本の読める場所を求めて

本の読める場所を求めて

1,760円 (税込)

8pt

本を、読む。こんなシンプルなことが、どうして放っておかれているのか。

「書を携えて、街に出る。人が人といてひとりになるためには
こんなすったもんだが必要なんですね」
――片桐はいり(俳優)


本はあっても、読む場所がない!
家でもカフェでも図書館でも……ゆっくり読めない。街をさまよう。
だから、「今日はがっつり本を読んじゃうぞ~」と思う人たちが
心ゆくまで「本の読める」店、「fuzkue(フヅクエ)」をつくった。
本と、光さえあればできるはずのものが、どうしてこんなに難しいんだろう?
心置きなく、気兼ねなく本を読むためには、なにが必要なんだろう?
なぜか語られてこなかった「読む」「場所」をめぐって、
ストラグルし、考えぬいた先に見えてきたものとは?
大部の『読書の日記』に綴る読書の喜びで人を驚かせた著者が、
ユーモアを織り交ぜた文体で小説のように書き記す。
「読書」を突き抜けて、「場づくり」「孤独」「文化」「公共」まで眼差す。
――きれいごとをちゃんと欲望しよう。

「もし映画館がなくて、小さな画面としょぼい音響でしか映画を観ることができなかったら。もしスキー場がなくて、野山を一歩一歩自分で登ってでしか滑ることができなかったら。もしスケートパークがなくて、注意されたり迷惑顔をされたりするリスクを常に抱えながらしか遊ぶことができなかったら。心置きなく没頭できる場所を抜きに、それぞれの文化の裾野は、今のような広さにはなっていないはずだ。
〔…〕だから読書にも、そういう場所があったほうがいい」(本文より)

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本の読める場所を求めて のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    とても良い読後感。本を愛する人、読書を愛する人に向けて「僕もだよ。僕も読書が大好き!貴方もですか?一緒ですね!嬉しいです!」と幸せを振りまいてくれているような本だ。
    文字の流れに浮かんで行間に沈んで時折本から目を上げて一人現実に戻るような読書を愛する人達への本。全体的にそれは感じていたのだが、特に実

    0
    2025年06月28日

    Posted by ブクログ

    だいぶ共感できるところが多かった本。
    自分自身は、そこまで「本を読む環境」にこだわる感覚は筆者ほどない(すぐ妥協する)けれど、たしかにシチュエーションと読書体験がマッチしたときの幸福感はわかるし、それを阻害するものに敏感になる感覚もわかる。
    おそらく社会の多くの人からすると「読書体験を求めてこじらせ

    0
    2024年06月09日

    Posted by ブクログ

    頭がもげそうになるくらい、頷きたくなるような本だった。
    ただ楽しみたくて、その世界に浸りたくて読む。
    何処でも読書なんてできると思われがちなゆえに、蔑ろにされやすい読むという行為。
    大切に、贅沢に、自分を労り、本を敬う。
    その姿が「まるで祈りのよう」で、「本を読む人は美しい」と感じる著者の、どこまで

    0
    2024年03月20日

    Posted by ブクログ

    再読。読んでは行きたくなる場所、フヅクエ。最初に行くときは、体調や気持ちを整えて、じっくり読む本を見繕って、予約もしちゃおうかな。と気持ちだけが昂る。住まいからちょっと遠いので、まだ憧れの場所のまま。再読したら、あぁ、ここで働きたい。こんな店をやりたいという気持ちが強くなった。年齢的に現実になること

    0
    2023年09月06日

    Posted by ブクログ

    ネットでフヅクエの画期的な仕組みを知り、この本に辿り着いた。期待以上におもしろかった!本好きと、業種を問わず経営に携わる方にはぜひ読んでほしい一冊。自分がお店を持つなら、いい人が損をしない仕組みを作りたいと強く思った。
    いつか地方にもフヅクエが出来ますように!

    0
    2023年06月03日

    Posted by ブクログ

    街に本を読む場所がない話は、その具体例も含めて大いに賛同。
    だからこういう店(fuzkue)始めましたとなると、360度どこにもスキがないようにするためか、具体例がくどくも感じた。でもやっていることには賛同。
    本を読むことに真摯な姿勢が心地よい。

    0
    2022年09月17日

    Posted by ブクログ

    趣味が読書であるというと、この本にも書かれている通り、どこか高尚な趣味で真面目な印象を持たれてしまう。それを言われて僕は、どこか優越感に浸る部分があるが、内心漫画や映画と変わらないんだけどなと思うところもある。それを阿久津さんは代弁してくれている。もっと読書がとっつきやすいものであることをわかって欲

    0
    2021年04月11日

    Posted by ブクログ

    本をがっつり読みたい時に、意外と本を読むのに適した場所がないということを語った本。ここのところ自分がぼんやりと思っていたことを全て吐き出してくれてスッキリした。そして、本の読める店を作るに至るストーリーも読むことができ、面白く参考になった。

    0
    2021年01月11日

    Posted by ブクログ

    1度しか行ったことがないけど、とにかく居心地良くて、本が気持ちよく読めた「本の読める店」Fusukeできるまで。そしてこれから。
    どのような考えの末にあのお店が生まれたのか、どういう考えであの空間が保たれているのか。
    面白かった。

    0
    2020年07月31日

    Posted by ブクログ

    最初は自意識をこじらせたような文体に戸惑った。読書に対してナイーブすぎるとも。

    日常生活の細々したことを意識してしまうせいで読書が中断される話が出てくる。
    我が身に置き換えて考えると労働さえなければ読書はいくらでもできると思う。労働のせいで自由な時間が制約されるし、やることが増えるし、読書中も頭の

    0
    2025年05月21日

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