【感想・ネタバレ】モチベーション脳 「やる気」が起きるメカニズムのレビュー

あらすじ

気鋭の脳神経科学者が、"飽きない脳"の仕組みを解説

やる気のある人や状態は、やる気のない状態から意識的にやる気を出したわけでなく、脳が「ワクワク」した結果、身体が勝手に動いてノリノリになっている場合がほとんどです。無意識であるという意味では、本来やる気などは存在しません。そのような思い込みが作り出した「モチベーションの壁」を壊すには、脳の喜びを心身に伝えるしかないのです。
モチベーションアップの行動を起こすためには、誰もが生まれつき持っている脳の「統計学習」の機能が有効な手段となります。統計学習とは、脳の潜在的(無意識的)な学習機能です。統計学習によって、脳はさまざまな事柄に対して「次にどんなことがどのくらいの確率で起こるか」を予測し、社会環境の中で何に注意を向けるべきかを適切に察知できます。統計学習において、知っていることばかり起きると脳は「飽きて」しまいます。逆に、脳がワクワクするような適度に新しい出来事が起こると脳のモチベーションが維持され、やる気が身体に伝わるのです。

はじめに
第1章 脳は勝手に判断する――脳の予測とモチベーション
第2章 「脳の壁」を壊す――変化と維持のせめぎあい
第3章 脳と思考の関係――意欲をコントロールする仕組み
第4章 脳の「思い込み」――不満を減らすか、満足感を増やすか
第5章 最高のモチベーションのために――自ら意欲を高める
おわりに

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Posted by ブクログ

ネタバレ

学び

何をするためにモチベーションを上げたいのかによって、報酬の形態は変えた方が良い。

不確実性のゆらぎによってモチベーションが引き起こされるのは、私たちの種を存続させるという観点からも納得。
ただ、その種のゆらぎから起こるモチベーションには、確実性も必要であり、確実性を上げるような最低限の知識(および学習)が必要に感じた。

フロー状態は、「高スキルを持った人が難しい課題解決をする時に起こるもの」かつ「その状態を幸せ」と定義するならば、ある分野でのスキルあってこそ幸せはつかみとれるとなる。
一種の幸せの形ではありそうだが、探究心の強い人なりの幸せの形だと私は思う。(それ以外の幸せもきっとあるだろうし、全員には当てはまらなさそうだなという意味。情報過多で向上が求められる現代だからこその幸せの形でもありそう。)



以下ネタバレ

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1.
モチベーションは、予測や経験からの微妙なズレを要因とする「不確実性のゆらぎ」により沸き起こる。

確実性と不確実性のバランスがとれて、安心感と不安感の均衡が保たれると、結果的にモチベーションの維持につながる。

2.
現代の情報化社会では、(マズローの)自己実現やその先の自己超越の欲求に目を向けつつ、内発的かつ利他的なモチベーションに基づいた行動が求められる。

このような行動が可能な理想の精神状態は、フロー状態(必要な能力が高い×難易度の高い課題を行う時に起こる)である。

フロー状態では、自身の行動が報酬となり、更なるモチベーションにつながるため、良い行動サイクルが生まれ続ける。

3.
つまり、私たちがモチベーションを引き起こすためには、不確実性のゆらぎを作り出したり、フロー状態になれるような行動をしたりすることが大切である。

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2024年07月18日

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