波多野誼余夫のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
自分のモチベーションの分析のために読んだ。
なぜやる気が低下するか、客観的に見やすくなったし、仕事の参考にもなる。
情報源はアメリカの研究がメインのようだ。
以下内容メモ。
・自分で回避できない苦痛を味わった経験があると、後にまた苦痛を受けた時に、自ら回避しようとしなくなる。
・失敗の原因の認識の仕方は、以下の3次元に分けられる。
① 原因は自分の外部か内部か
② 内部の場合、安定した理由か(能力等)、変動しうる理由か(努力や気分)
③ コントロール可能なものか(努力等)、コントロールしにくいものか(気分)
・選択肢があり、課題が有意義なものだと自律性を感じやすい。
・自己有用感が大 -
Posted by ブクログ
囲いに入れた犬に、定期的に電流を流す。片方は電流を回避できる犬。片方は何をしても逃れられない犬。逃れられない犬は電流を甘んじて受け、それに耐え続けるしかない。そうしてやがて気力を失くし、鬱状態になっていくという。
少し簡略化したが、これは本書でも紹介されるセリグマンの実験で、学習性無力感を探るもの。今なら許されなさそうだが、本書では他にも赤ちゃんに対して恐怖感の植え付けを操作したジョンワトソンの実験にも触れる。これらはこの手の本を読み続ければどこかで出会う、サディスティックだが貴重な実験だ。
無気力を考える時、我々はこの電流をアナロジーとして考えれば良い。あなたにとって自己決定による調整が -
Posted by ブクログ
ネタバレ「人はいかに学ぶか」を読んだ時に、この本のことを知り手に取った。
内的動機づけが理想、自己効力感(役立っている感)、本心でやりたいと思えているかどうか。
無気力にならないために、主体的にやる気を持って活動するために、この3点がポイントだと感じた。また、やりがいと効率に関する話題が印象的であった。管理者としては効率重視、労働者としてはやりがい重視…。ただ長期的な目で見ると、やりがいを大切にした方が良い集団になると思う。あえて効率の良いベルトコンベア式の仕事にせず、全員が一連の組み立て作業に携わることを通して、「自分たちの仕事がこんなことに役立っているんだ」という実感を持つ。この経験こそが自己効 -
Posted by ブクログ
無気力にならないようにするには、①無力感を獲得しないようにし、②効力感を得られるようにすればいい。効力感を得る条件は、a.自律性の感覚(自分の活動が好ましい変化を生じさせたという感覚)、b.他者との暖かいやりとり、c.熟達による自己向上の実感・内的評価である。
以上のような大筋のもと、各章では心理学的実験の結果から無力感、効力感等の条件が洗われます。しかし、本全体も各章も短めなので専門的になりすぎず、サクサク読める新書らしい新書といえます。
1981年初版の本なので、その後のゆとり教育に繋がるような考え方が推されており、歴史的に見ても面白いです。とはいえ、能力・努力・やりがいのようなテーマは、 -
Posted by ブクログ
無気力はなぜ起きるのか?
効力感はどうしたら生じるのか?
様々な実証実験で人間心理を探る。
自分ではどうしようもないと感じると無気力
報酬で取り組むと報酬がなくなると無気力
赤ん坊が泣いても親が何もしないと無気力
努力で変わる、努力で成果が出る効力感
人間関係で認められる、貢献すると効力感
感想
犬に電流を与えた時に、
あきらめてジッとしてしまう犬と、
避ける方法を探し続けて答えを見つける犬がいる
パズルを解く大学生に、
報酬を与えて途中で辞めるとやる気をなくし、
初めから報酬のないチームはやる気が継続する。
という実験は興味深い。
無心にたのしみながら努力を続けられる人が
熟