阿久津隆のレビュー一覧
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とても良い読後感。本を愛する人、読書を愛する人に向けて「僕もだよ。僕も読書が大好き!貴方もですか?一緒ですね!嬉しいです!」と幸せを振りまいてくれているような本だ。
文字の流れに浮かんで行間に沈んで時折本から目を上げて一人現実に戻るような読書を愛する人達への本。全体的にそれは感じていたのだが、特に実感したのが、あとがきにこの本を読んでいる人間が発行からどれ程後にこの本を読んでいるかわからないからこそ、発行時(2020年)の著者から今現在の読み手へのコメントがある事。
書き手と読み手との時差に思いを馳せるのも読書の楽しみではある。手元に置いておきたい本かも。でも物語ではないので読み返すというのと -
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だいぶ共感できるところが多かった本。
自分自身は、そこまで「本を読む環境」にこだわる感覚は筆者ほどない(すぐ妥協する)けれど、たしかにシチュエーションと読書体験がマッチしたときの幸福感はわかるし、それを阻害するものに敏感になる感覚もわかる。
おそらく社会の多くの人からすると「読書体験を求めてこじらせすぎ」に映るのではないかと思う。帯にある片桐はいりさんの「書を携えて、街に出る。人が人といてひとりになるためにいはこんなすったもんだが必要なんですね」というコメントも、「ぶっちゃけ呆れてんじゃん?」と思ったりもした。
が、筆者はそんなこと十分にわかっている。わかっていて、その上で、自分のように読書を -
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ネタバレフヅクエ阿久津さんの日記はどちらも読んでいたところ、気になっていたこちらも読み終えました。阿久津さんはきちっとロジックを詰めていらっしゃってでもそれがひとに押し付けるような苦しいものではない。映画館や野球場があるのなら「本を読むための場所」があってもおかしいことではない、まったくそのとおりだった。みんなハッピーならいいけれども、そうじゃなくていい、という潔さにどこまでもついていきたい。あと、ブックカフェの違和感について、言語化していただいてありがたい気持ちです。
引用してらっしゃった江國香織の小説はわたしも好きな場面。読書というのは排他的な行為。
個人的には、雑に使えない場所(意訳)というのに -
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趣味が読書であるというと、この本にも書かれている通り、どこか高尚な趣味で真面目な印象を持たれてしまう。それを言われて僕は、どこか優越感に浸る部分があるが、内心漫画や映画と変わらないんだけどなと思うところもある。それを阿久津さんは代弁してくれている。もっと読書がとっつきやすいものであることをわかって欲しいではないけど、知っておいて欲しいな。何様なんだという話だけれど。
2部においてはフヅクエのルールや料金体制に対する話が書かれていた。本を読むための店、どこまでをルール化するかが非常に難しいけれど、すごく絶妙なバランスで決められているんだなと思った。またフヅクエの説明やメニューが書かれているものも -
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最初は自意識をこじらせたような文体に戸惑った。読書に対してナイーブすぎるとも。
日常生活の細々したことを意識してしまうせいで読書が中断される話が出てくる。
我が身に置き換えて考えると労働さえなければ読書はいくらでもできると思う。労働のせいで自由な時間が制約されるし、やることが増えるし、読書中も頭の片隅から消せない。『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』もそういう内容だった。
本を読める理想的な店ってどんなだろうと考えるとたしかにフヅクエみたいなあり方になるのかもしれない。オーダーごとに小さくなっていく席料はいいアイデアだと思った。
読書は孤独な行為、それをフヅクエという場があるおかげで -
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ネタバレfuzkue には何度も何度も行っているので、この本に書いてあることはとてもわかるというか、本書にも収録されている、あのメニューに書いてある内容をものすごく丁寧に細かくするとこの本になるんだろうな、という感覚で読んでいた。
前半は同意半分、ブックカフェの人などにちょっと同情しながら読んだのが半分。外で本を読める場所、それも確実に読める場所って基本的にないと思っていて。ブックカフェもそう、本のあるカフェ、という程度で、読める場所だなと思った経験はほとんどない。が、全国探せばきっとあるのだろう、読んでほしくてブックカフェやってる人もいるんだろうきっと、という思いで若干の同情がある。
後半はある -
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まだ読み終わってないんですけど、
書いちゃう。もう書いちゃう。
溢れ出てくるこの想いが止まらないから書いちゃう。
良い本に出会った。
京王線初台にある「fuzukue」という
お店の店主阿久津隆さん著の本。
読書好きの読書好きによる読書好きのための読本。
かのアメリカ大統領エイブラハム・リンカーンも
このようなことを言っていた気がする。
まだ読み進めて数十ページにしか満たないが
共感しすぎて首がもげそうだ。
本を読むぞと意気込んでお店に入ると
周りの話し声が気になってしまったり
店員さんの一挙一動に気を取られてしまう。
挙げ句の果てには読んでる物語の中に
店員さんが出てくることが