中村尚樹のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ様々な切り口からMaaSについて理解することができ、将来の交通機関・移動手段のあり方について考えるきっかけとなる。特に交通事業に携わる者は、現業・非現業を問わず、今後の自らの仕事・働き方を考える上で重要な業界内外の動向について理解を深め、また、技術革新に伴う環境の急激な変化を実感することができるため、必読であると感じる。
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過疎地域におけるデマンド交通の仕組みは以前から様々な実験や実用化がされてきているが、クラウドコンピューティングにより配車などの事務作業を効率化しやすくなっている。スマートフォンからの予約により、自動かつ即時に、最適なルートを構成することが可能になっている。歩くのに不自由な人にはパーソナルモビリティも有効。障害者だけの乗り物ではない。
観光地における移動手段としてもオンデマンド交通が注目される。ルートを効率化し乗車率を上げることでドライバー不足の解消にもつながる。MaaSにより、交通機関の選択肢が増え、より細やかな観光が可能に。観光型MaaSの導入により地域交通の利便性も向上する。観光地のみならず生活に必要な病院や郵便局にもアクセスしやすいように工夫。
タクシー業界では配車アプリが急速に普及している。走行距離は変わらずして実車率と収入の向上に寄与。
ライドシェアも徐々に進んでいる。自家用車・社用車などの使っていない車をシェア。駐車場のシェアリングも注目。
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コロナ以後のテレワークの定着で都心部への通勤需要は確実に減少する。同時に地方への移住志向が高まることが予想され、地域の交通手段の利便性の向上にMaaSは必要不可欠である。
また、働き方改革により移動時間を無駄にしたくない志向も強まるだろう。移動する必要があるのなら移動中も会議を行いたいなど。都心部の公共交通機関にとっては脅威である。
交通事業者が交通網を整備して街づくりを行う時代は終わった。多様な働き方・価値観を認め、住む人自身が主体となって交通を作る時代を感じることができた。 -
Posted by ブクログ
老化細胞延命遺伝子を阻害することで老化細胞を除去する技術、冬眠状態を人工的にもたらすことで負傷や感染症の際の治療に活用する、ブレインマシンインターフェース、感覚を伝達できるポゼストハンドでボディシェアリングや遠隔で人体を動かすことも可能になる、自律的で人体同様のウェットな身体をもつ汎用ロボット、台風中心部を冷やしたり周縁に雲を作らせることで勢いを弱める、ウシを低メタン化する細菌やエサの開発、コオロギ食、シロアリの活用による山地の残材の分解処理とシロアリの家畜の飼料としての活用、農薬に代えて不妊化した害虫の散布による子孫の根絶や天敵の散布、AIカメラとレーザーによる害虫駆除など、知らなかった新たな取組を知れて、興味深く面白い書籍であった。
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Posted by ブクログ
日本の技術力は年々落ちている。これは由々しき事態だ。そこで日本政府は一念発起して「ムーンショット型研究開発制度」と称し、九つの目標を掲げ、研究を公募し、予算をつけた。現状、具体的なプロジェクトが出揃い、研究開発がスタートしたところだそうだ。
本書はその中からいくつかを紹介している。
・健康寿命を100歳まで伸ばす
・人工冬眠による医療革命
・現実世界にアバター(アンドロイド)をつくる
・アバターを脳の信号で動かす
・埋込サイボーグによる人体強化
・自律型ロボット
・台風の制御
・こころを翻訳する機械
などなど。
大体2050年を目処にされているが、自分が生きている間にいくつ実現できるだろうか。そして世界をリードできる技術になるだろうか。見守っていきたい。
皆様も内閣府のムーンショット型研究開発制度というサイトで大まかな進捗を確認できるので、是非ご覧になってください。 -
Posted by ブクログ
CASEはそこそこに、MaaSメインで様々な事例やアイデアが紹介されていた。
視点として、社会に存在していたミスマッチ(車両が眠ってる人と移動したい人、同じ方向に帰るのに別々にタクシーに乗る人、土地が遊んでいる人と駐車場を求めている人、空車率の高い路線バス、情報共有不足で待ち時間だらけのトラック など)をテクノロジーでマッチングする、手段ありきではなく目的のために複数の手段を組み合わせる、データを蓄積·分析して最適な配分を実現する、目的地まで途切れないシームレスな移動体験を提供するためにラストワンマイルを埋めるツールを使う、所有ベースではなくシェアリングすることでリソースを効率よく活用する、モノではなく体験を重視する、サービスは高速で改善を繰り返す、などが共通していた。
起業家の生い立ちや思いについてもしっかりした説明があってそれぞれ読み応えのある良書だった。 -
Posted by ブクログ
MaasとCASEについて多くの実例を挙げて紹介している一冊。
正直、Maasとは単に共通のアプリを用いてdoor to doorで移動するためのツールだと思っていたけど、それだけではなく、地域が抱える交通や医療の課題を乗り越えていくための様々な取り組みを包含したものであることをあらためて知った。
地域の二次交通や医療の課題に取り組むことは、事業として成り立つのか、誰もやりたがらないビジネスではないかと思っていたが、これまでの発想を転換し、IT技術やAIを活用し、事業者と利用者の双方にメリットがある形でサービスを提供していく。
地域の実情に適した形でのサービス。地域に住む人たちが主体的に、さまざまな事業者と連携し、よりよい地域交通のあり方、生活のあり方を模索し実践していくことが大切だと感じた。
企業としてもそこに短期的な爆発的なヒットを見出すのではなく、持続可能な成長を求めて取り組んでいく必要があるのだと思う。
当事者意識を持って、関心を持って仕事、生活の中で取り組んで行きたいと思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレMaaSという言葉を耳にしない日はないくらい日常語になりつつあるものですが、完成形がどういうものなのかは分かりづらい。
きっとこれで完成という状態は無いのかもしれないし、世の中の困りごとを解決するために、移動をキーワードとしているものはすべてMaaSと呼ばれるだろうし、他の何かと組み合わせる事で価値を創造するということも正しいのだろう。
自動運転がどんどん高度に実現されれば、道路の渋滞も緩和される。
人口減の社会において、働き手を増やせない事業社をカバーし、利用者にとっては1回あたりの乗車料の権限に繋がる。
所有からシェアリングへの流れも今の世の中、若者にとっては頑張って車を持つという気持ちも減っているという中では必然。
少子高齢化、地方都市の過疎化、路線バスの廃止など地方はどんどん苦境に立たされている。
地域創生ということで地元に戻ってきてもらえるような仕掛けを行政側で考えていると思いますが、
それが実現されるのにどれだけの時間がかかるのか、官民連携しながら最適解を求めて活動するなどもMaaSという新たな思想があってこその事。
子供の頃に夢見た未来が直ぐ側まで来ている。
世の中の動きを日本だけでなく、海外の事例も含め紹介いただき、非常に理解が深まる作品です。 -
Posted by ブクログ
夢が膨らむ内容。
ロケット開発では、スペースワンやインターステラテクノロジーズ、ロケットリンクテクノロジーなどが日本勢として活躍するほか、大林組の宇宙エレベーターは、完成すると宇宙空間に物を送り込むコストが劇的に下がる革命的な建造物になる。
衛星開発では、アクセルスペースやアークエッジスペースやQPSなどが日本のプレイヤー。通信、観測、測位などで活用され、新たな巨大ビジネスの舞台となるだろう。
宇宙に行くためのスペースポートでは、種子島、内之浦、北海道大樹町、和歌山県などがあり、大分県は誘致に尽力する。日本郵船は海上打上構想を練り、大林組は宇宙ホテルの建設を夢見る。
制度面では、シンジケート方式での宇宙保険、資源の保有を規定する宇宙資源法などが整備され、インフォームドコンセントで事業者を免責する制度の確立、ベンチャーキャピタルだけでなくプロジェクトファイナンスにも対応できるような資産保有の制度的整備が求められる。
月面探査では、アイスペースの探査車や、トヨタを中心とする月面ローバー開発チームなどが世界をリードする。
月に存在する可能性がある水を巡って、水から燃料を作るプラント建設を目指す日揮グローバル、水の分析装置を担う横河電機や千代田化工建設、水電解装置を作る高砂熱学工業などが活躍する。
そして、月面での自律施工システムを開発する清水建設、レゴリスを建材に変える大林組、人工重力環境を作る加島建設と、夢に向けた開発プロジェクトが動いている。 -
Posted by ブクログ
自分の仕事で一番関係するのはエンタメの世界。5Gは確実に業界を根底から変える。その時我々はどうする?
eスポーツやHADOのことにも触れているが、この先の未来、全く想像もつかないようなエンタメが発明されていくと思うと、本当に身が引き締まる気持ちだ。
テクノロジーの進化を普通に考えていくと、エンタメはほとんどがメタバース世界になり、まさに「サマーウォーズ」や「竜とそばかすの姫」のような世界になっていくのだろう。
人々はほとんどの時間をメタバース世界で過ごすだろうし、その中でエンタメは消費されていく。
リアルでは成すことが出来ないエンタメの表現が、メタバース内では惜しげもなく披露されていくだろう。
そうなると逆にリアルはどういう価値を提供していくのだろうか。
そういう意味で、リアルとメタバース世界を繋ぐ役割として、「5G」は非常に重要なインフラとなる訳だ。
思い返せば、これだけ動画配信が発展したのも、3Gから4Gに移行してから。
そして2030年までに5Gがどういう世界を作り上げるのか。
3G時代には成し得なかった動画配信が4Gでサクサク見られるようになって爆発したように、普通に考えても、5Gがカンブリア爆発の如く様々な社会変化の引鉄(ひきがね)になるだろう。
エンタメの世界も当然に大変化する。
自動運転も、スマートシティも、何なら人体に埋め込んだチップ間のテレパシー的なものも簡単に出来るようになっているかもしれない。
本当にそれらが、わずか数年後に実現する世界なのだ。
人間の基本的な構造は、数万年間進化していない。
それにも関わらず、社会だけはテクノロジーによって大きく急速に変化していく。
確かに急速な変化による副作用も指摘されているのは事実だ。
5Gの世界では、便利になっていく反面、セキュリティのリスクが益々高まっていく。
しかしながら、これらについて「それではスマホ使わない」とか「5Gは必要ない」ということにはならないだろうと思う。
新テクノロジーを使う上で課題は確かに様々あるが、それらを上回る恩恵がある以上、やはり前に向かって進んでいくしかなさそうだ。
つまり、一度進化したテクノロジーは不可逆で、先祖返りすることはないのである。
新テクノロジーで課題があるのであれば、その課題を解決する新新テクノロジーを開発するしかない。
人類はそうやって過去の課題を乗り越えてきたのだ。
人類は未曾有の大変革の時代に突入している。
その先の未来社会は一体どうなるのだろうか。
私自身がその世界にワクワク感を持って期待しているという面がある。
確かに不安がない訳ではない。
しかし人類は必ず良い方向に向かうはずだ。
根拠はないが、そういう気持ちで未来社会を夢想したいと思っている。
(2023/3/23)