マイケル・ポーランのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
幻覚剤(サイケディリクス)についての概念が一変する内容。
LSD,サイロシビン、MDMA、ペヨーテなどがその範疇に入る。
幻覚剤には乱用に至るとか依存性が強くあるなどと我々は認識しているが、それは無いのである。
幻覚剤を活用することで「うつ病」や「依存病=アルコール依存など」の治療そしてがんの末期患者の恐怖を取り除くなど「精神疾患」全般の治療に役立つとの認識が世界では高まってきている(日本は希薄)ということが詳しく説かれている。
ヒトの脳の構造を解き明かすルートとしも幻覚剤の研究は大きな糸口を得ることにつながる可能性が強いなど。
この本は、有益で極めておもしろい。 -
Posted by ブクログ
興味深い!マリファナアヘンコカイン覚醒剤等とは違いLSDは依存性ゼロ、脳の知覚機能へ一時的に「サイケデリック」に作用するだけで、LSDを服用した人はみな救済を体験し、サイケ体験はターミナルケアや精神疾患の治療に役立つ、というもの。
治療薬として効果のある幻覚剤の成分構成と脳機能との化学反応など専門的な記述もあるけど全体としてちゃんと読める。そしてここでも邦題より原題(How to chage your mind) のほうが内容に沿っているんだよな。。だって最初から「役に立つ」前提で話が進むんでるしさ。。。まあこのタイトルだとスピリチュアルの棚に並びそうだけども。。 -
Posted by ブクログ
★脳を揺さぶる科学と導く人間のノウハウの間★覚醒剤や麻薬、LSDの区別がよく分からないが、LSDやシャーマニズムで使われるマジックマッシュルームのようなものは中毒性はないという。
幻覚剤にはかつて米国の医療分野などできちんとした研究の蓄積があったがサブカルとして広がった反動で抹消されてしまったという歴史、自らによる体験、脳科学の分野からの研究、トリップを生かした終末期や依存症のセラピーと、一人称を交えたノンフィクション。
脳の分析からは、スピリチュアルジャーニーは生活を送るうえで効率化した脳の設定(デフォルトモード)に対しエントロピーを増大させることで、秩序を揺るがせると紹介する。ふだんはつながらない脳の各部分がつながることで、共感覚のような状態が生じる。子どものころの脳の環境にも似ている。それが凝り固まった自我をゆさぶり、超越的な視点を得られるのではないかと指摘する。ただし純粋に科学的な反応として生じるわけではなく、環境やサポートする人、神秘体験中に見たものを整理する振り返りがしっかりしていないと、バッドドリップになる可能性もあるという。
著者が前半でウィリアム・ジェイムズの引用として指摘していたが、神秘体験の特徴は4つのサインがあるという。「言葉にしようがない」「認識的性質(体験を絶対的に確かなものととらえる)」「暫時性(神秘的状態は長続きしないが記憶に残って何度もよみがえる)」「受動(至高の力によってわしずかみされる)」。この理由の説明がなされていたかは結局よく分からなかった。神秘体験は視覚で響いてくるというが、盲目の人にはどう感じるのだろう。
幻覚剤の作用がどこかでインドのヨガなどと通じるのは、神を信じる宗教性と絶対神を持たない人のそもそもの差のようにも思える。本書でも指摘しているように、幻覚剤を使わなくても同じような体験はできるそうだ。しかし日本で医療用として使われる未来は大麻の扱いを考えても遠いだろう。米国での大麻合法化がどういう影響を生んでいるか気になった。 -
Posted by ブクログ
やはり法的にも問題がなく日頃から馴染みのあるカフェインの章が最も楽しめた。
カフェインの効果と飲み物を結びつけて好きだと思わされるように動機づけを受けている話はとても興味深くて、夢中で読んだ。
カフェインが効いている間、眠気を誘う物質の受容体がハイジャックされて効果を感じないものの、その間もその物質自体はどんどんと溜まっていっているから、カフェインが切れた時にはどっと疲れを感じるというのは体験からもよくわかることだった。
とはいえ、著者の立場として、だからやめた方がいい、ということではないし、常にそれが手に入り依存している状況を不快に思わないなら、それは別に問題じゃない、という表明をしているのもなんだか新鮮な感じがして良かった。
アヘンによる考えすぎてしまう脳を鎮静させて結果として幸せな気持ちになるという感覚や、メスカリンによる自ら対話の殻を閉じてしまっているものを開いて新たな視点から物事を見るという感覚についての話を読めたという点では面白かった。
が、気持ち少し長かったかなあという感じ。そのものズバリで知りたいという気持ちがあって読むのであれば最初から最後まで楽しめるとは思う。