奥定泰之のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ中野京子氏の本は『ハプスブルク家12の物語 』以来だけど、あいかわらず示唆に富んだ内容で面白かった。
「怖い絵」と題されてはいるが、「怖い」の定義を柔軟に変えて読者を飽きさせない。
一見穏やかな風景に見えるミレーの『落穂拾い』も当時のバックグラウンドを踏まえると当時の人には「怖い」ものとして映った。この対比が何とも言えない。
というかやはり、絵画というのはある程度の文脈(知識、背景、観念)があってこそ光るものなんじゃなかろうか。描く者に求められるのであれば、それを見る者にだって求められるだろう。
僕らが行ける美術館や展覧会ってのは間違った説明に恐れてあまり詳しいことは語られない。まぁそれも正しい芸術鑑賞の一つなのだろうけど、「私はこう思う!」と声に出してくれるのも美術鑑賞初心者としてはありがたいなぁと思ったわけでした。
お気に入りはバルデス=レアルの『世の栄光の終わり』
九相図を想起させる詩の無常さは、どこでも同じように見られてた…のかもしれない -
Posted by ブクログ
『怖い絵』『新 怖い絵』一気に読破。面白くて為になる。
ふだん美術や絵画に馴染みの無い層向けに"怖さ"という独特の切り口で娯しみ方(絵画の"読み方")を教えてくれる。
主役はもちろん名画の数々なのだが解説文にも筆力扛鼎たるものがある。片言隻語も忽せにしない筆致がより一層名画の世界観ー絵画には物語があるーを引き立てている。
それもその筈で著者はその昔小説の賞に応募して最終候補まで残ったこともあるという独逸文学者だ。名画の解説それ自体が一つの文芸の域に達していると言えよう。
過不足なく雕琢された美しい日本語で極上の名画を"読む"。この読書体験は実に得難いものである。