前野ひろみちのレビュー一覧

  • 満月と近鉄

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    知らない作家。
    「ランボーと怒りの改新」を筆頭にとにかくひらめきに満ちた作品集。万城目学とは違った、垢抜けた感じがないところが逆に良い。
    とにかく一気読みした。

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    2023年07月24日
  • 満月と近鉄

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    ランボー怒りの改新、ぶっ飛びすぎてて度肝を抜かれた。ナラビアンナイトも小気味よい。なまじ奈良の地理がわかるだけに、楽しさも倍増。生駒に行きたくなった。

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    2022年11月07日
  • 満月と近鉄

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    ネタバレ

    ――

     きんてつ、の発音よ。


     だいたい大きな駅のあたまには「近鉄」と付いているんだけれど、概ね主要な街ではその「近鉄」は発音されないで、逆にJRの方にわざわざ付いてない「JR」ってー冠詞を付けるのが習わしになっている。子供のころからそのことに疑問を感じていたオレは多分根っからの体制派なんだろう。



     いやー、傑作である。ちょっと奈良について調べる機会があったのでここぞとばかりに読んでみたのだけれど、ほんとに。
     モチーフの使いかたも、削り出しの方法も見せかたも抜群で、技術的なのは間違いないのだけれど…それ以上にちょっとしたワーディングとか、展開のさせかたとか言葉の飛躍がすっぽりとハ

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    2021年08月19日
  • 満月と近鉄

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    けっさく!

    奈良舞台の話を探して見つけたけど、
    こんなに貴重な本だとは…
    繋がり方と最後の締め方が好み。

    作者も自認してるし対談もしてるので、言うまでもなく森見さんワールドに近しいのだけど、
    何というか豪快な感じ。

    甘樫丘やら飛鳥寺やら、行っておいてよかったー!
    奈良公園も改めて行かねば。
    万葉の歌と植物も。

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    2021年04月30日
  • 満月と近鉄

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    謎の作家前野ひろみち氏による短編集。ランボーは歴史の知識がないとなかなか難しいが、知識不足でも十分に読ませてくれる大胆な作品。ナラビアン・ナイトは奈良を舞台に語られる物語群、そしてその構造に圧倒される。そして自伝的(?)な表題作が全ての物語を繋ぎ、ますます著者への謎は深まるばかり。さて、問題となる著者の正体だが、7割くらいの確率で夜は短いのではないか。ただM氏なら表題作のような描写はしないような気もする。しかし、だからこそ筆名を変えて出版する必要があったのではないか、などと妄想は尽きないのであった。

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    2021年04月04日
  • 満月と近鉄

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    「満月と近鉄」というタイトルがまず天才。

    収録されてる4篇の振れ幅がすごい。メチャクチャやな!と思うような設定も素晴らしい力技で読ませてくれる。物語に登場する地名が気になって調べたら、作中にはない地域の伝説もまた奥深くて沼のよう。奈良の見方が変わりそうです。

    作者の正体はとても謎めいていますが、巻末の解説や対談を読みながら想像を膨らませるのもまた一興かと。

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    2021年03月15日
  • 満月と近鉄

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    ジャンルの振れ幅が凄い。
    青春かと思ったら歴史、かと思えば説話集、さらには自叙伝。
    奈良かと思ったらベトナム、あるいは中東、やっぱり奈良。
    一見無茶苦茶、実際無茶苦茶なのだが、全てが高純度のまま混ざり合いつつ一体感を形成してる。
    読んでいてとにかくリズムが良くて引っ掛かりがない。
    もっと読みたいのだが、4作の短編しかないからこその高密度にも思うので悩ましい。
    解説や対談、発売時の帯にもあるように、森見登美彦氏に似たものを感じる人は多いようで、私もその例外ではなかった。
    私は奈良のことを殆ど知らないが、読んでいるうちに私も奈良の中に溶けてしまうような、不思議な感覚を得られる、短いながらも贅沢な作

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    2020年12月26日
  • 満月と近鉄

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    「奈良というところは地上でもっとも月に近い場所なのかもしれない」

    その一文に、わたしはひどく共感した。
    わたし自身、奈良の空に昇る月に惹かれて、この地に住むことになったようなものだから。

    自叙伝とも自作自演ともわからないこの四作は、すべて現実と虚構の境目が曖昧模糊としている。

    阿呆だった鹿はとつぜん神性をあらわにするし、蘇我入鹿はロケットランチャーをぶっ放す。

    一作一作もそうだけれど、一冊としても「完成された現実のような嘘のような世界」が広がっている。
    これは短編集などではなく、これ一冊がひとつの物語だ。

    奈良はまことに不思議な土地だと思う。
    畑を耕す気楽さで、数十センチ。そのすぐ下

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    2020年09月24日
  • 満月と近鉄

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    おもしろい?楽しい?満足する?
    語彙が足らずにもどかしいですが、久しぶりにいい本に会えました。

    奈良 行ってみたいなぁ

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    2020年08月26日
  • 満月と近鉄

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    奈良の書店で見つけて購入した一冊。
    森見さんぽいな~と思いながら読んでたら、最後に対談載っててビックリ。

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    2024年12月12日
  • 満月と近鉄

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    奈良の人間からすると地名とか方言とかとても馴染みやすい内容。
    話が突飛すぎてランボーの話とか「なんじゃこりゃ」って内容だった。
    最後の満月と近鉄は心温まるSF。確かに作者はもう書けないだろう。

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    2024年10月21日
  • 満月と近鉄

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    住んでる町の沿線がタイトルだったので購入。
    作家の前野ひろみちさんのご実家は奈良の畳屋さんで
    畳屋の後を継ぐより小説家を志した。
    その時に書かれた作品なのだろう。
    短編4作は、奈良を中心に書かれている。

    男子にありがちは日常を少し風変りに描いた「佐伯さんと男子たち」

    「ランボー怒りの改新」は少し難しくて途中で挫折しました。
    男性には面白いかも?と思いました。

    少し昔話チックで伏線が楽しい「ナラビアンナイト」


    小説家を志し、実家の畳屋を出て一人暮らしをし、
    そこで出会った佐伯さんと共に小説に没頭した生活を
    書き綴った「近鉄と満月」
    意外な展開が用意されていて、とても読みごたえがあった。

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    2024年02月12日
  • 満月と近鉄

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    4つの短編のうち、ナラビアンナイトがかなり好き。
    どのお話も頭に「?」を浮かべながらも読み進めるのが止まらない。
    どんな話だった?と聞かれても、多分全然説明できないけど、ふっと笑える小説だった。

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    2023年08月21日
  • 満月と近鉄

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    現実と幻想の混同。そしてアホとロマン。
    その組み合わせは不可能なのでは……と思うコラボも不思議と絶妙にマッチしていて、おもしろい事になっている。
    このオリジナリティは天才的です。

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    2023年05月08日
  • 満月と近鉄

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    突如現れた奈良の鬼才。野生のベテラン作家。実は、夜は短い京都の作家!?
    などなど、事前情報の真否は置いておいて、奈良を舞台に幻想と妄想となんだかよくわからない歴史や某映画が入り混じる小説4編を、なんだか分からないまま、面白おかしく読みました。
    そして、解説もなんだかよく分からない。

    作者の正体(?)の物議から始まり、これだけ始終うさんくさが漂う本もないもんだなあ、と思いつつ、最後までノンストップで読める物語の運びや奈良の情景が脳裏に浮かぶ描写は、読書中ずっと心地がよい、理想の”本”だな。と感じます。

    誉め言葉になっていないかもしれませんが、短編4つの区切りでさっくり読める上に、後半に行くに

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    2022年05月25日
  • 満月と近鉄

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    奈良を舞台にした短編集。

    突飛かと思ったけど、奈良らしさと融合されていて、奈良感が出ていて良かった。
    後回しにしたナラビアンナイトが、結果的に一番いい締めくくりだったなー

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    2022年03月22日
  • 満月と近鉄

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    ファンタジー作家は自身の存在すらファンタジーにすることができるのか!?と驚かされた。
    この小説のどこが実話を元にしていて、どこが創作なのか、もっと言えば「前野ひろみち」という作家が本当にこの世に存在するのか否か考えることすらワクワクさせられる。
    作中に出てくる「佐伯さん」の経営するスナックを探し求めて奈良を旅してみるのも悪くないかもしれない。

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    2022年01月10日
  • 満月と近鉄

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    初対面の人と森見登美彦の話で盛り上がった後、本作のことを教えてもらいました。知らないんですけど、この作家。唯一の著作なんですか。でも巻末には森見登美彦との対談付き!?

    電車の中で本を読んでいる人は稀ですから、見かけると「何読んでるんですか」と聞きたい衝動に駆られます。もしも私がもうひとりいて、この本を読んでいる私を見かけたら、そのニタニタ具合が怪しすぎて「いったい何をお読みですか」とこらえきれずに聞いてしまうと思います。第1章の『佐伯さんと男子たち1993』はそんな感じ。

    その佐伯さんが再登場する第4章の表題作に再びウキウキし、第2章の『ランボー 怒りの改新』では法興寺のフットボール大会に

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    2021年12月07日
  • 満月と近鉄

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    奈良を舞台とした小説ということで読んでみました。全部で4話、自分の中では2話が合わなくて、2話はすごく楽しめました。奈良にゆかりのある人の方が楽しみやすい小説です。

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    2021年09月20日
  • 満月と近鉄

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    なんともへんてこでかつ面白い奈良小説でした。森見作品のような小説。森見作品を好きな人がこれにはまるかどうかは半々かな。悪く言えばパワーが弱い、良く言えば、華やかならず落ち着いた奈良を描いた作品らしいマイルドさがある。

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    2021年08月05日