藤井雄一郎のレビュー一覧
-
-
Posted by ブクログ
ネタバレ日本のラグビーには地熱がある。数は多くはないかもしれないが、ラグビーのことが好きで好きでたまらない熱いファンと現場の人たちが、日本代表の氷河期を支えていた。企業に例えるならば、大西鐡之助や宿沢広朗という稀有な指導者の手腕によって何とか世界に一矢を報いるも、その後のグローバル化とプロ化の波に見事さらわれ、一気に瀕死の状態に陥り、復活の兆しが見えない状態になってしまっていた。それでも、地下での熱は消えなかった。上層部は腐っているが、現場の熱い意志と努力と技がまだかろうじて灯火を消さずに、燃え続けていた会社のように。そこに変化を加えたのが、部長クラスといえばいいだろうか?中間層が改善を重ねたトップリ
-
Posted by ブクログ
2019年ラグビーワールドカップ日本大会での日本代表の活躍の軌跡を日本ラグビーフットボール協会強化委員長の視点から描かれている。ジェイミー・ジョセフヘッドコーチが就任するまでのいきさつや、日本代表選手やスタッフの中で軋轢があったり、まとまりの欠けていたりで、表面からでは伺い知れない裏側の話、本音の部分が知れた。あらゆるスポーツの国を代表するチームをまとめるって、相当大変なんだろうが、ラグビーに関しては海外に比べてシステムや育成の部分でだいぶ遅れをとっているように改めて思った。とはいえ、ワールドカップで戦った選手、ワールドカップに関係した人々に、本当にお疲れ様、ありがとうと言いたい。
-
-
-
Posted by ブクログ
ONE TEAMは確かにビジネスに多用されてて
そこの引きを狙ってのタイトルなのかもだけど。
当然学びは沢山あったけれど「ビジネスに活かす!」とかより、
まずは純粋に、ラグビーワールドカップで起きていたことを紐解く文章として楽しめた。
まあ、無理矢理繋げなくても結局全部勝手に繋がっていきはするんだけど。
日本代表が求める「タフさ」は、日本でよく尊ばれる「より多くの練習量に耐える事」ではなく「高いレベルや想定外が押し寄せる中で、自我を保ってパフォーマンスを維持出来ること」ってとこ、これに尽きるなと思った。
後は、日本社会への提言とか私の考える組織論とかに寄り道せず、最後まで「日本の今後の -
-
-
Posted by ブクログ
ネタバレ奇跡ではなく、軌跡。
もちろん、「もう奇跡とは言わせない」とNHKの豊原アナが叫んだからではない(2019/9/28 対アイルランド戦)。
「ラグビーワールドカップ2019、日本代表の活躍とその舞台裏を歴史に残す一冊」と紹介文にあるように、スタッフである藤井/薮木が綴る、“知られざる”軌跡が記されていて、読み応えあり。
著者のひとり藤井雄一郎氏は、同郷の奈良出身だ。ジェイミージャパンの強化委員長を務めたが、それ以前に、ジェイミーとは家族ぐるみの仲良し。ジェイミーのオフの部分を伝える記述が、他に例を見ない良いところ。
もうひとりの著者、藪木宏之は、明大から神戸製鋼と、同世代としてその