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人々の生活や文化程度、民主政治への成熟度を意味する民度。 本書は民度をキーワードに、日本の政治の現状を描く。 さまざまなデータや方法論から、投票参加、党派性、投票行動、若年層の行動、テレビ・新聞といったマスメディアや、大きく擡頭するソーシャル・メディアの影響などをトピックとして取り上げ分析。 日本人の政治意識・行動を追う。いま世界で危機に瀕する民主主議。 分断とポピュリズムの波は日本まで来たのか。 その「現在地」を描き出す。
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Posted by ブクログ
「民度」をキーワードに、様々な方法論やデータを駆使した分析を行い、日本の民主主義の現在地を描き出す。 自分は「民度」という言葉を聞いたことも使ったこともあるが、それは政治的な文脈の中だったので、「民度」という概念は政治的性格を帯びて用いられてきたという本書の主張には納得であり、辞書や生成AIによる「...続きを読む民度」の説明には政治的な意味が出てこないというのがむしろ意外だった。 投票率と参加コストの関係、否定的党派性の議論、若年層の政治的態度・能力についての実態とイメージの乖離など、取り上げられているトピックはどれも興味深く、また、日本政治の今後を考えるに当たって示唆に富んでいた。(ただ、若年層が一定の政策的知識を持っていることの根拠が「選択的夫婦別姓」の内容を知っているかということだったが、それは字面からも十分推測可能であり、根拠として弱いのでははないかなど、分析の妥当性に疑問のある部分も少しあった。) とりわけ、2024年兵庫県知事選の分析が印象深かった。自分も2024年兵庫県知事選の結果に大いにショックを受けた一人だが、有権者の多くは政策に基づいて投票先を選択していた可能性が高いとの指摘にははっとさせられた。一方で、同選挙では、有権者の間での感情的分極化が相当程度高まっていて、認知の歪みや陰謀論の受容につながっていたという指摘には、やはりなと思うところがあった。この2024年兵庫県知事選から得られた知見や教訓も踏まえ、著者の言うように、我が国における「民度」を問い続けることが必要であろう。
民度という言葉を入口に選挙における有権者の動向とか社会調査の方法とかも知れて面白かった。2024兵庫県知事選を分析した章もある。何となくこうだろなーと思っててそのとおりやったことと、こう思ってたけど実際はちゃうんやーとが両方あって、そのどちらもデータの分析で示されてて気持ちいい。党派性とか陰謀論とか...続きを読むに関しては現状そのとおりだよなーと。アメリカに比べればマイルドかも知れないけど時間の問題のような気もする。
「民度」なるふわふわした言葉で現象を説明づけようとすることへの警戒心が高まる一冊。兵庫県知事選の分析は、異論もありそうだが面白かった。
「民度」という言葉の起源・意味から、政治と民度の関連性を考察するもの。民度を中心に日本の政治に対する態度や考え方の課題が見えた気がする。 特に関心を持ったものとして、2024年兵庫県知事選を題材とした感情的分極化と陰謀論的言説の受容との関係性を解説したものが挙げられる。感情的な差異が陰謀論の受容...続きを読むに繋がるとは、なんとなく理解できるものの、実際に数字として現れるとインパクトがある。 若年層の民度と投票率や党派性と意思決定など、どれも今後の日本政治を考える上で、重要な要素が散りばめられていると感じた。
実証的なのに分かりやすい良著。党派性のことなる国民同士の理解が民主主義を安定化する要件だと確認できた。政治学の入門書としても優れている。
国語辞典と生成AIの説明をまとめると、民度とは近代化に伴う文化・文明の進歩の程度、ルールやマナーの遵守の度合いという意味がある。 筆者は「民度」は政治的文脈でも古くから使われてきたという。1章かけて政治的に使われてきた用例やアンケート結果からそれを証明していくのだが、政治的に使われているかどうかはど...続きを読むうでもいいのでは…?と思ってしまった。差別的に使われすぎていて、正直あんまり好きな言葉じゃない…。 とはいえ本書の主題は、世界的に民主主義の危機といわれる現在において日本の民主主義がどうなっているのか、日本の民主主義を機能させるためにはどうしたらいいのかということにある。 投票率の高さは民度の高さの度合いとして語られるが、投票所の減少、三ヶ月ルール、不在者投票制度の煩雑さなどの投票コストの高さが投票率を下げている部分が大きいという。 また、強固な党派性の問題点や若年層は政治的知識に疎く政治的関心が薄いのか?という疑問を検証していきます。 兵庫県知事選についても検証されています。兵庫県民の民度が疑問視されたり様々な混乱があった選挙だが、実は県民は政策で選んでいるということを明らかにします。兵庫県知事選については、自分が感情的に見すぎていたことを反省しました。ただ、斎藤知事の公益通報保護法違反で人が亡くなっていることには全く触れられておらず(パワハラや二馬力選挙についても僅かしか触れられていない)、それで有権者は冷静に選んでいるのに外野が感情的だ…とはあまり思えず、検証の余地がある気がしました。
データを真摯に分析し、党派性が認知に影響を与え、陰謀論の受容などを引き起こしている点を明らかにしている部分は優れている。ただし、2024年の斎藤元彦出直し兵庫県知事選について、有権者は斎藤元彦のハラスメントなど県知事の資質を問うたのではなく、その政策を評価して投票したのであるから民度が低いとは言えな...続きを読むいと結論を出している。その理由は斎藤元彦が県立大学の無償化に前向きであり、稲村陣営は反対であったからだと結論づけているが、稲村陣営が県立大学の無償化に反対したのは若者支援への財政支出の懸念ではなく、一部の大学のみを無償化する支援の偏り、公平性の欠如への反対であり、財政支出に関しては一貫して賛成であったはず。このミスリードによって歪められた投票行動にメスを入れていない点はかなりマイナス。もう少しデータの扱い方を考える必要があったのではないだろうか。
民度について辞書からの説明から始まり、ネットによるアンケートとその分析を行っている。民度を政治、特に選挙についての意識調査を年齢や学歴などで分類している。
ちょっと評価が難しい。 「民度」という言葉について深く検証された点は大いに評価したいけれど、結論は事前のイメージ通りで、認識が刷新されるようなことはなかった。 ただ、そう言ってしまうことで本書の評価を下げたいわけでは決してなく、それどころか「民度」という、とても曖昧な語義のまま不快な使用シーンば...続きを読むかりが広がる(それこそ「民度の低い」使われ方をされがちな)言葉について、真正面から向き合ってくれた功績は大きい。 何よりも、印象論や一部の事例の恣意的な引用によってではなく、きちんと設計された調査に基づいて論考されているところが、「民度」という言葉を取り扱うに当たって真っ当というか、隙を見せない感じがして好印象だった。 著者は別にこの言葉に興味があるわけではなく、編集者の依頼で5年がかりで書いたのだという。 40代前半で関関同立の教授になるだけあって、仕事に真摯な人なんだろうと思った。
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民度―分極化時代の日本の民主主義
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