大黒達也のレビュー一覧
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わからないことって魅力的❤️
今年一番面白かった本です。
作者の人間に対する愛を感じながら、楽しく読めました。2回読見ましたが、まだまだ繰り返し読みたいです。
ぼーっとする時間が大切であること、眠るとできるようになっているというのは感覚的にはわかっていましたが、科学的根拠があったことを理解できてスッキリしました。
子供には、どういった教育を勧めていくのが良いかのヒントが見つかりました。これから、いろいろ工夫して探していきたいです。
面白かったのが、共感覚について。意外にもこの感覚を持っているものが身近におりました。脳科学に興味のある方は、必読です。 -
Posted by ブクログ
芸術、脳科学、計算論、音楽学を融合させた研究家による、想像についての脳の働きの現在の解説
音楽の知識など読み難い部分もあるが、途中から示唆に富む内容が豊富
統計学習である潜在学習、意味記憶とエピソード記憶、エントロピーと脳、データの圧縮チャンクにより処理能力か上がるなど興味深い。
拡散的と収束的思考、内発的と外発的意欲、複雑性不確実性といった視点は今までなかった。
人間はマジョリティと違っていることに不安を感じる生き物で、結果の予測を確実にする、リスクを最小にするために収束化平均化し、それが不確実で創造的ものを生み出す妨げになる。
最適化普遍化させてしまうと不確実性がなくなり、知的な喜び -
Posted by ブクログ
音楽と数学、途中でズレるピタゴラス音律、綺麗な比率と音だが転調で困る純正律、均等割付だから音の数が少なく微妙なうねりがある平均律、フィボナッチ数列、天体の音、音楽と脳は相互に進化した、可塑性、順応、脳は新しもの好き、潜在的な統計学習、不確実性が高いとビックリし低いと飽きる、チャンク機能(まとまりを感じる能力で、熟練でまとまりを大きくできる)、前頭前野が未発達な赤ちゃんの統計学習による第一言語習得めちゃ早、記憶の種類、プライミング効果、共感覚(色聴が虹の色順に対応)、音楽家の脳は言語も得意、相対的な不確実性、環境閾値説、音楽と脳疾患、言語以上に何かを伝える力がある
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人間が学習するプロセスについて平易にまとめた書籍。
人間の学習は基本的には、統計学習が基本にあるということだと理解したが、統計学習にも発散する方向と収束する方向がある。
何か創造的な方向のアイデアを出そうというときは、例えばブレストとか発散方向にもっていくという傾向があるため、創造性には思考の発散、という印象があるが、実際には収束も重要となる。不確実性という切り口からは、収束方向は不確実性を下げる方向、発散方向は不確実性を上げる方向といえる。この相反する方向のアプローチがどちらも必要ということが面白い。
ひらめきが生まれる流れとして、ワラス4段階のプロセスがあるがそこでもいったんは収束的な思考 -
Posted by ブクログ
ネタバレ音楽の実践者による肌感覚を神経学という科学により読み解いた本である。
絵による「技」「創造」に挑戦しているがこの本は自分の身に置き換えられることが多く参考になった。
「ヒトの目、驚異の進化」において「未来予測ができる」で紹介されている脳の処理時間をキャンセルするための予測処理が音楽の場合には「うらぎり」による驚きを産み出すので音楽に集中するのだという話が面白かった。
【キーワードのメモ】
・短期記憶と長期記憶
・潜在記憶と顕在記憶
・手続き記憶とプライミング記憶
・意味記憶とエピソード記憶(高次)
・エントロピーと脳
・音楽の数学的モデルの生成
・拡散的思考(怖れを生みやすい)と収束的思 -
Posted by ブクログ
著者はケンブリッジ大の神経科学者。ピアノ演奏者としても相当の腕前を持っており、実際の演奏はYoutubeでも視聴することができる。脳科学者でありながら芸術にも通ずるという稀有なキャリアを持つ著者が、潜在学習(統計学習)メカニズムと創造性の脳科学的な解釈について、神経科学の最新の成果を交えながら解説する。
音楽家は長期間の音楽訓練により、外界から得た音楽の統計的構造を脳内でモデル化し、その複雑性(≒エントロピー)を下げ、様々な音楽に対する予測をしやすくすると同時に脳の負荷を下げ、他者と共有可能な「意味記憶」を蓄積している。しかしこのような脳内モデルの最適化が進むと、対応可能な刺激全般の幅が