奥定泰之のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ中野京子氏の本は『ハプスブルク家12の物語 』以来だけど、あいかわらず示唆に富んだ内容で面白かった。
「怖い絵」と題されてはいるが、「怖い」の定義を柔軟に変えて読者を飽きさせない。
一見穏やかな風景に見えるミレーの『落穂拾い』も当時のバックグラウンドを踏まえると当時の人には「怖い」ものとして映った。この対比が何とも言えない。
というかやはり、絵画というのはある程度の文脈(知識、背景、観念)があってこそ光るものなんじゃなかろうか。描く者に求められるのであれば、それを見る者にだって求められるだろう。
僕らが行ける美術館や展覧会ってのは間違った説明に恐れてあまり詳しいことは語られない。まぁそれも