刑部芳則のレビュー一覧

  • 洋装の日本史(インターナショナル新書)
    家政学に対して、やや攻撃的すぎるのでは…?と思いながらも、最後まで面白く一気に読んでしまった。
    あとがきを読んで、筆者がなぜここまで家政学者を批判するのか理由が明らかになった。歴史を語るには、緻密で繊細で注意深い分析と、ダイナミックな視点の双方が欠かせない。筆者は本書を通してそれを実践し、歴史学の何...続きを読む
  • 洋装の日本史(インターナショナル新書)
    明治維新以降、和服を着ていた人々が洋服を着るようにどのように変化していったのかを見ていく本です。今までの通説がどのように間違っているかの説明が特に前半には多いのですが、確かに今のようにテレビや動画配信があった時代でもないのに火事で焼け死ぬ和装の人が多くても、すぐに洋装に切り替える人が沢山いるわけない...続きを読む
  • 古関裕而―流行作曲家と激動の昭和
    朝ドラ『エール』風俗考証の方による古関裕而評伝。古関さんの曲は昔藍川由美さんのアルバムで聴いてから旋律の美しさが耳に残りずっと気になっていました。
    意外だったのは、古関さんには天才大物作曲家のイメージがありましたが、戦前(1930年代~1940年代初頭)に本格ブレイクするまでに実に時間を要していたこ...続きを読む
  • 古関裕而―流行作曲家と激動の昭和
    2020年上半期朝の連ドラの主役古関裕而の評伝。筆者は番組の風俗考証を担当。発刊に至る運命を感じる。

    さすがNHKの威力。同様な書籍が多く出版されている。ドラマにはまって辻田真佐憲の文春新書版に続き本書を読む。どちらも甲乙付け難い出来。自伝その他出典が同じだからだろう。また共に筆者が歴史学者である...続きを読む
  • 洋装の日本史(インターナショナル新書)
    昔は洋服を着るのに「礼法」を習わないといけなかったのね。今では着物を着るのに礼法が必要になってしまった。
    洋服を着た日本人に見慣れるまでが大変だっただろう。
  • 洋装の日本史(インターナショナル新書)
    今普通に来ている洋服の売上が、自分の生まれたころに和装を超えたのは意外だった。
    歴史本はよく読むが、確かにどのように洋装が広まったのかは考えたことはなかった。
    突然変異ではなく、流れがあっての変化だったのか。
  • 洋装の日本史(インターナショナル新書)
    近代以降の女性の服装の変遷 。和装から洋装へ。
    なかなか進まなかったのね。
    今は卒業式でおなじみの袴が、和装と洋装とをつなぐ役割をしていたというのも面白い。
    やっぱり、動きやすくても似合わないし高いし、ではなかなか浸透はしづらいんだな。

    トリビアの泉で研究者が言ってたことがいい加減だと批判してあっ...続きを読む
  • 洋装の日本史(インターナショナル新書)
    近代以降、特に女性の洋装に関する通史。
    中身はしっかりしていて日本の洋装の普及について知るには良い本だが、文中至る所に出てくる既存の家政学的服飾史観に苛烈な批判がどうしても目につく。批判内容は少なくともこの本に依拠するかぎり真っ当に思えるが、これをこの本の面白ポイントとして読めるか、それとも目障りに...続きを読む
  • 洋装の日本史(インターナショナル新書)
    <目次>
    第1章  幕末の海外渡航と洋服との出会い
    第2章  欧化政策の裏と表
    第3章  衣服改良運動
    第4章  服装改善運動
    第5章  昭和モダニズムの服装
    第6章  国家総力戦と服装
    第7章  洋服を着る時代の到来
    終章

    <内容>
    家政史の研究者に真剣を振り落とした感じ(家政史研究者は痛くも痒...続きを読む
  • 古関裕而―流行作曲家と激動の昭和
    朝ドラの「エール」の時代考証も担当している著者による古関裕而の評伝。昭和という激動の時代背景とともに興味深く、かつ平易に叙述されている。

    朝ドラのほうは現在ちょうど「紺碧の空」を作曲したところまで進んでいるが、史実にしたがうとこれから「船頭可愛や」のヒット、そして「大阪タイガースの歌(六甲颪)」「...続きを読む
  • 古関裕而―流行作曲家と激動の昭和
    「古関裕而の昭和史」(辻田真佐憲著・文春文庫)に続いて、こちら刑部芳則氏の「古関裕而」(中公文庫)も読んでみた。

    刑部氏は1977年生まれで43歳だが、少年時代から平成の歌などは嗜好に合わず、日本史が好きなので、では昭和10年代に少年だった人たちはどんな歌を聴いていたのかな、という思いで中学3年の...続きを読む
  • 古関裕而―流行作曲家と激動の昭和
    読み終えて思うのは、古関裕而という人はいかにも「日本人」だ。ただし、音楽について非常に高い能力を持っていた、そのことが彼を軍歌の世界に引き込みもした。それをもって戦争責任の議論を始めるならば、それは大部分の日本人の態度、知性と共通する論点になるだろうということだ。
     音楽理論については、私の知識が不...続きを読む
  • 古関裕而―流行作曲家と激動の昭和
    朝ドラで話題の作曲家の評伝。
    著者は若手の日本近代史の研究者で、専門は軍服を中心とした洋装の歴史との由。
    昭和の生まれとはいえ、この年代の人で古関メロディのファンだったという人は珍しいのではないか?
    随所に、古関への愛があふれている♥のだ。
    あ、でも、全体としては割とあっさり味。
    それぞれのエピソー...続きを読む