刑部芳則のレビュー一覧

  • 公家たちの幕末維新 ペリー来航から華族誕生へ

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     江戸時代の幕引きから明治にかけての激動の中、京の公家の動きと視点から捉えなおす異色の一冊である。個々の事象について、非常に細かく調べられたものになっている。これだけでも大きな研究の成果と言えるだろう。
     室町時代後期から戦国時代にかけて窮乏を極めた公家は、江戸時代の秩序の中でひとつの安定をみて、それから200年以上もその状況を享受してきた。政治的な力を失った存在として記述されてきたものである。ところが、幕末の混乱期に至って、その存在が大きく表に出てきた。このことをどのように理解すればよいのか、それまでの経緯とのギャップ・落差が大きすぎて、感覚としてなかなか認識できないものではないだろうか。

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    2018年09月21日