澤田晃宏のレビュー一覧
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技能実習制度と言えば、劣悪な環境で働かせられる低賃金奴隷労働との認識だ。かつて繊維産業が盛んだった故郷の街にも古くから中国人実習生が多数来日し、NHKでその実態が告発されたこともある。いかにも日本的な偽善と欺瞞に満ちた制度であり、同じ日本人として申し訳ない気持ちになる。日本人の民度では所詮この程度の政治しか選べないのだ。
ただ、つい日本人的な発想で長時間労働させられて可哀想とか思ってしまうが、この本を読んで、そんな単純な話でない事も理解できた。丁寧な取材に裏打ちされたリアリティのあるルポで、読み応えがある。
今後日本の国力と共に円の価値が低下していく中で、日本で働きたい外国人は減っていくだ -
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国際社会からは「奴隷労働」だと非難されている「技能実習生」についてのルポタージュだ。本書ではベトナム人に焦点が当てられて書かれている。最低賃金の手取りからさらに家賃なども差し引かれての収入で、3年間で300万貯め込んで本国に帰り家を建てるベトナム人もいることは確かだけれど、失踪しなければならないほど劣悪な条件で働かされている外国人もあとをたたない。これは本国の送り出し機関とそして日本の監理団体がクソだからだ。日本の監理団体は帳簿に形跡が残らない仕組みでキックバックを送り出し機関からもらっている。本国で飲めや歌えや抱けやの接待をベトナムで受けたり、または現金を実習生に運ばせたりしているらしい。結
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ネタバレ主にベトナムからの技能実習生を対象に、実習生本人や送り出し機関、監理団体や受け入れ企業を取材し、技能実習制度の実態を記載したルポ。こういった外国人労働者問題を扱った図書では、著者が自分の信念を強く訴えるような書き方になることが多いように思いますが、本書はあくまで、この制度の実態はこうですよ、というある意味で中立的な描き方に専念しているように思われて、読み応えのある1冊でした。
本書を読む限りでは、ベトナムからの技能実習生は日本での労働が"劣悪な環境ではあるが、期間限定の一獲千金の場"であることを予め知ったうえで来ているので、そういった意味ではこの制度は実習生にとっても受 -
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ネタバレ技能実習生の実態を筆者が実際に現場に行き、リアルを書いた良書である。
よくある技能実習への単なる批判ではなく、実習生が醜悪な環境でもなぜ日本に働きに来るのか、正確に書かれていると感じた。
最初に描かれているベトナム人の300万円の自宅は写真の掲載があったが、
圧巻であった。なるほどこのような夢を求めてベトナム人は日本に来るのか。。
もちろん、メディアで騒がれているように明るい現実だけがあるのではない、
ベトナムの送り出し機関に登録するために、実習生は100万円程度用意が必要。
大抵は前借りをする。場合によっては実家の家や土地を担保にする。
やっと日本に来られても、残業が少なく給料が少ない場合 -
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約3年間技能実習生の入国後講習に携わり、それ以前からボランティア教室で数多くの技能実習生に接してきた私は、テレビや新聞で技能実習制度の悪い面ばかりが報道されることに疑問を持ってきた。本書で特に興味深かったのは、ベトナムで元技能実習生の今を追跡していたこと。家だけでなく土地を買っていたり、元技能実習生同士で結婚したり再び日本に向かったり。
本書でも触れていたように、フィリピンは技能実習生に費用の負担をさせておらず、失踪も少ない。にもかかわらず相変わらずベトナム人ばかり多いのは実習生から搾取したお金で営業が行われているから。残念で仕方がない。
また、将来留学したいという実習生に、日本語を学ぶためな -
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技能実習制度の実像を理解するための良書。上っ面の行政資料のコピペではなく、送り出し機関や監理団体にも取材を敢行しており、冷静に実像を描こうという筆者の気迫が感じられる。
「一番の課題は受け入れ企業の選定ではないか」「技能実習生に関わる日本人は゛程度が低い゛んですよ(ある送り出し機関の社長)」の部分は、まさにその通りと思った。
受け入れ企業の6割は零細企業。遵法意識も薄く、生産性も低い。当然最賃労働。日本人労働者には見向きもされなくなった個人商店のような零細企業が、業界団体のロビー活動を通じて政治家に働きかけ、技能実習生という低賃金労働者を供給してもらう。技能実習生もそれを知って稼ぎにやってくる -
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著者はアダルト誌編集者や「SPA!」記者などの経歴のあるライター。あとがきにあるように、以前は大卒を経ずに著者のようにアルバイトやフリーのイラストレーターとして編集部に入り込み、その後才能が認められ世に出た有名人が結構いたが、著者はその最後の世代を自認する。まとまった著書としては本書が処女作となるようだ。制度の裏に隠された矛盾をつくというルポとしては伝統的なスタイルながら、問題提起がシンプルで構成にも無駄がなく、読みやすい。ストレートに著者の思いが伝わってくる良作だと思う。
日本の技術力の海外移転という国際貢献の美名のもと、単なる労働力受給の調整弁として扱われる外国人技能実習生。外国人側に -
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コンビニや飲食店で働くアジア系の外国人を目にする機会が2010年ごろから急に増えて、今では当たり前になった。
その事象がどういうふうに起こっているのか、街中で見かけるベトナムなどから来ている人たちが、なぜ日本に来ることになったのかを知りたくて、この本を読んだ。
わかったのは以下
・ベトナムと日本の経済的な差があること(ベトナムは大卒でトップの月収でも3•4万程度)
・そのため技能実習で日本に来て最低賃金でも働けると、ベトナムでは到底稼げない金額の貯金ができること
・実際にそれで家を建てるベトナム地方出身者の人たちが多いこと
・一方で、この格差状況や「技能実習」というシステムの形骸化は問題 -
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準工業地的に「住まい」がある。
小さな、といっても数十人の行員の方たちが
働く町工場が点在している地域である。
10年ほど前までは、小さな村なので、
その工場への出勤、退勤時に
いたるところで中国語を
耳にすることがほとんどであった。
今は、ほぼといっていいほど、ベトナム語である。
むろん、彼らは「働き」に来ているのであって
その地域の住民と親しくなるために来ているのではない。
でも毎日のように見かけ、出会う彼らの背景が
どうなっているのかは かなり気になってしまう。
もちろん、本書にレポートされているような状態か
どうかは、残念ながらわからない。
いつか(彼らと)会話ができる時のこ -
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一般社団法人移住交流推進機構のHPで、全国の自治体支援制度を検索できる。
コロナで転出超過になった。20代では転入が増加。離れているのは30~50代の子育て世代と、60代以上のシニア。
半農半Xで生きる。所得面の満足度は低い。田舎暮らしは生活費は安くはない。
移住の最大ハードルは仕事。次は住居。淡路島でも移住する住宅がなくてできない人がたくさんいる。
空き家バンクは4割の自治体が設置済み。全国的に探せるよう全国版空き家空き地バンクが始まった。空き家バンクの登録は低調。改修費が負担できない。大半は売買物件。
生活費は住居費以外は安くならない。むしろ高くなる。車両費の支出。プロパンガスは都市ガ