嘉悦洋のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
1958年2月、日本南極観測隊第一次越冬隊は任務を終え、第二次越冬隊に引継ぎする前提で撤収したものの、計画は中止され、南極昭和基地にソリの引手となる樺太犬15頭が置き去りになりました。
それから1年後の1959年1月に第三次越冬隊として派遣された隊員が、奇跡的に生き延びていた「タロとジロ」に再会し、日本中が歓喜しました。1983年には「南極物語」として映画化もされています。
ここまでは年輩の方であれば記憶している方も多いと思います。私もタロとジロだけが生きていたと思ってました。
当時日本では樺太犬を置き去りにして見殺しにしたことに対する非難がずっと渦巻いてました。そのことが結果的に詳細 -
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Posted by ブクログ
ネタバレタロとジロが南極で1年生き延びていたのは、リキがついてたんだね。そして北村さんがまた戻って来ると思って、基地を離れなかったんだね。謎が判明した最後は、涙が止まりませんでした。
第一次越冬隊で犬係をされていた北村泰一さんが、一年後に再び南極を訪れてタロとジロと奇跡の再会を果たす-映画「南極物語」でもお馴染みのように、ここまでは誰もが知っているけれど、そこからの事は全く知らず、そして一次越冬の間、樺太犬がどのような活動をしたのかなども知らなかった。この本には詳しくその辺りの事が描かれていて、真実の南極物語を知ることができました。
北村さんは、あぁやって置き去りにしてしまった犬たちを弔われたのです -
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Posted by ブクログ
読んでよかった、と思う。
「タロとジロの奇跡」から10年後、南極昭和基地にてカラフト犬の遺体が新に発見された_ 。全く報道されなかったこの事実について、南極第一次越冬隊最後の生き証人となった北村泰一さんと、元新聞記者である筆者が検証を試みる。
87歳の北村泰一さんは高齢者施設に入居されており、取材開始時には記憶が覚束ないところもあったという。しかし、「犬たちが南極でどう生き、死んだのか、すべてを証言しますから、それを記録に残して欲しいのです」「タロとジロ以外は今もなお、名もなき存在のままです。彼らが南極で苦しんだり喜んだりしたすべての真実を、世の中に知ってもらいたい。そうでなければ、私は死ん -
Posted by ブクログ
ネタバレその犬の名を誰も知らない
著 嘉悦洋さん。
監修 北村泰一さん。
真実の南極物語。
封印された第三の犬の正体をめぐる。
第一次南極越冬隊。
終戦から10年。
科学技術で世界に貢献する。
南極観測の実現。
何をやるにしても、最初というのが必ずあります。
必要なのは、可能にする勇気ですよ。
すごい人たちだなぁー。と、
まず、思った。
その中で、犬係として参加していた、
北村泰一さん。
犬達を置き去りにした事。
胸を痛め、
第三次越冬隊に志願。
タロジロとの再会。
亡くなった犬達を水葬する場面。
涙涙。
第三の犬ちゃんは、
北村さんを、昭和基地の仲間達を、
待っていたんだね。
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Posted by ブクログ
あの南極観測隊のタロとジロ。置き去りにされながらも生き残った奇跡の二頭のカラフト犬。その生存の影にいた第三の犬の存在を検証するノンフィクション。
映画「南極物語」ほかタロジロの物語は有名。当時、犬を置き去りにせざるを得なく、また次の観測隊メンバーに選ばれ、タロジロと再会を果たしたという犬の世話係、北村隊員にインタビューしながら検証した話。南極観測に当たっての犬ソリ隊の形成に当たる苦労。ヒトとイヌとの信頼関係の形成など、第三の犬の内容がなくても充実した内容の感動作。
タロジロは生き残ったが死んだ第三の犬、どの個体だったかは記録からはわからない。幼い二匹の犬の奇跡の生存。南極観測隊の苦闘と共に -
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Posted by ブクログ
友人からの誕生日プレゼント。
まず、この本を読む前の前提知識としては以下。
【TBS開局60周年ドラマ『南極大陸』(主演:木村拓哉)より】
・印象的な犬はリキ。リーダーシップが強く、唯一家族との別れが描かれた犬。(娘役は芦田愛菜)
・船、宗谷
・タロとジロが生きていた
単なる対談本かと思っていた。
しかし読み進めてみると、特に後半、
ミステリー小説級の鳥肌の連続。
何気なく漏らしていた記憶が、最後の犬への解明に。
「リキ帰還」のシーンには、2度涙。
水葬のシーンは衝撃で涙目。
また、この本のいいところは、
受け手が「ああ、なんて素敵な美談」と過剰に感じないよう、科学者として、「樺