするとは言えないから。
逆に共感をしたポイントであれば、部分的に自分の人生を客観視できたところである。
山口さんの経験と比べてしまえば、自分の留年なんて本当にしょうもない事であるが、自分の将来、そして今を見つめ直す良い機会になったと思う。
ただ、留年をしても友達と学年が変わるだけである。
生死を彷徨いながら、健康的に生きている一般人には想像も出来ない過酷な経験をして -
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Posted by ブクログ
タイトルの最後の「と言いたい」の部分が、大切なのだと感じた。
何度も白血病が再発したり、肺炎を患ったり、多くの友人知人を失う中にあって、極限まで経験したからこその、「と言いたい」なのである。読めば分かるが、本気で「がんになってよかった」とは思っていない。ただ、彼はこうも言う。「他の大切な人や家族でなくて、自分で良かった」と。そして、「がんになったからこそ、分かったことや出会った出来事があった」と。
筆者は生きるために懸命に治療に耐え、そして今年の6月に残念ながら亡くなってしまった。
3度目の白血病によってである。
自分としては、亡くなる前に読みたかったが、かなわず残念であった。
飽くなき生へ -
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Posted by ブクログ
Twitterをずっとフォローしていて、応援していました。
まず難しいがんになって、次に白血病。そして再々発。
苦しい治療、闘病を続けながらも、勉強を続け、京大を卒業。そして大学院に進学。
亡くなる少し前も病室で授業を受けていました。
長い間のかなり酷い体調不良の中でも、ネット上で様々な発信を続け、社会に呼びかけていました。そして、時には誹謗中傷に対しても闘っていて、身体に触るのではないかと心配になっていました。
この本は少し前に出版されたもの。
NHKの番組になっていたようです。
ブログがもとなっているもののようですが、普通の闘病記ではありません。山口さんの人生への向き合い方が深い文章で表現 -
Posted by ブクログ
ネタバレ星5つという評価をして良いのかは分かりません。評価するべきものでは無いのだと思いますが、多くの人に知ってもらうには、星5つの方が良いのだと思い、付けています。雄也さんが亡くなる前からSNSをフォローし、この書籍も購入していました。読み終えたのは、雄也さんが亡くなってからです。
出会ったことも話したことも無かったのに、「雄也さんには生きて欲しい」とずっと願ってました。神様はいるのでしょうか。何とも言えない気持ちです。私は雄也さんと同年代です。幸いにも私は、身体に何も起きず平凡な毎日を過ごしています。以前から「死」について人よりも多く考えることが多いタイプの人間ですが、この本を読んで改めて、毎日何 -
Posted by ブクログ
著者、山口雄也さんを知ったのは、偶然目にしたあるブログだった。数十万人に一人が患う胚細胞腫瘍という珍しい癌になった彼は、当時まだ19歳の大学生だった。
彼の文章は、どこか人を惹き付ける力を持ち、私は見も知らぬ彼がどんな人なのか知りたくなり、時折思い出しては、彼の二つのブログを読んでいた。
手術は上手くいったものの、暫くすると今度は白血病が彼を襲った。
死を意識せざるをえない病になり、どんなことがあっても生き抜いてやるという覚悟、そしてこれからどんな風に生きるべきかを、彼は死への恐怖と葛藤しながらも、自分の胸の内を吐露するように、この本で書き綴っている。
ただこの本は闘病記ではあるが、苦しい闘病 -
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