善教将大のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
・民度は政治的文脈でも使われる。
①政治に対する積極性。「投票率が高いと民度が高い」
②政治選択に関わる方向性の違い。「A党支持者にとって、A党を支持する地域は民度が高い」
・後者が、この本の分析で分かったこと。党派性と民度が結びつく。無党派層の多い日本では意外かもしれないが。そして、「否定的党派性」にも目配せすると、実は党派性に基づく判断を人々はしている。
・特に中選挙区制から小選挙区制の選挙制度の変化は、政党の復活に寄与している。党派性を生み出した。
・党派性に基づく判断は悪くないかもしれない。しかし、寛容性を失うと分極化にもつながる。
・ただ、それを「意識」の問題に帰結しないこと。
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Posted by ブクログ
「民度」をキーワードに、様々な方法論やデータを駆使した分析を行い、日本の民主主義の現在地を描き出す。
自分は「民度」という言葉を聞いたことも使ったこともあるが、それは政治的な文脈の中だったので、「民度」という概念は政治的性格を帯びて用いられてきたという本書の主張には納得であり、辞書や生成AIによる「民度」の説明には政治的な意味が出てこないというのがむしろ意外だった。
投票率と参加コストの関係、否定的党派性の議論、若年層の政治的態度・能力についての実態とイメージの乖離など、取り上げられているトピックはどれも興味深く、また、日本政治の今後を考えるに当たって示唆に富んでいた。(ただ、若年層が一定の政 -
Posted by ブクログ
ネタバレちょっと評価が難しい。
「民度」という言葉について深く検証された点は大いに評価したいけれど、結論は事前のイメージ通りで、認識が刷新されるようなことはなかった。
ただ、そう言ってしまうことで本書の評価を下げたいわけでは決してなく、それどころか「民度」という、とても曖昧な語義のまま不快な使用シーンばかりが広がる(それこそ「民度の低い」使われ方をされがちな)言葉について、真正面から向き合ってくれた功績は大きい。
何よりも、印象論や一部の事例の恣意的な引用によってではなく、きちんと設計された調査に基づいて論考されているところが、「民度」という言葉を取り扱うに当たって真っ当というか、隙を見せない感じ -
Posted by ブクログ
国語辞典と生成AIの説明をまとめると、民度とは近代化に伴う文化・文明の進歩の程度、ルールやマナーの遵守の度合いという意味がある。
筆者は「民度」は政治的文脈でも古くから使われてきたという。1章かけて政治的に使われてきた用例やアンケート結果からそれを証明していくのだが、政治的に使われているかどうかはどうでもいいのでは…?と思ってしまった。差別的に使われすぎていて、正直あんまり好きな言葉じゃない…。
とはいえ本書の主題は、世界的に民主主義の危機といわれる現在において日本の民主主義がどうなっているのか、日本の民主主義を機能させるためにはどうしたらいいのかということにある。
投票率の高さは民度の高さ -
Posted by ブクログ
データを真摯に分析し、党派性が認知に影響を与え、陰謀論の受容などを引き起こしている点を明らかにしている部分は優れている。ただし、2024年の斎藤元彦出直し兵庫県知事選について、有権者は斎藤元彦のハラスメントなど県知事の資質を問うたのではなく、その政策を評価して投票したのであるから民度が低いとは言えないと結論を出している。その理由は斎藤元彦が県立大学の無償化に前向きであり、稲村陣営は反対であったからだと結論づけているが、稲村陣営が県立大学の無償化に反対したのは若者支援への財政支出の懸念ではなく、一部の大学のみを無償化する支援の偏り、公平性の欠如への反対であり、財政支出に関しては一貫して賛成であっ